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ZEN大学とプログラミング教育 ――どうすればプログラマになれますか?

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Last updated at Posted at 2025-12-15

自己紹介

こんにちは、 @labeneko こと、津野 貴大と申します。
2011年よりドワンゴにプログラマとして入社して、今年で15年目となります。

この手の職業の人で本名を出す人って珍しいと思うのですが、私は現在ZEN大学というオンライン大学で情報系の講師もやっていまして、その関係上、本名でも活動しております。

ZEN大学は、日本財団ドワンゴ学園が運営するオンライン大学で、2025年4月に開講しました。
ZEN大学は、「数理」「情報」「文化・思想」「社会・ネットワーク」「経済・マーケット」「デジタル産業」の6分野を横断し、文系の学びも理系の学びも好きなだけ学ぶことができます。

ZEN大学の情報分野で教えていること

ZEN大学の情報分野では、情報に関する基礎的な科目から最先端の技術まで、情報分野の幅広い知識を学ぶことができます。

私はこの中で、

  • デジタルツールの使い方 (必修: 1年次科目)
  • 情報セキュリティ概論 (選択必修: 1年次科目)
  • Linux概論 (選択: 2年次科目)
  • クラウドコンピューティング技術 (選択: 3年次科目)

の4科目を担当しています。

ZEN大学には1年生だけでも4000名を超える学生がいて、その経歴も様々です。
既にバリバリプログラマをやっている凄いプログラマの人から、大学入学で初めてパソコンを触ったことのある人までいます。

せっかく情報分野を学ぼうとしてくれた方が「難しいな」と感じて脱落してしまっては意味がありません。
できる限り分かりやすい用語を使って、全くパソコンの知識が無い人でも楽しくて分かりやすい授業になるように心がけています。

イラスト多めで分かりやすいオリジナル教材

楽しくて分かりやすく学ぶ方法ということを考えた時に、一番効果があるのは「イラスト」だと考えています。
Amazonや本屋さんでは、イラストがふんだんに使われている情報系の参考書がよく売れています。

私が担当している科目は、全てオリジナルの教材を使用しています。
テキストは全て私が執筆し、イラストはあさのきいろ(村木映理子)さんが担当しています。

あさのきいろさんには、情報セキュリティ・SNSリテラシー・操作手順・業務フローなど、何百もの用語の説明を、分かりやすいイラストにしてくださっております。
ただ文章で説明するだけだと単調で難しく感じてしまいますが、これらのイラストがあることによって、イメージしやすくて理解が進むと学生の皆さんからも評判となっています。

あさのきいろさんのWebサイト
https://kiiroasano.com/

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アスタリスくん

授業により親しみを持ってもらうためには オリジナルキャラクター が必要ということで、 アスタリスくん という名前のオリジナルキャラクターが大活躍しています。

ウケ狙いのイラストを入れてみたり、ちょっと説明の難しいイラストにキャラクターを入れてみたりと大活躍しています。

キャラクターがいるだけでも、不思議と楽しい雰囲気になりますよね。

実はこのキャラクター、私がZEN大学の講師になる以前の仕事でドワンゴのデザイナーさんに作っていただいたキャラクターだったのですが、その時は残念ながら採用されず、お蔵入りになってしまいそうだったんです。
その際「昔関わっていたサービスで他サービスのキャラを再利用している例があった」ことを思い出して、ギリギリお蔵入りにせず、今後どこかの仕事で使う許可をもらったんです。
その後、ZEN大学の教材を始め、情報系教材の様々な場所で登場し、大活躍しています。

※ 本教材で使用しているアスタリスくんのイラストは、ドワンゴ社の既存キャラクターをもとに、
授業内容に合わせた表現・構成のアレンジをイラストレーター あさのきいろ(村木映理子)さんが担当しています。

アスタリスくんのグッズ展開

我々の部署は、ZEN大学の情報系教材の制作の他に、ZEN大学・N高グループ・N中等部・ZEN Study向けにプログラミングコンテストを開催しています。

夏のコンテストではアスタリスくんのオリジナルシールを制作して参加賞として配布するようにしたところ、非常に多くの反響があり、たくさんの生徒さんがコンテストに応募してくれました。

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学生の皆さんにコンテスト応募という形でアウトプットを出すということはとても重要だと考えており、今後も参加賞にアスタリスくんのオリジナルグッズを配布することを予定しています。

また、ニコニコ超会議などの大学関連イベントでもアスタリスくんグッズを作成して販売することも現在社内で検討中です。

実際に手を動かす教材

デジタルツールの使い方では、オフィスの使い方を始め、Adobe PhotoshopやAdobe Premiere Proなどを使った写真編集・動画編集やBlenderを使った3Dモデリングまで教えています。

ちょっと攻めすぎた難しい内容だったかなと思いましたが、学生の皆さんがとても意欲的にチャレンジしてくださって、授業を受けた後にさっそく活用してくださっている学生さんも見受けられたので、今では良かったなと思っています。

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そして一番チャレンジしたなと思うのがプログラミングです。

Google Apps Scriptを用いて毎日おみくじの結果を送るという簡単なプログラムなのですが、これを必修授業として情報系興味ない人にまでやらせてよいのかという葛藤がありました。

しかしながら、「ZEN大学の卒業生は、一度はプログラミングを経験したことがある」という事を世に訴えたい!という思いから、思い切って入れてみたところ、非常に好評でした。

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このように、聞き流すだけの簡単な授業ではなく、実際に手を動かす学びの多い授業になるように工夫しています。

