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BlueXPのGUIから、AWS上のNetApp Cloud Volumes ONTAPをAmazon FSx for NetApp ONTAPにレプリケーションしてみた

Last updated at Posted at 2023-01-05

はじめに

NetApp ONTAPストレージシステムを利用する場合は、例えばオンプレミスにあるONTAP、クラウド上のCloud Volumes ONTAP(CVO)やAmazon FSx for NetApp ONTAPなどから、マイグレーションやバックアップのためにデータをレプリケーションしたい場合があります。また可用性を高めることなどを目的として、オンプレからクラウドに移行したいようなケースもあるでしょう。例えば大阪リージョンにあるCVOを東京リージョンにバックアップしたい、自社運用のCVOをAWS full-managedのFSxNに切り替えたい、そういったケースも考えられます。それらの場合は、BlueXPのGUIからドラッグ&ドロップ操作で簡単に実現できます。

この記事ではAWS上の同じリージョンにあるCVOをFSxNにレプリケーションを試してみた操作を、紹介したいと思います。
image.png

Keyword

  • SnapMirror
    SnapMirrorはLANまたはWAN経由で、データを高速にレプリケートできる機能です。仮想環境であるかそうでないかを問わず、高いデータ可用性と高速なデータレプリケーションを実現できます。データをネットアップ ストレージシステムにレプリケートし、セカンダリデータを継続的に更新すると、データは常に最新の状態に保たれ、必要なときにいつでも利用できる状態に保たれます。外部のレプリケーション・サーバは必要ありません。

  • BlueXP
    ストレージとデータ サービスを統合コントロール プレーンで一元管理し、ハイブリッド マルチクラウド エクスペリエンスを変革します。わかりやすいインターフェイスと強力な自動化により、種類の異なる環境を管理する際のリソースの無駄、複雑さ、リスクを軽減でき、シンプルな運用が実現します。

  • Cloud Volumes ONTAP (CVO)
    VMインスタンスにONTAPを搭載し、重複排除・圧縮・階層化などの効率化機能を提供する、クラウドストレージサービスです。CVOは、オンプレミスでお使いのアプライアンス型のONTAPと同等の機能を持ち、クラウド上のファイルとブロックのワークロードに対応した高度なデータ管理を実現するSoftware-Defined Storageです。データ保護、セキュリティ、コンプライアンスなどに対応しています。

  • Amazon FSx for NetApp ONTAP(FSxN)
    AWSがフルマネージで提供している、NetAppのONTAPファイルシステムを用いたサービス。信頼性が高く、スケーラブルで、パフォーマンスが高く、機能が豊富なファイルストレージを提供するサービスです。これまでONTAPで非常によく使われてきた圧縮・重複排除・階層化機能、及びAPIオペレーションといった機能を、AWSがフルマネージで提供しています。

手順

1.FSxNとCVOをAmazon Cloud上に作成
2.BlueXPのGUIにより、CVOをFSxNにレプリケーション
構成イメージ:
image.png

1.FSxNとCVOをAmazon Cloud上に作成

  • AWS consoleからFSxNを作成
    FSxNの作成は、GUI(AWS consoleとBlueXP)、developerが好きなコマンドライン(AWS CLIREST API)など様々な方法があります。
    BlueXPのGUI:作成するにはこちらのガイドを参考してcredentialとconnectorのIAM roleを確認する必要があります。
    AWS cloudshell CLI:creating-file-systemsにより、下記の図のように必要なパラメターを設定してFSxNのファイルシステムを作成できます。ガイドの方にも書いてますが、この場合はSVMとVolumeは別で作成する必要があります。
    image.png
    今回はAWS consoleからSingle-AZで作成します。
    image.png
  • BlueXPのGUIからCVOを作成
    「BlueXPのConnectorとCVOをAmazon Cloudに作成」「CVO: Quick start for Cloud Volumes ONTAP in AWS」を参照して、FSxNと同じVPC、KeyPair、Security Groupなど条件を確認した上でAmazon Cloud上にBlueXPのConnectorを作成してからCVOを作成します。今回はレプリケーションを検証する為、Cloud Tiering、Cloud Backup、Data Senseなどの機能はoffにします。もしそれらの機能を使う場合は、AWS marketingからsubscribe必要があります。
    image.png
    Freemium(Up to 500 Gib)No Storage Efficiency(Cloud Tiering機能を利用しない)にします。Storage Efficiencyをご利用する場合はS3にTiering為、必ずS3にアクセスできるVPC Endpointを作成しないといけないです。
    image.png
    ここまではCVOとFSxNのレプリケーションができる準備は完了です。

