長年Qiitaを使ってきて、プロフィールアイコンにイモリの写真やイラストを設定している人をちらほら見かけるな、ということに最近気づきました。
僕もイモリを飼っているのですが、とても可愛くて飼いやすくておすすめなので、リモートワークのお供にいかがですか、ということで紹介していきたいと思います。
技術の話ではありませんが、よければ箸休めにでも読んでください。
■ イモリ is 何
イモリは両生類でカエルの仲間です。
↓見た目はこんな生き物です。
↓こんな色のイモリもいます。(やすけんイモリチャンネル さん)
ちなみに似た名前でややこしいヤモリはトカゲの仲間です。
陸上に居て、すばしっこく動くヤモリに対し、イモリは水中や水辺にいて、基本的にのんびり動きます。
エンジニア3大美徳「怠惰」との親和性
イモリの飼育は正直かなり楽です。
もちろん生き物の命を預かるわけなので、必要なお世話を最後まで責任を持って行わないといけませんが、
イモリは、この「必要なお世話」の量と頻度が他の生き物と比較して少ないです。
楽に育てながら癒しを得られるということで、効率重視なエンジニアにもおすすめです。
■ お世話について
どのようなお世話が必要か紹介します。
低頻度なエサやり
イモリは非常に省メモリな生き物で、日常的なエサやりは週に1,2回程度で大丈夫です。
そのため、旅行で家を空ける場合や、転職やオフィス回帰によって出社が増えるような場合でも心配が少ないです。
エサは、魚やカメにあげるような固形の人工飼料で育てることができます。
ただし、迎え入れた直後で警戒している場合や、ショップで活餌で育てられていた場合に、拒食や好き嫌いをする場合があります。
拒食や好き嫌い状態になったイモリは、顔の前にエサを持っていくと「イラナイ」みたいな感じでそっぽを向いてかわいいです。
その場合、赤虫や活き餌(メダカ、ミルワームなど)あたりで育てながら、人工飼料に慣らしていく必要があります。
ちなみに僕は虫が苦手ですが、赤虫はほぼ虫感がありませんし、活き餌の場合もどの個体もメダカを食べてくれたため、拒食でスタートした個体の育成も大丈夫でした。
しばらく育てていると、エサをもらえることを学習して、近づくと寄ってくるようになります。
カプセル化されたフン
ペットを飼う際にしんどいのがフンの処理です。
イモリのフンは透明の膜でコーティングされており、環境をあまり汚しませんし、無臭です。
落ちているのを見かけたらピンセットで拾って捨てればOKです。
しかも、エサの頻度に連動するわけなので、フンの回収作業も週に数回程度で済みます。
水換え
イモリは体から水を吸収するので、一週間に1回程度水替えをして水を清潔に保ってあげます。
魚の水槽の水換えに比較した場合、イモリの水換え耐性は強いため、カルキ抜きや水温合わせは多少雑でもよく、前の日とかに汲み置きしておいた常温の水ならまず大丈夫です。
ニオイ
普通に管理している限り、イモリ自体も水槽も全く臭いません。
エサの食べ残しが無いようにだけ気をつければ大丈夫だと思います。
特に人工飼料は魚粉の臭いします。
温度管理
基本的には人間が普通に過ごせる室温の部屋であれば大丈夫です。
■ 飼ってみよう
イモリ選び
陸棲のイモリと水棲のイモリがいます。
アカハライモリ
- 背中が黒で、お腹が鮮やかなオレンジ
- 水棲でほぼ水の中で過ごしているため、元気に泳ぐ姿を見られる
- 300円くらい
シリケンイモリ
- 冒頭の写真のイモリがシリケンイモリ
- カラーリングはアカハライモリと大体同じ
- 背中に金箔模様があり、この模様次第で値段が変わる
- 1000円〜5000円くらい
- アカハライモリよりでかい
- 陸棲でほぼ陸上でのんびりしているけど、たまに水に入る
マダライモリ
- 冒頭の動画の緑のイモリがマダライモリ
- 外国産の陸棲イモリ
- 幼体で5000円、成体で1万円ちょっとくらい
- オスは繁殖期になるとスピノサウルスみたいな姿に変身する
その他にもおもちゃのような見た目のアメイロイボイモリや、かっこいい模様のファイヤサラマンダーなどがいます。
購入方法
アカハライモリやシリケンイモリは、アクアリウムショップに売っている場合があります。
