こんにちは、ラモ・テクノロジー株式会社の柴田です。
ラモ・テクノロジーは、国産OSSのWebデータベース 「プリザンター(Presanter)」 を中心とした、開発・コンサルティング支援を行う国内唯一の「プリザンター専任」 システムインテグレーターです。
プリザンター運用に疲れていませんか?
プリザンターの運用において、手作業による繰り返しタスクに多くの時間を費やしていませんか?CSVファイルからのサイト作成、開発・ステージング・本番環境間の設定反映、そして大量のデータインポート。これらは非常に重要ですが、時間がかかり、人的ミスが起こりやすい作業でもあります。
もし、これらの作業を劇的に効率化できるとしたらどうでしょう?
2025年、弊社での大型運用保守、実開発などの実体験をもとに3つの自社ツールを開発しました。数時間かかっていた作業をわずか数分に短縮し、ヒューマンエラーをほぼゼロにする。プリザンター運用を根底から変える3つのツールから得られるメリットを紹介します。
「数時間」が「分」に変わる。圧倒的な時間削減効果
これらのツールがもたらす最大のメリットは、圧倒的な作業時間の短縮です。これまで手作業に頼っていたプロセスが自動化されることで、驚くほどの効率化が実現します。
具体的な例を見てみましょう。
- サイト作成
- CSVデータから手動でサイトを構築する作業は、通常数時間を要します。これがCreatePlsSiteFromCSVを使えば、わずか数分で完了します。
- 環境間の設定デプロイ
- 開発環境から本番環境へ設定を反映させる作業は、慎重に行っても30分から1時間かかるのが一般的でした。PP Sync Toolを使えば、このデプロイ作業がたった数分に短縮されます。
- 大量データインポート
- 数万件に及ぶデータのインポートは、これまで数時間から数日かかることもありました。Import Data Toolsを利用すれば、数分から数十分で処理を終えることができます。
特に環境間のデプロイにおける時間短縮効果は、自動化によりわずか数分ででき、劇的な効果があります。
AIがカラムを自動マッピング。もう設定ミスは起こらない
これらのツールの自動化は、単なるスクリプト処理にとどまりません。特にCreatePlsSiteFromCSVは「インテリジェントな自動化」がいかに強力かを示す好例です。このツールは、CSVのカラムとプリザンターのデータ型をマッピングする、最も間違いが起きやすい作業をAIが肩代わりします。
このインテリジェンスを支えるのが、独自の3層自動検出システムです。ルールベース、機械学習(ML.NET)、LLM(OpenAI / Gemini 等)を組み合わせることで、カラム名・値の傾向・統計情報を総合的に解析し、データ型・ControlType・必須設定までを自動判定します。
このシステムにより、手動でのマッピング作業で一般的に10〜20%発生していたエラー率が、ほぼ0%にまで削減されます。当てずっぽうの作業や面倒な品質チェックの工程が不要になり、開発者は自信を持って、かつてないスピードでサイトを構築・デプロイできるようになります。
「元に戻せる」安心感。安全なデプロイが標準になる
PP Sync Toolが提供するのは、速度だけではありません。それ以上に重要な「安全性」です。環境間の設定同期は、一つのミスがシステム全体に影響を及ぼしかねない、非常にリスクの高い作業です。このツールは、そのリスクを最小限に抑えるための仕組みを備えています。
特に注目すべきは、以下の安全機能です。
- API経由の安全なアクセス
- データベースを直接操作するのではなく、プリザンターの公式APIを通じて設定を同期します。これにより、システムのデータ整合性を損なうリスクがありません。
- 精密な選択的同期
- スクリプトやビュー、プロセスなど28種類の項目から同期したいものだけを正確に選んで反映できます。これにより、意図しない設定の上書きを防ぎ、外科手術のように精密で管理されたデプロイが可能です。
- 自動バックアップとワンクリック復元
- 設定を変更する前に、必ず現状のバックアップを自動で取得します。万が一、デプロイ後に問題が発生しても、履歴からワンクリックで直前の状態に復元できるため、安心して作業を進められます。
手作業による設定漏れやミスは、もはや過去のものとなります。PleasanterのAPIを使ってサイト情報、スクリプト、設定などを同期することができます(開発→STG→本番の環境デプロイ、ヒューマンエラー防止)。
マルチスレッド処理で実現する、異次元のインポート速度
大量のデータを扱う際、最大の壁となるのが処理時間です。Import Data Toolsは、この課題を「マルチスレッド処理」で解決します。その性能は、具体的な数値で証明されています。弊社での実行例として、約5万件のレコードを処理するのにかかる時間は、わずか約6分半でした。
さらに、ExcelとCSVの両方のファイル形式に対応し、複数のファイルを自動で結合して一度に処理できるなど、かゆいところに手が届く機能も備わっています。
3つの自動化ツールのご紹介
ここまでご紹介してきた圧倒的な時間削減・高精度・安全性を実現しているのが、弊社で開発したPleasanter運用に特化した以下の3つの自動化ツールです。