2.BlueXPのGUIにより、CVOをFSxNにレプリケーション

  • CVOをFSxNにレプリケーション
    既にReplicationがある場合は矢印付けの線が表示されます。複数Replicationを作成することもできます。CVOをFSxNにドラッグ、Replicationを選びます。
    image.png
    Cloud Tieringを利用しない為、Tiering Disabledにします。
    image.png
    SnapMirrorのPoliciesはdefaultのMirrorにします。
    image.png
    他のPoliciesに関する詳細はこちらのドキュメントで確認できます。Mirrorは、ソースボリュームで利用可能なSnapshotコピーをミラーリングします。Backupでは通常、ソースボリュームで保持される期間よりも長い期間、Snapshotコピーが保持されます。
    image.png
    SnapMirrorのスケジュールも柔軟に対応しています。右側を下にスクロールするとWeeklyMonthlyHourlyなど様々があります。
    image.png
    Wizardに従い、CVOのnfsボリュームをsourceとして選び、FSxN側に新しいnfs_copyボリュームを作成する形でReplicateをクリックします。
    image.png
    レプリケーションが実行され、BlueXPのGUIにも矢印付けの線が表示され、右下にこのCVOのReplication Targets2となります。
    image.png
    ssh -i YourKeyPair admin@your_cvo_ipでCVOにログインして、vserver peer show -vserverpeeredになってるのを確認します。BlueXPのCVO -> ReplicationsからRelationshipsを管理することができます。少し時間が経つと、AWS Consoleからもレプリケーションのボリュームを確認できます。
    image.png

注意事項

  • 複数peerの場合はSVM名が重複しない
    同じCVOのSVM(この例だとCVOのsvm_CVOReplication2FSxN)に対して複数のSVM (例のFSxNADDemoのfsx ID:FsxId0ac2e505c63ce53fdと FSxNDemoのfsxn_svm、ID:FsxId0eb87eb9508c0a4b8)レプリケーションを作成することができます。ただ、同じSVM (この例だとCVOのsvm_CVOReplication2FSxN)に対して、FSxNのファイルシステムが異なるのにも関わらず、既存のPeerされたSVM (fsx) と異なるSVM(fsxn_m)にしないといけないです。FSxNを作成する時にSVMはdefaultでfsxになるので、複数の場合は重複しないように指定する必要があります。
    image.png
  • レプリケーションのボリュームを削除
    直接AWS consoleからSnapMirrorボリュームを削除できません。SnapMirrorのrelationshipsを削除してからボリュームが削除できます。
    image.png
    BlueXPからSnapMirrorのrelationshipsをDelete(Breakではなく)します。
    image.png

まとめ

  • 複数のレプリケーションもできる
    今回はBlueXPのGUI操作により、AWS上の同じ東京リージョンにあるNetApp Cloud Volumes ONTAPをAmazon FSx for NetApp ONTAPにレプリケーションしてみました。同じリージョンで下記の様な構成でCVOを複数のFSxN(異なるSVM)にレプリケーションできることが分かりました。
    image.png
  • SnapMirrorがサポートされるONTAPリージョンとworking environments
    クラウド(Azure、AWS、Googleなど)がサポートされるONTAPリージョンとSnapMirrorがサポートされるONTAPバージョンの間でcross-regionでもできます。例えばCVOを大阪リージョンからFSxNの東京リージョン、またON-Premise ONTAPをCVOやFSxNなどそれぞれの同じようなレプリケーションができます。SnapMirrorがサポートされるworking environmentsは以下になります。
    image.png

次回予告

今回は同じリージョンで試しましたが、次回はCVOのcross-region(Osaka-Tokyo)でレプリケーションを検証してみたいと思います。
image.png

参考リンク

1.BlueXP: Learn about the Replication service
2.Creating FSx for ONTAP file systems
3.Amazon FSx for NetApp ONTAP: CreateFileSystem API
4.Create or discover an Amazon FSx for ONTAP working environment
5.CVOを作成、上記のADにジョインしたCIFSボリュームを追加
6.CVO: Quick start for Cloud Volumes ONTAP in AWS
7.BlueXPのConnectorとCVOをAmazon Cloudに作成
8.Learn about replication policies
9.SnapMirrorソフトウェア:ユニファイド レプリケーションで迅速なリカバリを実現
10.Prerequisites for cluster peering
11.vserver peer show
12.Cluster and SVM administrators
13.What SVMs are
14.Compatible ONTAP versions for SnapMirror relationships
15.Cluster and SVM peering workflow

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