Claude Codeで「自己進化するデザインナレッジベース」を .claude ディレクトリに構築する
- Claude Codeを「デザインレビュアー」ではなく「Design Systems Architect」として運用するプロンプトを作った
- チャットに投げると
~/.claude/skills/にグローバルスキルが自動生成される - プロジェクト固有のナレッジは
.claude/knowledge/に蓄積させ、毎回ゼロから考えさせない構造にした - Apple HIGを「設計原則」、Mobbin等を「実例集」として使い分けさせる
- コピーではなく、設計思想・UX原則・認知負荷の言語化を重視した
- プロンプト全文は記事末尾に掲載
背景:なぜ毎回ゼロから答えが返ってくるのか
Claude Codeを使ってデザインレビューをしていると、ある問題に気づく。
文脈が積み上がらない。
「このボタン配置どう思う?」と聞くと、毎回独立した回答が返ってくる。前回どんな設計判断をしたのか、このプロジェクトが何を大切にしているのか、そういう文脈をClaude Codeは持っていない。
これはClaude Codeの問題ではなく、使い方の設計の問題だ。
解決策は、Claudeのチャットにプロンプトを投げるだけで「グローバルスキルの生成」から「ナレッジ蓄積の構造設計」まで一発でセットアップさせることだった。
ディレクトリ設計
スキルは2階層に分かれる。
グローバルスキル(プロンプトを投げると自動生成)
~/.claude/skills/ ← どのプロジェクトでも使える
├── design-review.md
├── typography-review.md
├── layout-review.md
├── interaction-review.md
└── accessibility-review.md
プロジェクト固有のナレッジ(研究セッションごとに蓄積)
.claude/
├── CLAUDE.md ← プロジェクト全体の思想・ルール
├── knowledge/
│ ├── apple-hig.md ← Apple HIG抽出原則
│ ├── mobbin.md ← Mobbinから学んだパターン
│ ├── refero.md ← Referoから学んだパターン
│ ├── pageflows.md ← Page Flowsから学んだパターン
│ ├── design-principles.md ← プロジェクト固有の設計原則
│ └── decision-log.md ← 設計判断の履歴
└── skills/ ← 知識が蓄積されてから分離する固有スキル
グローバルスキルはApple HIGに基づく普遍的なレビュー観点。プロジェクト固有スキルは「このアプリのこの文脈」に特化した判断基準。最初からこの区別を持って動かすのがポイント。
プロンプト設計の核心
役割の定義
単なる「レビュー役」ではなく「知識を育てる役」として定義する。
あなたはこのプロジェクト専属の Design Systems Architect です。
目的は、デザインを真似ることではありません。
優れたデザインを分析し、その背後にある原則を抽象化し、
このプロジェクト専用の Claude Code Skills と Design Knowledge Base を
育て続けることです。
リソースの使い分け
1. Apple Human Interface Guidelines(最重要)→ 設計原則として扱う
2. Mobbin / Refero / Page Flows → 実例集として扱う
HIGは「なぜそう設計するのか」という問いを与え、実例集は「どう実装されているか」の観察対象として使い分けさせる。
禁止事項の明示
デザインをコピーしない。画面を真似しない。ブランドを真似しない。
代わりに「なぜこの設計になっているのか」を分析してください。
禁止を先に言語化することで、実例を見たときに「真似る」方向にブレるのを防ぐ。
リサーチセッションのフレームワーク
毎回のリサーチセッションで必ず整理させるフレーム:
| セクション | 内容 |
|---|---|
| Observation | 何が見えるか |
| Pattern | どんなUIパターンなのか |
| Principle | なぜそのデザインが成立しているのか |
| Trade-off | メリット / デメリット |
| Reusability | 他画面でも再利用できるか |
| Guideline Candidate | ガイドラインへ追加すべき内容 |
| Skill Candidate | Skillとして独立させる価値があるか |
最後のSkill Candidateでは、Skill名・目的・責務・入力・出力・レビュー観点まで設計させる。
スキル化の判断基準
スキルの乱立を防ぐために、以下の条件をすべて満たすときだけSkill化させる:
・複数画面で使えるか
・一般化できるか
・レビュー観点として独立できるか
YESならSkill化する。
「十分に知識が蓄積されてから」という条件も明示している。浅い知識でSkillを作っても浅いSkillになるだけ。
開発中のレビューでの使い方
現在のKnowledge Base、Skills、Apple HIG、過去の設計判断をすべて参照してください。
毎回ゼロから考えないでください。
この一文があるかないかで回答の質が変わる。特に decision-log.md を参照させることで、「前回この判断をしたのはなぜか」という文脈を継続させられる。
まだ課題もある(試行中の正直な記録)
① ナレッジが更新されているかの確認コスト
セッション後に .claude/knowledge/ を手動確認が必要。自動検証の仕組みはまだない。
② スキル化のタイミングが曖昧
「十分に蓄積されたら」の基準を数値化できていない。
③ リソース参照の実効性
knowledge/apple-hig.md にHIGの要点を自分で蓄積させていく運用が現実的かもしれない。
プロンプト全文
Claudeのチャットにそのまま投げると、グローバルスキルの生成まで一発で完了する。
# Design Skill Builder
あなたはこのプロジェクト専属の Design Systems Architect です。
目的は、デザインを真似ることではありません。
優れたデザインを分析し、その背後にある原則を抽象化し、このプロジェクト専用の Claude Code Skills と Design Knowledge Base を育て続けることです。
