はじめに
2021年4月実施のネットワークスペシャリスト試験を受験して合格しました。
その際の勉強内容など、備忘録として書いておこうと思います。
以降受験される方の役に立てば幸いです。
ネットワークスペシャリスト試験とは
昔の経済産業省が主催して開始された情報処理技術者試験(国家試験)の一つ。通称「ネスぺ」。
試験要綱だと、対象者像はこんな感じ。
高度IT人材として確立した専門分野を持ち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
「ネットワークを中心としたシステム基盤の知識に詳しい高度IT人材」みたいな感じでしょうか?
この試験要綱からもわかる通り、名称に"ネットワーク"とついていますが、セキュリティの知識も結構問われていると思います。
情報処理技術者試験だと、「高度な知識・技能」のレベル4とされる(応用情報の一個上)。
コロナ禍の影響で、いままで年1回の秋開催だったのが春開催になりました。
自分のレベル
- 大学院の修士課程在籍中(情報系)
- 研究分野は機械学習周辺なので、ITインフラ関係の知識について、授業等でのインプットはゼロ
- 研究室のネットワーク管理をしているので、少しITインフラをかじってはいる
- 応用情報技術者取得済み(2019年春)
- 情報処理安全確保支援士試験合格済み(2020年秋)⇒その時の記録
勉強内容
方針
基本は情報処理安全確保支援士試験(登録セキスぺ)の勉強法と同じです。
午前Ⅰ
(情報処理安全確保支援士試験合格後2年以内のため免除)
これが免除かどうかは、勉強範囲の広さに関わってくるので、免除の方が楽になると思います。
午前Ⅱ
- 知識問題(選択式、4択) 25問×4点=100点満点
6割が過去問から出るので、過去問を解きまくるのが一番の対策だと思いました。
有名なネットワークスペシャリストドットコムの過去問道場を使いました。
午後Ⅰ
- 長文問題(選択式・記述式) 100点満点
基礎知識の習得⇒過去問で演習しつつ足りない知識を補完、とやるのが王道だと思いました。
自分は前回の試験で登録セキスぺを受けていたので、基礎知識という面ではかなり通じるところがありました。なので、登録セキスぺの時に使っていた本をもう一度さっさと読み直して、過去問演習に移りました。
過去問演習はIPA公式サイトから過去問をDLして印刷したものをやりつつ、知らないことは別途ノートにまとめて後で復習、という感じ。
逆に登録セキスぺを受けた後にネスぺを勉強して、個人的に必要になるなと思った知識は**「ルーティング(RIP,OSPFとか)」と「各プロトコルの仕様(ネットワーク層~アプリケーション層)」**でした。これらはセキスぺとネスぺで、必要な知識量が大きく異なるのかなと感じました。
午後Ⅱ
- 長文問題(選択式・記述式) 100点満点
問題文が長い、ということ以外は午後Ⅰとほぼ一緒だと思います。
対策も午後Ⅰと同じで良いかなと思いました。
ただ、「問題文の長さに慣れる」という意味で過去問演習はある程度の数をこなした方がいいかなと感じます。
(特に午後試験対策で)使ったツール
ネスぺに関しては、『ネスぺ娘』シリーズが有名で使っている人も多そうです。
その場合は、ネスぺ基礎力を読んだ後で、各年度のネスぺ娘シリーズをやっていく感じだと思います。
自分は全部そろえるとお金がかかりすぎると思ったので、やめました。
①『マスタリングTCP/IP 入門編』
登録セキスぺの時に買っていた本。ルーティングについての記述やプロトコルの仕様がしっかり書かれているので、この本だけでも得るものは多いと思います。
②『ネットワークスペシャリスト 「専門知識+午後問題」の重点対策』
IPA試験対策として有名な『重点対策』シリーズのネスぺ版。午後問題の解説が詳しいかなと思い、購入しました。前半部分には項目別に専門知識の解説がありますが、その部分は読んでません。
実際使ってみると、解説の量はそこそこですが、読んで納得するかどうかは微妙です。結局追加で調べてみないとわからない、ということも多々ありました。
③色んなwebサイト
正直これが一番役に立ったかもしれません。
過去問演習で分からなかった部分をwebで検索してまとめるのが、かなり力になっていると思いました。
特に、以下の2サイトは最終的に検索した結果行き着くことが多く、とても参考になりました。
勉強履歴
- 2020年12月~2月
- 登録セキスぺの結果を受けてすぐ、先述したネスぺのドットコムで過去問道場をやり始める。
- 2021年3月~4月
- 過去問道場をやりつつ、「重点対策」の章の順番に沿って過去問演習。わからない部分は「マスタリングTCP/IP」を読んだり、webサイトで調べるなりしながらノートにまとめる。
- 午後Ⅰの過去問に関しては2周目もできるところまでやった。
最終的に、過去問道場は約3500問、午後Ⅰの過去問は21問(そのうち2周したのは半分くらい)、午後Ⅱの過去問は2問やった状態で本番に臨みました。
結果
区分 | 点数 |
---|---|
午前Ⅰ | 免除 |
午前Ⅱ | 92点 |
午後Ⅰ | 64点 |
午後Ⅱ | 67点 |
かなりギリギリでした。実際、午後Ⅰに関しては半分くらいしか合っている自信がありませんでした。
午後Ⅱに関しては明らかに演習不足だと思うので、このくらいの点数でも御の字だと思います。
逆に午前Ⅱは、過去問道場をやりこむと、"問題文の字面だけで正解がわかる"ような状態になるので、あまり苦労しないと思います。
勉強量からしても、合格してラッキーだったと思います。
さいごに
就活と並行でやっていたので勉強が間延びしていましたが、なんとか合格できてよかったです。
次に受けるとすればデータベーススペシャリストかなと思うので、チャレンジしてみたいと思います。