グレードの高いシリケンイモリや、外国産イモリは、爬虫類ショップに売っています。
個体を選ぶ際は、肋骨が浮いている個体は拒食の可能性があります。元気で健康そうな個体を選びましょう。
お店で人工飼料で飼育されている場合、受け入れ後のエサやりが楽だと思いますので、何を与えているのか店員さんに確認しましょう。
また、両生類は法律上はネット販売が可能なため、ヤフオクなどでも販売されているようです。
環境構築
最低限の環境としては、フタ付きの水槽と、水槽内に陸棲/水棲に合わせた水場と陸地を確保できれば大丈夫です。
魚の飼育のようにエアレーションやろ過装置は要りませんし、爬虫類飼育のようにヒーターや紫外線ライトも不要です。
水棲イモリの場合、適当な量の水を張り、休憩用の浮島を置きます。
陸棲イモリの場合は、水を張った水槽の中に陸を作るよりも、テラリウム用の土を敷いて陸のベースをつくり、そこに適当な容器に水を入れて水場を確保するような構成がいいと思います。
他にあったほうがいいものは、イモリの隠れ家になる「シェルター」です。
買うか、てきとうに自作しましょう。
なかったら何もないところでぼーっとしていますが、あると必ず入っていくので、やっぱり隠れたいんだと思います。
オフィスに壁で仕切った集中ブースを作ってあげると、エンジニアが好んで入っていくのと大体同じだと思います。
セキュリティ対策
魚用の水槽とかだと付属の蓋に隙間が空いている場合があり、これは壁登りが得意なイモリの飼育にとって深刻なセキュリティホールとなります。
蓋に隙間があるとイモリは容易に脱走し、そうなると早めに見つけてあげられないと、部屋の隅で干からびてしまうという重大インシデントに繋がります。
イモリの死因の上位は脱走ですので、この点は特に注意が必要です。
イモリウムづくり
ものづくりが好きなタイプのエンジニアには、イモリウムを作って飼うのがおすすめです。
苔や土などを使って、森の一部を再現しましょう。
苔は適当に並べるだけでもそれっぽくなります。
上記の写真のイモリウムは、苔以外は主に100円ショップの材料で作りました。
■ イモリとの関わり
ハンドリング
※ ハンドリング=手に乗せて遊ぶこと
※ 陸棲イモリに対してのみの言及です
イモリのハンドリングは、「イモリにとってストレスになる」「人間の体温でイモリが火傷する」「毒を保有していて危険」といった点で良いこととはされていませんが、それらの懸念点に配慮しながらなら個人的には大丈夫じゃないかと思います。
まずストレスになる点ですが、迎え入れて日が浅くイモリが警戒している段階(ずっと隠れている、エサを食べない、など)なら環境に慣れるまで我慢しましょう。
また、イモリは胴体をつまむような持ち上げ方をされることを非常に嫌うのでやめましょう。
代わりに、目の前に手を差し出して、そこにイモリから登ってくるような形に誘導しましょう。
体温については、水であらかじめ手の温度を下げたり、短時間に留めたりしてあげましょう。
毒については、イモリはフグと同じくテトロドトキシンという危険な神経毒を保有していますが、それほど警戒が必要なわけではないそうです。
とはいえ、うっかり目や口に入ると危険なので、触った後はしっかり手を洗いましょう。
ちなみにイモリはスベスベで触り心地がいいです。
目をつむって眠る
見れるのは稀ですが、イモリは目をつむって寝ます。
僕は最初そのことを知らなかったので、初めてこの姿を見たとき、てっきり死んでしまったんだと思い、
半泣きになりながら取り出そうと触れた瞬間、イモリは飛び起き、お互いにめちゃくちゃびっくりしました。
寝てるだけなので起こさないであげてください。
寿命
これが大きなメリットともデメリットともとれますが、イモリは10年以上生きます。
飼育が楽とはいえ、10年以上の付き合いになるということを想像してから飼う必要があります。
おわりに
ペットがいると、自宅での生活に一つ楽しみが増えるので、検討してみてはいかがでしょうか!
※ 本記事は、非専門家によるただの飼育者による記事となりますので、実際の飼育の際はより詳しい飼育方法をお調べいただければと思います。