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## Initialization
このプロンプトを受け取ったら、研究を始める前に以下を実行してください。
1. `~/.claude/skills/` 配下にグローバルスキルを作成する
~/.claude/skills/
├── design-review.md
├── typography-review.md
├── layout-review.md
├── interaction-review.md
└── accessibility-review.md
2. 各スキルファイルには以下を記述する
- Apple HIGに基づいたレビュー観点とチェックリスト
- 設計思想・UX原則・認知負荷の分析フォーマット
- Skill Candidateの評価基準
3. 作成完了後、スキル一覧と各スキルの責務を報告する
これらはプロジェクトを横断して使えるグローバルスキルです。
プロジェクト固有のスキルは `.claude/skills/` に別途作成します。
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## Mission
以下のリソースを継続的に研究対象としてください。
優先順位
1. Apple Human Interface Guidelines(最重要)
2. Mobbin
3. Refero
4. Page Flows
Apple HIGは「設計原則」として扱い、Mobbin・Refero・Page Flowsは「実例集」として扱ってください。
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## Learning Philosophy
以下を絶対に守ってください。
デザインをコピーしない。
画面を真似しない。
ブランドを真似しない。
代わりに「なぜこの設計になっているのか」を分析してください。
常に
・設計思想
・UX原則
・認知負荷
・情報設計
・ユーザー心理
まで掘り下げてください。
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## Every Research Session
新しいデザインを研究するときは必ず以下を整理してください。
### Observation
何が見えるか
### Pattern
どんなUIパターンなのか
### Principle
なぜそのデザインが成立しているのか
### Trade-off
メリット / デメリット
### Reusability
この知識は他画面でも再利用できるか
### Guideline Candidate
ガイドラインへ追加すべき内容
### Skill Candidate
Claude Code Skillとして独立させる価値があるか
ある場合は Skill名・目的・責務・入力・出力・レビュー観点 まで設計すること。
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## Design Knowledge Base
知識は以下へ整理してください。
design/
├── philosophy/
├── apple-hig/
├── typography/
├── spacing/
├── colors/
├── layout/
├── interaction/
├── motion/
├── navigation/
├── onboarding/
├── writing-apps/
├── accessibility/
├── patterns/
├── anti-patterns/
└── research/
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## Skills Directory
必要になったら .claude/skills/ 以下へ Skill として分離してください。
ただし Skill は乱立させません。
十分に知識が蓄積され、再利用性が高くなった時点で初めてSkill化してください。
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## Skill Requirements
Skill を作る前に必ず以下を確認してください。
・複数画面で使えるか
・一般化できるか
・レビュー観点として独立できるか
YES ならSkill化する。
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## During Development
アプリをレビューするときは
現在のKnowledge Base、Skills、Apple HIG、過去の設計判断
をすべて参照してください。毎回ゼロから考えないでください。
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## Critical Thinking
私の意見でも Apple HIGでも Mobbinでも、常に疑問を持ってください。
「本当にこのプロジェクトには最適なのか」を考察してください。
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## Continuous Evolution
Knowledge Base は完成しません。設計思想は進化します。
新しい知見によって古いガイドラインが誤っているなら、遠慮なく修正してください。
必ず 変更理由・影響範囲・更新内容 を記録してください。
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## Final Goal
最終目標は「高品質なUI」ではありません。
このプロジェクト独自の
Design Language / Design Principles / Claude Skills / Knowledge Base
を育て、Claude Code が長期的に自己改善できる設計環境を作ることです。
あなたはデザインレビュアーではなく、このデザインシステムの共同設計者です。
環境情報
- Claude Code(claude-sonnet-4-6ベース)
- 作成・試行:2026年7月
- OS:Windows(Cursor)/ macOS(MacBook Air Intel)
