リモートワークにおいて、暗黙のルールのように「通話かけてもいいですか?」と聞くのをやめることでコミュニケーション効率が上がるんじゃないかという話です。
TL; DR
- 目的: 状況に合わせて、テキスト/音声を適切に使い分けたい
- 問題: 「通話かけてもいいですか?」って聞かないといけないことが無意識下レベルで心理的障壁となり、音声コミュニケーションが適しているケースでもテキストが使われてしまうことがある
- 解決案: 毎回「通話かけてもいいですか?」って聞かなくていいのでは?
状況に合わせて適切なコミュニケーション方法を選択したい
業務中、他のメンバーと連絡を取る際、チャットで行ったほうが良いケースと、口頭で行ったほうが良いケースがあるかと思います。
例えば、テキスト数行で終わるようなやりとりは、わざわざ通話で相手の作業の手を止める必要はないと思いますが、長文のチャットで何十件にもレスが連なるほど議論が盛り上がっているなら、一回口頭で話してしまったほうが効率が良かったりすると思います。
もしかしたら、人によってはテキストで全てを済ませたい人も居るかとは思いますが、 この記事では、状況に応じてどちらにもメリットがある前提です。
「通話かけてもいいですか?」と聞くことで起きる問題
周りに、事前に通話の承認をチャットで求めてからコールしてくる人と、いきなりコールしてくる人がおり、傍から見る限り前者のメンバーは、通話という手段を取ることに若干の抵抗を持っている印象が見て取れる場合が多いように思います。
なぜ事前承認を行うことが通話への抵抗につながるのか考えてみました。
1. 「通話」という状態を実現するまでのステップが増える
承認無し:
誰が | 内容 | |
---|---|---|
1 | 自分 | 通話をかける |
2 | 相手 | 受話 |
承認有り:
誰が | 内容 | |
---|---|---|
1 | 自分 | 許可を求める |
2 | 相手 | 許可する |
3 | 自分 | 通話をかける |
4 | 相手 | 受話 |
この目先のちょっとした面倒くささが増えるだけで、非効率な行動を選択してしまう人は意外と多いと思っています。
相手のステップまで増えるという点も、両者にとって地味な負担になりそうです。
例えば、弊社はフルリモートのため、交通費は月の定額支給ではなく、出社した場合のみ申請ベースで支給されます。
申請といってもシステムで3分ポチポチすれば終わる作業ですので、3分で500円の交通費が返ってくるなら、普通に申請したほうがお得です。
しかし、この3分の作業を面倒くさがって、自腹を選択する人は少なくないように思います。
同じように、通話許可の面倒くささを回避しようとして、本来口頭のほうが効率の良いやりとりであっても、(無意識下で)チャットで済ませようとしてしまう恐れがあります。
2. 「チャットは気軽/通話はヘビー」という差が生じる
オフィスの場合でイメージして、隣の人に「具合悪いので帰ります」と一言声をかけるのは別に重たいコミュニケーションではないように、「口頭」そのものが特別重たいコミュニケーション手段というわけではないと思います。
しかし、「〇〇さん、話したいことがあるのでお時間いいですか?」のように、事前に承認を求めた途端、大事な話または時間がかかる話がこれから始まるような空気になります。
もし、リモートになった途端に内容問わず常に承認を求めるようにしてしまうと、
話しかける側は、「これは承認を求めるほどに見合わない内容なんじゃないか?」「通話は大げさと思われるんじゃないか?」と(無意識下レベルで)感じて、軽い話題で通話することに不要な遠慮をしてしまう恐れがあります。
毎回「通話かけてもいいですか?」って聞かなくてもいいのでは?
ここで表題です。
気軽にコールし、受け取る側も出られない(または出たくない)状況なら気軽に拒否するような文化にすることで、テキスト・音声をよりフラットに使い分けられるようにしましょう。
同期的な働き方になってしまいリモートワークの強みが薄れるのでは?
常に通話に応答できるようにしていないと咎められる(あるいはそれに近い空気になる)、
通話中はカメラをONにしなければいけない、
といったような風潮を作ってしまうと、その通りだと思います。
出ない(出たくない)という選択も気軽に取れる状況を維持しましょう。
突然通話をかけると相手の作業の邪魔になってが迷惑なのでは?
オフィスに置き換えた場合、重要な会議の最中に突然別の人が話しかけて迷惑になるようなケースはあまりないかと思います。
これは、会議中の人はそもそも席におらず会議室に居るなど、会議中であることが一目瞭然なので起きないものと思います。
リモートワークの最中でも同じように、声をかけられたくない状況であることが傍から見て分かる状態にすれば、話しかけてほしくない場合に話しかけられない状態を維持することができると思います。
例えば、GカレとSlackを導入しているなら、連携させることで会議の時間中に自動でSlackのステータスをセットしてくれるようにできます。
もしくはその逆で、「話せない状況」を示すのではなく、「話せる状況」を示す運用も可能と思います。
弊社チームでの運用例を別記事に切り出してみましたので、もしよろしければこちらもご覧ください。
『Discordを疑似オフィスっぽく運用する』