概要
本記事は「JDLA E資格」の取得に必要なJDLA認定プログラムのひとつであるラビットチャレンジの受講レポートとして投稿したものです。
E資格について
https://www.jdla.org/certificate/engineer/
目次
ベクトルとスカラー
行列とは
行列の積
単位行列と逆行列
行列式
固有値と固有ベクトル
固有値分解
特異値分解
ベクトルとスカラー
ベクトル
「向き」と「大きさ」を持つ量のこと。
有向線分(矢印)で表されることが多いが、
有向線分が「位置」と「向き」と「大きさ」で決まるのに対して
ベクトルは「向き」と「大きさ」だけで決まる(位置は問題にしない)。
スカラー
いわゆる普通の数。「大きさ」のみで「向き」を持たない。
ベクトルに対して「向き」を持たない数字というような意味で使われることが多い言葉。
ベクトルの係数になれる、演算可能であるなどの特徴を持つ。
行列とは
以下のように、いくつかの数を長方形状に並べて括弧で囲んだもの。
横の並びを行、縦の並びを列といい、行列内の各数字を成分という。
ベクトルの変換に使えたり、連立方程式を解くのに使えたりする。
\begin{pmatrix}
3 & 2 & 0 \\
0 & 2 & 0 \\
0 & 0 & 1 \\
\end{pmatrix}
行列の積
以下のように、左側の行と右側の列をかけて足すようにして計算する。
普通の数と違ってかける順番が変わると結果も変わる(同じ場合もある)。
行列に割り算はない。
\begin{pmatrix}
a & b \\
c & d \\
\end{pmatrix}
\times
\begin{pmatrix}
p & q \\
r & s \\
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
ap+br & aq+bs \\
cp+dr & cq+ds
\end{pmatrix}
単位行列と逆行列
単位行列
以下のようにn次の正方行列(n×nの正方形状の行列)において、
右下がりの対角線上の成分がすべて1で、他がすべて0の行列のこと。
普通の数でいうと1のような性質を持つ(何をかけても結果が変わらない等)。
大文字アルファベットの I や E で表す。
I =
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1 \\
\end{pmatrix}
逆行列
普通の数において、ある数にかけて1になる数をその数の逆数というが、
ある正方行列Aにかけると単位行列になる行列をAの逆行列という。
-1乗の部分は「インバース」と読む(行列Aの逆行列$A^{-1}$ならAインバース)。
AA^{-1}=A^{-1}A=I
行列式
ある正方行列が逆行列を持つかどうかを判別するための行列式(determinant)というものがあり、
以下のように行列の括弧の部分を|にして表す。
行列式は行列そのものではなく数(スカラー)である。
2次の正方行列では以下のように計算できる。この値が0である行列は逆行列をもたない。
\begin{vmatrix}
a & b \\
c & d
\end{vmatrix}
= ad-bc
固有値と固有ベクトル
ある正方行列Aに対して、以下のような式が成り立つような特殊なベクトル$\vec{x}(\neq\vec{0})$と、右辺の係数λ(ラムダ)がある。
このときλを固有値、$\vec{x}$を固有ベクトルという。
A\vec{x}=λ\vec{x}
固有値分解
ある正方行列Aに対して、固有値λを右下がりの対角線上に並べた正方行列Λ(ラムダ)と、固有ベクトルを並べた行列Vを利用して、行列Aを以下のように変形することを固有値分解という。
A=VΛV^{-1}
特異値分解
正方行列以外の行列で固有値分解のようなことができる。
M\vec{v}=σ\vec{u} \\
M^{T}\vec{u}=σ\vec{v} \\\\
上記のような特殊な単位ベクトルがあるならば特異値分解できる。
M=USV^{-1}