Google Cloud Storageのストレージクラスについてまとめてみました。
仕事では Multi-Regional (Standard Storage) しか使ったことがないので知っておく意味も込めて。
ストレージクラス
バケットを作る際に指定することができる。それぞれで課金方法やSLAが異なる。
以下の内容は、すべてのストレージクラスに適用される。
- 最小オブジェクト サイズのない無制限ストレージ。
- 世界中のユーザー補助と世界中のストレージの場所。
- 低レイテンシ(最初のバイトの転送時間は一般的に数十ミリ秒)。
- 高い耐久性(99.999999999% の年間耐久性)。
- データがマルチリージョンまたはデュアルリージョンに格納されている場合は、地域的な冗長性。
- Cloud Storage の機能、セキュリティ、ツール、API による一貫したエクスペリエンス。
価格
保存する容量と、アクセス回数で課金されます。
使い分け
基本的には Standardクラスを使っていればOK。
アーカイブや、決まった時期(ex:定期的)に必要になるデータ(監査データ等)についてはNearline、Cold Storage、Archive Storageを考慮する。
Standard Storage
(説明)ウェブサイト、ストリーミング動画、モバイルアプリなど、アクセス頻度が高い「ホット」データに適しています。
最小保存期間: なし
基本的にはこれを選んでおけばOK。
最小保存期間がないので、一時的にアップロードするファイル等にも利用できる。
SLAはリージョンだとSLAが99.9%、マルチリージョンだと99.99%。
Nearline Storage
(説明)低料金。データのバックアップやロングテールのマルチメディア コンテンツなど、少なくとも 30 日間保存できるデータに適しています。
最小保存期間: 30日
1ヶ月に1回くらいアクセスされるデータに向いている。
例えば、月1回のレポートを作る時だけ参照されるデータ等。
SLAはリージョンで99.95%、マルチリージョンでは99.9%になります。
Cold Storage
(説明)非常に低料金。障害復旧など、少なくとも 90 日間保存できるデータに適しています。
最小保存期間: 90日
Nearlineよりも低頻度でアクセスされるデータに向いている。
4半期ごとに作るレポートなどに使えそう。
SLAはNearlineと同じ。
Archive Storage
(説明)最低料金。規制に伴うアーカイブなど、少なくとも 365 日間保存できるデータに適しています。
最小保存期間: 365日
基本的に集計されないログ(リーガル案件等)などに適用するのが良い。
SLAはNearlineと同じ。
おまけ
オンプレや他のクラウドサービスからGoogle Cloud Storageに向けてデータを転送するための方法があります。
Storage Transfer Service
(説明)Cloud Storage への高性能なオンライン データ転送経路を提供するもので、データ転送プロセスを簡略化するために必要なスケーラビリティと速度を備えています。
例えばS3に置かれているデータをGCSに転送したい、だけど容量が100TBあります、といった場合に向いている。(1Gbpsでも数日かかる)
ドキュメントによると、10TB〜に向いている、とある。
Transfer Appliance
(説明)オフラインでのデータ転送の場合、Transfer Appliance は、データセンターにある配達可能なストレージ サーバーとなり、取り込み拠点に配達された後、データが Cloud Storage にアップロードされます。
1PBなどStorage Transfer Serviceでも対応しきれないデータに使う。
オンプレ(ex: 自社のデータセンターのHDFS上のデータなど)に適用できる。
10〜30日程度かかる。