CreatePlsSiteFromCSV
CSVからPleasanterサイトを“自動生成”するAIサイトビルダー
CreatePlsSiteFromCSVは、CSVファイルを読み込むだけで、Pleasanterにインポート可能なサイトパッケージ(JSON)を自動生成するWindowsアプリケーションです。これまで数時間を要していた「CSVを見ながらの手動サイト構築」を、数分で完了させます。
最大の特長は、3層自動検出システムによる高精度なカラムマッピングです。
- Tier 1 (ルールベース)
- 「日付」や「金額」といった明確なパターンをルールに基づいて瞬時に判定します。
- Tier 2 (機械学習 ML.NET)
- より複雑なケースでは、26種類の特徴量を分析する機械学習モデルが最適なデータ型を予測します。
- Tier 3 (LLM/AI API)
- それでも判断が難しい例外的なケースは、OpenAIやGeminiなどの大規模言語モデル(LLM)が文脈を理解して解決します。
これにより、従来10〜20%発生していた人的ミスをほぼゼロに抑え、「CSVを渡すだけで、標準化されたPleasanterサイトが完成する」状態を実現します。
PP Sync Tool
環境間デプロイを“安全かつ一瞬で”行う設定同期ツール
PP Sync Toolは、Pleasanterの開発・STG・本番環境間の設定同期を自動化するWindowsアプリケーションです。データベースを直接触ることなく、公式API経由で安全に設定を同期します。
主な特長は以下の通りです。
- 同期対象は 28種類の設定項目から選択可能
- 設定変更前に自動バックアップを必ず取得
- 万一の際はワンクリックで即時ロールバック
これにより、「設定漏れ」「コピー忘れ」「本番事故」といった環境デプロイ特有のリスクを根本から排除し、30〜60分かかっていた作業を数分で、自動化により安全に完了させることができます。
Import Data Tools
大量データを“異次元の速度”で投入するマルチスレッドインポート
Import Data Toolsは、ExcelおよびCSVファイルからPleasanterへの大量データインポートを自動化するPythonベースのツールです。最大の武器は、マルチスレッド処理による高速バッチアップロードです。
- 複数ファイル(Excel / CSV)を自動結合
- 列マッピング・データ変換を自動処理
- 複数バッチを並列実行
実測では、50,000件のレコードを約6分半で処理する性能を達成しています。手動入力や単純スクリプトでは現実的でなかった規模のデータ移行を、現場レベルで実用化します。
# Pleasanter接続設定
PLEASANTER_API_KEY=【ここにAPIキーを設定】
PLEASANTER_SITE_ID=12345
PLEASANTER_BASE_URL=https://site1
PLEASANTER_API_VERSION=1.1
PLEASANTER_REQUEST_TIMEOUT=30 # 秒: リクエストタイムアウト
PLEASANTER_MAX_RETRIES=3 # 最大リトライ回数
PLEASANTER_RETRY_DELAY=60 # 秒: リトライ間隔
# バッチ処理設定
BATCH_SIZE=500 # 1バッチあたりのレコード数
BATCH_DELAY_BETWEEN_BATCHES=1 # 秒: バッチ間ウェイト
BATCH_MAX_SIZE=1000 # レコード上限(バリデーション用)
BATCH_MAX_THREADS=4 # 最大スレッド数
BATCH_ENABLE_MULTITHREADING=true # マルチスレッド有効化フラグ
# データ入力設定
EXCEL_EXAMPLES_DIR=docs # 入力Excel/CSVのディレクトリ
EXCEL_ENCODING=utf-8 # エンコーディング
EXCEL_HEADER_ROW_INDEX=1 # ヘッダー行index(0始まり)
EXCEL_SKIP_EMPTY_ROWS=true # 空行をスキップ
# ログ設定
LOG_LEVEL=INFO
LOG_FORMAT=%(asctime)s - %(levelname)s - %(message)s
LOG_ENCODING=utf-8
LOG_PLEASANTER_API=pleasanter_api.log # Pleasanter連携ログ
# 検証設定
VALIDATION_REQUIRE_API_KEY=true # APIキー必須
VALIDATION_MIN_RECORDS=1 # 最小レコード数
単なる効率化ではなく、「運用の質」を変える
これら3つのツールは、単なる作業短縮ツールではありません。
- 人的ミスの削減
- 運用の標準化
- 本番作業への心理的負担の軽減
を同時に実現し、プリザンター運用そのものの質を引き上げます。
手作業に追われる「守りの運用」から、価値創出に集中できる「攻めの運用」へシフトできるのです。
今回ご紹介した3つのツールにつきましてご興味ございましたら、お気軽にコメント等いただければと思います。




