パプった結果をただメモしたいがための記事なので、いつか消す予定です。

Visual Studio と Visual Studio Code での ASP.NET Core MVC (.NET8) 挙動の違いと原因

よくある現象

Visual Studio で作成した ASP.NET Core MVC (.NET8) プロジェクトを VSCode でそのまま実行した場合、挙動（環境設定や実行結果など）が異なることがあります。特に、「launch.jsonを作成していない（デフォルトの構成）」状態で VSCode から実行すると、起動方法に違いが出やすくなります。

主な原因

1. launchSettings.json の反映違い

Visual Studio では、Properties/launchSettings.json の設定（プロファイル・環境変数・ポート番号等）が完全に反映されてアプリが起動されます。
しかし、VSCode では launchSettings.json が完全に無視される、もしくは部分的にしか参照されないという既知の問題があります。特に、launch.json または tasks.json が存在しない場合、VSCode のデフォルト動作は .NET CLI（dotnet run）相当となり、launchSettings.json のプロファイル情報は無効化されます¹²³。

2. 環境変数・プロファイルの違い

Visual Studio は自動的に ASPNETCORE_ENVIRONMENT などの環境変数やプロファイルを解釈します。
VSCode は、launch.json がない場合、環境変数が設定されず「Production」や想定外の環境で起動するケースがあり、開発用の例外画面やログ出力が異なることがあります¹²。

3. 起動方法：Web サーバとブラウザ起動制御

Visual Studio は launchSettings.json で定めた URL、SSL 証明書の設定、ブラウザ起動などを細かく制御します。
VSCode（launch.json なし）は dotnet run を実行するのみで、これらの設定が反映されません²⁴。

なぜ挙動に差が出るのか

launch.json 未作成状態の VSCode では "dotnet run" のみが実行される
- 環境変数やポート、複数のプロファイル指定などが一切反映されません。
- そのため、本番環境として起動されたり、異なる URL（ポート）でリッスンすることがあります。
Visual Studio での実行は「プロファイル」や「launchSettings.json」に準じて極めてリッチな実行がなされる
- ローカル SSL、開発用例外ページ、自動ブラウザ起動、カスタム環境変数など、意図した挙動が担保されやすい。

解消策・対策

VSCode で .vscode/launch.json を明示的に作成する
- 「実行とデバッグ」の最初の起動時、VSCode は「必要な資産を追加しますか？」と確認して自動生成機能があります。
- これに「はい」を選ぶと、launch.json/tasks.json が自動作成され、launchSettings.json もある程度連携するように構成されます⁵⁶⁴。
launch.json で明示的に環境変数やプロファイルを指定する
- launch.json に "env": { "ASPNETCORE_ENVIRONMENT": "Development" } などを追加し、Visual Studio と同様の環境で起動するように設定します¹⁴。
実行の際のコマンドや引数を明示的に指定する
- 例: "args": [ "--urls", "https://localhost:5001;http://localhost:5000" ] など

参考例：launch.json の設定

launch.json

{
    "version": "0.2.0",
    "configurations": [
        {
            "name": ".NET Core Launch (web)",
            "type": "coreclr",
            "request": "launch",
            "preLaunchTask": "build",
            "program": "${workspaceFolder}/bin/Debug/net8.0/YourApp.dll",
            "args": [],
            "cwd": "${workspaceFolder}",
            "stopAtEntry": false,
            "serverReadyAction": {
                "action": "openExternally",
                "pattern": "\\bNow listening on:\\s+(https?://\\S+)"
            },
            "env": {
                "ASPNETCORE_ENVIRONMENT": "Development"
            },
            "sourceFileMap": {
                "/Views": "${workspaceFolder}/Views"
            },
            "launchBrowser": {
                "enabled": true,
                "args": "${auto-detect-url}"
            }
        }
    ]
}

このように launch.json をカスタマイズすれば、Visual Studio と同様の実行環境・挙動を得やすくなります¹⁴⁶。

まとめ

launch.json未作成のVSCodeでは、プロジェクト標準の launchSettings.json の内容が反映されない（特に環境変数やURLなど）ため、挙動が異なります。
Visual Studio は独自に launchSettings.json をフルサポートし、VSCodeは launch.json の有無や内容次第で挙動が大きく変わります。

対策：VSCode 上でも launch.json を正しく作成し、必要な環境変数等を設定・調整してください。

関連情報・参照

[Microsoft 公式：ASP.NET Core で複数の環境を使用する（launchSettings.json/launch.json解説）]¹
[Qiita：VSCodeでASP.NET Core MVCのデバッグ実行手順]⁵
[GitHub Issue：VSCodeがlaunchSettings.jsonを反映しない問題]²
[VSCode 公式：launch.json/launchSettings.jsonの使用]⁴
[ITmedia：VSCodeでC#デバッグ時launch.jsonの基本]⁶