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2019 年の非同期 Rust の動向調査

この記事は 2018 年の非同期 Rust の動向調査 の続報です。

TL;DR

  • Rust 1.39.0 以降で async/await 構文が使えるようになりました
  • Future を実行するためのランタイムはいままで tokio だけでしたが、別に async-std というのができました
  • async/await を使うライブラリを選ぶときはこの2つのランタイムのどちらで動くのかを確認しましょう。 特に理由がなければ tokio を使うのがいいでしょう。

2018 年からの差分

一年前から非同期 Rust を追いかけている人向けの情報です。

組織の再編

昨年は async/await を stabilize させるための async-foundations とツールチェーンを調査する web-foundations というグループが発足しました。 しかし諸事情により Async Foundations WGAsync Ecosystem WG (rustasync) に再編されました。役割はほぼ同じです。 async/await stabilize されたのち Async Ecosystem WG は解散、 Async Foundations WGasync-book の編纂をしているようです。

rustasync から async-rs へ

rustasync チームは Web フレームワーク Tide や非同期ランタイムの romiojulix 、その上に構築した非同期ランタイムの抽象 rustasync/runtime および runtime-nativeruntime-tokioruntime-wasm を作るなど、 std 相当の安定した非同期ツールチェーンの整備に向けて活動していました。 ところが 方針が変わり runtime クレートによる抽象化をやめて tokio とはまったく別の非同期ランタイムの async-std を開発しました。 rustasync チーム は Async Ecosystem WG 亡き後も async-rshttp-rs に名前を変えて 非同期 rust 環境の整備に向けて活動しています。

tokio と async-std の違い

tokio と async-std は TcpStream 、 UdpStream、 Timer などの実装方式が違うため、互換性がありません。
現在は tokio、async-std、および tokio ベースの actix-net ランタイムに基づく3つのエコシステムが並立しています。

runtime tokio async-std actix-rt
(tokio)
scheduler work-stealing work-stealing actor & worker-pool
main tokio::main,
tokio::test
async_std::main,
async_std::test
actix_rt::main,
actix_rt::test
block_on tokio::runtime::Runtime::block_on async_std::block_on actix_rt::SystemRunner::block_on,
actix_rt::Runtime::block_on
http trait tower,
tower-http,
tower-http-service
http-service,
http-client
actix-http
http-client reqwest surf awc
http-server hyper http-service-hyper actix-http
web framework warp tide actix-web
logger tracing async-log actix-tracing
timer tokio::time futures-timer,
async_std::future::timeout
actix_rt::time
(tokio)
tls tokio-tls,
tokio-rustls
async-tls,
async-native-tls
actix-tls
tcp & udp tokio async-std actix-net
(tokio)

もともとこのような事態を避けるために runtime クレートが開発されてたのですが、 runtime は rustasync の解散とともに開発終了 しました。また rustasync チームの「std 相当の安定したAPIを持つ非同期ランタイムを提供したい」という思惑と tokio チームの開発方針が一致しなかったことが rustasync チームが tokio とは別に async-std を開発した原因のようです。

#[main] async main について

Tcp, Udp, tokio-timer などのランタイム固有の機能を使っている場合、それぞれのランタイム固有の #[main] を使う必要があります。

async-std の中で requwest (tokio::net) を使うと……

#[async_std::main]
async fn main() -> Result<(), reqwest::Error> {
    reqwest::get("http://example.com").await?; // thread 'main' panicked at 'not currently running on the Tokio runtime.'
}

tokio の中で surf (async-std) を使うと……

#[tokio::main]
async fn main() -> Result<(), surf::Exception> {
    surf::get("http://example.com/").await?.body_string().await?;
}

……パニックしません。実は surf 1.0.3 はデフォルトで ブロッキング IO の libcurlスレッドで待つことで動かしfeatures= ["hyper-client", "hyper-tls", "native-tls"] をつけると内部で runtime-tokio を呼ぶ ので動くのです。(おそらく hyper 相当の http ライブラリを tokio とは別に作るのが困難なため)

block_on について

Tcp, Udp, tokio-timer などのランタイム固有の機能を使っている場合、 futures::executor::block_on は使うことができません。
それぞれのランタイム固有の block_on を使う必要があります。

futures::executor::block_on で tcp (tokio::net) を使うと……

futures::executor::block_on(async {
    reqwest::get("http://example.com/").await.ok(); // thread 'main' panicked at 'not currently running on the Tokio runtime.'
});

パニックします。

futures::executor::block_on で timer (tokio::time) を使うと……

use std::time::Duration;

futures::executor::block_on(async {
    tokio::time::delay_for(Duration::from_millis(10)).await; // thread 'main' panicked at 'no current timer'
});

パニックします。

このように現在の rust ではどのライブラリが tokio | async-std で動くのかを見分けるのは大変困難です。

actix-web について

actix-web はもともと tokio-core を使ったアクターライブラリ actix を元に作られた Web フレームワークで、これはシングルスレッドの tokio-core を使ったワーカープールの上にアクターのランタイムを載せるものでした。ところが tokio のマルチスレッド化とともに、マルチスレッド版 tokio とは少し挙動の違う独自ランタイム(actix-rt)となってしまいました。そのため、 actix-rt の上で tokio::blocking などのマルチスレッド tokio 固有の機能を使うことはできません。さらに、 actix-web は actix-http という独自の http ライブラリを使用しており、これも hyper を利用したほかのエコシステムとは一線を画してします。

wasm-bindgen と Promise について

wasm-bindgen をつかうことで JS の Promise を Rust で await できるようになりました。これは wasm ホスト環境の JavaScript インタプリタの setTimeout や Promise などを使った非同期ランタイムとみなせます。例えば reqwest は wasm にコンパイル可能で、 http client の実装は fetch API を使っています。詳細は wasm-pack で JS の Promise を await できる非同期 Rust を書いて node.js で動かす を参照してください。

その他のランタイム

rust の async ランタイムは誰でも作ることができます。 tokio や async-std の他にも組み込み向けのランタイム embrio や Google が開発中の fuchsia OS で使われている ランタイム もあるようです。fuchsia については Async Interview #2: cramertj が詳しいです。

何を使えばいいの?

async-std はエコシステムは登場してまだ半年も経っておらず 2020 年現在まだまだ開発中です。 tokio の上で reqwest と warp (または rweb) を使うのがいいと思います。 AWS では rusoto および aws-lambda-rust-runtime を使うことになります。 どちらも futures-0.3 や tokio 0.2 に未対応(2020-01-26現在) です。 特に rusoto は tokio-compatfutures-compat などを使うことになるでしょう。mysql や postgres を diesel で使いたい人は、diesel はまだ非同期 IO に対応していない ので r2d2 でコネクションプーリングをした上で actix-rt の worker を使うか tokio::blocking を使うなどの工夫が必要です。redis クライアントは redis-rs でいいでしょう。

ただ現時点では actix-web のほうがサンプルコードは充実しています。参考になりそうなリポジトリへのリンクはこちらです。

とはいえ Rust の非同期環境はようやく core::future と async/await が入った段階で、今後どうなっていくのかはまだまだ不透明です。

2019-01 から 2020-05 までの時系列

太字記事は Rust の async/await についての特にオススメの記事、および影響の大きな記事です。

2020-05

2020-04

2020-03

2020-02

2020-01

2019-12

2019-11

2019-10

2019-09

2019-08

2019-07

2019-06

2019-05

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2019-03

2019-02

2019-01

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