ところで、プログラマってどうやってなるんだろう

さて、題名にもある「どうすればプログラマになれますか?」の部分に触れていきたいと思います。

ZEN大学が開学してから1年、このような取り組みで情報分野やプログラミングに興味を持ってくれる学生さんが増えてきました。
学生さんと話をする中で 「将来プログラマとしてIT企業に就職したいけれど、どうすればなれますか?」 といった質問をされることがたまにあります。

これは非常に当然の質問ながら、いつも考えさせられる質問でもあります。

現在の1・2年次科目は情報という分野を大学で教養として学ぶ分には充分だと考えています。
しかし、プログラマとして就職する事を考えると違うなと感じます。

現在、こういった質問に対しては、プログラマとして就職するために有効なものとして、

  • 情報系の国家資格を取得する
  • 自分自身でWebサービスやスマートフォン向けのアプリケーションを開発してポートフォリオとして公開する

ということをオススメしています。

しかしながら、実際のところ、 これだけではプログラマとして採用されるわけではない ことも知っています。

(もちろんプログラマを名乗るのに何か免許があるわけではありませんので、「名乗ればプログラマですよね」という話があるのは置いておきます)

チーム開発の能力

忘れてはいけないのは、情報系の国家資格があったり、なにか作ったことのある経験というのは、書類選考を突破するうえではとても重要ということです。
そもそもここからの話は、まず 書類選考を突破しないと意味がありません。 その上での話としてお読みいただければと思います。

世の中のシステムというのは基本的には複数人で作られています。
(スーパー超人が1人で作っているシステムも知っていますがそれは例外とします)

プログラマの業界の一般的なイメージとして「プログラマはパソコンの画面に1人で向かって黙々と作業するもの」と持つ人もいるかも知れませんが、実は 想像以上にチームワークが求められる仕事 になっているのです。

1人でシステムを作るのと、複数人でシステムを作るのでは、求められる能力は大きく違います。

ゲームに例えてみると分かりやすいです。

(※難しい話なので、イラストを入れています)

ゲームって、ソロプレイとチームプレイでは全く持って別物ですよね。
ソロプレイだと、自分のペースで、自分の好きなやり方で、好きな時間できます。
でもチームプレイって、 みんなで協力して、役割を持って、何かの目標に向かってやっていく ってことがほとんどです。

とはいえ、私自身は、チームでゲームをするのは苦手ですし、ゲームは個人でするほうが好きです。
なんじゃそりゃって話ですが、そんなものです。
いろんなチームを経験して、失敗して、学んで、チーム開発とどう向き合っていけば良いかスタイルを確立しています。(プライベートでは自由気ままに個人開発しています)
プログラマの方の多くも、 いろんなチームを経験して、成功体験や失敗体験を基にスタイルを確立していっている のではないでしょうか。(違っていたらすみません)

チーム開発の能力を身につけるのには、 場数 が必要だと考えています。

オンラインでは、この 場数 を増やすのが難しいと感じています。
実際に同じ部屋に居て対面で開発しているわけではありませんし、黙々と一人で作業することになりがちです。

ZEN大学でもチームで開発する科目がありますが、それ以外にも 「誰かと協力して何かを作る」 という機会を増やしていかなければいけないと思っている今日このごろです。

そのためにも、 IT企業にインターンに行くプログラマのアルバイトをしてみる といった経験をしてみることもおすすめしています。

プログラマは朝から晩までパソコンを触るのが苦ではない人が多い

ちなみに、私は朝起きてから夜寝るまで、基本的にはパソコンの前に座っています。
これは仕事の日でも、仕事じゃない日でもずっとそうです。

若い頃は特に違和感無かったんですが、他業種の人と話すと、「そんなに座って苦痛じゃないんですか?」「パソコンをずっと触ってるなんて無理ですよ〜」と言われて、普通じゃないんだなーと気づきました。

逆に言うと、私は重い荷物を運ぶとか、外国人相手に英語を話すとかは全くできないので、人それぞれ向き不向きというものはあります。腕立て伏せも懸垂もできない弱々人間です。

もしプログラマーになるのであれば、チームメンバーはずっと座っていたりパソコンを触ったりするのが苦ではない人間が多いということは頭に入れておくと良いでしょう。

プログラマになれるかは結局タイミングと運の要素が一番大きいとも感じる

面接までたどり着くのであれば、後は タイミングと運の要素が一番大きい とも感じています。
偶然業務拡大で人をたくさん募集していたタイミングだったとか、その会社の担当者の方と偶然波長が合ったとか、そういうところでしょうか。
IT企業は流行り廃りがあるので、 今勢いのある企業を目指してみるのも得策 かもしれません。

もう私もこの業界は長いですが、今も「どうすればプログラマになれますか?」という問いには答えが出ないままです。
もしアドバイスなどありましたら、教えてくださると助かります。

最後に

現在、『ZEN Study 動くWebアプリコンテスト2025 冬』を開催しています。
ZEN大学生・N高グループ(N高/S高/R高/N中等部)の生徒の皆さんには豪華賞品がございます。

一般の方も、ZEN Study(月額1,100円)の会員になっていただくことで応募可能です。
この機会にぜひ、Webアプリケーションを作ってアウトプットしてみてはいかがでしょうか?

応募規定を満たした応募者には、もれなく「アスタリスくんアクリルキーホルダー」をプレゼントいたします。

ご応募お待ちしております!
詳細はコンテストページをご覧ください。

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