概要
N+1問題は、1つのクエリによって複数のレコードを取得した後、
各レコードに対して関連するデータを取得するために追加のクエリが必要になる状況を指します。
N+1問題が発生すると、データベースへのアクセス回数が余計に多くなってしまいます、それはデータベースに対するクエリの数が大幅に増加するからです。
N+1問題の原因
N+1問題が発生する原因は、データモデル間のアソシエーション・関連にあります。
Ruby on Railsでは、データモデル間にアソシエーションを定義することで、関連するデータを取得することができますよね?
具体例
1.ブログアプリケーションで、すべての記事を取得し、
2.それぞれの記事に対して投稿者の情報を表示する必要があるとします。
一見、効率的に見えるこの操作が、実際には非効率的になることがあります。
ステップ1: すべての記事を取得するためのクエリ。
ステップ2: 各記事に対して、投稿者情報を取得するための追加クエリ。
ここで問題となるのは、ステップ2での繰り返しクエリです。記事の数が多いほど、データベースへのクエリ数が増加し、パフォーマンスが低下します。
# ArticleモデルとUserモデルがあると仮定します
# ArticleモデルはUserモデルに属しているとします(belongs_to :user)
# ステップ1: すべての記事を取得
@articles = Article.all
# ステップ2: 各記事に対して投稿者情報を取得
@articles.each do |article|
puts article.title
puts article.user.name # ここで各記事ごとに追加のクエリが発生
end
このコードでは、Article.allによってすべての記事を取得した後、
各記事に対してarticle.userを呼び出すたびに、その記事の投稿者(User)をデータベースから取得するための追加のクエリが実行することになります。
記事の数が多い場合、データベースへのクエリ数が大幅に増加し、パフォーマンスが低下します
N+1問題を初心者にもわかりやすく説明するために、スーパーで買い物をする例を挙げると、レジで商品を1点ずつ会計するよりも、カゴごと会計したほうが効率的です。
要はまとめてくれってことですね
N+1問題の解決方法について取り組む
N+1問題を解決するには、関連するデータをまとめて取得するようにする必要があります。
Ruby on Railsでは、以下の方法でN+1問題を解決することができます。
includes
includes メソッドを利用することで、関連するデータをまとめて取得することができます。
@articles = Article.includes(:user).find(1)
このコードを実行すると、データベースから1の記事と、そのデータに関連するUserデータをまとめて取得します。
eager_load
eager_load メソッドを利用することで、関連するデータをまとめて取得することができます。
@articles = Article.eager_load(:user).find(1)
このコードも、includes メソッドと同様に、データベースから1のデータと、そのデータに関連するUserデータをまとめて取得します。
preload
preload メソッドを利用することで、関連するデータをまとめて取得することができます。
user = User.find(1)
user.preload(:articles)
このコードは、user インスタンスのオブジェクトスコープに、関連するデータをまとめてロードします。
まとめ
N+1問題は、Ruby on Railsに限らず、データベースからデータを取得する際に発生する可能性のある問題です。
N+1問題を解決するためには、関連するデータをまとめて取得するように意識することが大切です。
データモデル間のアソシエーションを利用する際には、関連するデータをまとめて取得できるように設計する。
データベースからデータを取得する際には、関連するデータをまとめて取得するメソッドを利用するようにする。
などの対策が挙げられます。
N+1問題が発生すると、データベースへのアクセス回数が余計に多くなり、パフォーマンスが低下する原因となります。
頑張ってアソシエーションとクエリを意識してコードを書いてくようにしましょう!