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個人開発と子育ての相性は最悪だ。開発は人生の隙間にねじこむようにコードを書いていかなければいけないのに、子はその時間をことごとく奪う。私の子達はおそらく通常よりもエキサイティングな奴らで、食うときと寝るとき以外は常に喋るか飛び跳ねていた。長男はわりと育ってきて大人しくひとりでTVを見るようになったが、次男は相変わらずである。
結局は早朝に開発をするようになった。彼らは寝ている。私はコードを書く。時折、次男が起きてきて、めっちゃ泣いて泣いてどうしようもなくなることがあったりする。その時点でその日の開発は終了である。それから仕事へ行き、帰り、寝るまで、一瞬たりとも自宅のPCは開けないのだ。
歯痒い。ものすっごい歯痒い。もし、子供もおらず、結婚もしていなかったらどれだけコードが書けたのだろう。私の思い描く理想の人生があったのだろうか。でも、妻と子がいない日々は想像できないし、それはとても悲しいなと思う。
やっていくしかない。頭の中で個人開発をする。通勤中にスマホに入れたgithubのアプリを起動して、issueを立てる。戦略を立てる。前回のエラーの内容と発生原因をスマホで調べながら、あたりをつける。夜寝る前に、つぎにPCを開くときになにをやるか、考える。集中。集中する。
そうして少しずつコードを書いていってできたのが今のアプリ。
これからもずっと、そうやって作っていくのだろう。