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伝わる棒グラフに!Power BI色分けアイデア~応用編~

Last updated at Posted at 2025-11-14

はじめに

棒グラフは、Power BIでよく使われる定番ビジュアルのひとつです。
しかし、ただ数値を並べただけでは「見える」だけで、伝えたいポイントが埋もれてしまうことがあります。
色を上手に使うことで、重要なデータに自然と視線が集まり、グラフがぐっと“伝わる”ものに変わります。

本記事は全2回シリーズの第2回(応用編)です。
今回の応用編では、メジャーを用いて設定できる色分けアイデアを紹介します。
数値や条件に応じて色を動的に変化させる方法を紹介します。

▼連載内容
・【基本編】伝わる棒グラフに!Power BI色分けアイデア~基本編~
・【応用編】伝わる棒グラフに!Power BI色分けアイデア~応用編~

目次

・サンプル一覧
・サンプル
・設定方法
・まとめ
・最後に

サンプル一覧

1.応用編

・最大値と最小値
・平均値以上
・少数をまとめる

サンプル

1. 最大値と最小値

1.png

1-1. ビジュアルの概要
・「最大値」と「最小値」を自動判定し、棒の色を切り替える棒グラフです。
・最大値の項目は“オレンジ”、最小値の項目は“青”、それ以外は“グレー”で表示されます。

1-2. 使用例
・複数の拠点や製品カテゴリの中で「最も売れている」「最も少ない」項目を強調したいときにおすすめです。
・動的に集計範囲が変わっても、自動で最大・最小を判定して色分けされるため、ランキングを直感的に把握できます。

2. 平均値以上

10.png

2-1. ビジュアルの概要
・全体の平均値を自動で算出し、平均以上の項目をオレンジ、平均未満の項目を水色で表示する棒グラフです。
・平均値のラインを境に、どの項目が上位・下位にあるかが一目で分かります。

2-2. 使用例
・営業成績や売上、製造量などを比較し、「平均を上回っている項目」を強調したいときにおすすめです。
・平均を上回る項目が多いか少ないかを視覚的に確認することで、組織や商品の全体傾向を把握しやすくなります。

3. 少数をまとめる

13.png

3-1. ビジュアルの概要
・売上50以下の都道府県を「その他」に1本にまとめ表示するビジュアルです。
・個別の値が小さい項目をまとめることで、主要な都道府県の比較が見やすくなり、グラフ全体のバランスが整います。

3-2. 使用例
・売上や出荷数などの地域別データを扱う際に、小規模なエリアをまとめて表示したいときにおすすめです。
・「その他」を作ることで、グラフが細かくなりすぎず、主要な項目に視線を集中させることができます。

設定方法

1.使用するデータ

3.png

今回使用するデータは、各都道府県の売上を地方別にまとめたデータです。
このデータを使い、売上の傾向の比較や、どの都道府県が好調か・不調かを一目で把握ができる棒グラフを目指します。

2.前準備(共通)

共通で用いる棒グラフを作成します。
① 以下の設定でビジュアルを作成します。
項目 設定値
ビジュアル 積み上げ縦棒グラフ
X軸 都道府県
Y軸 売り上げの合計

スクリーンショット 2025-09-24 161512.png

4.png

3.設定方法

3-1. 最大値と最小値

1.png

① 取り込んだテーブルをクリックします。
5.png

② テーブルツール>新しいメジャーをクリックします。
6.png

③ 以下式をコピペしメジャーを作成します。
  ※最大値と最小値の判定を行うメジャー(MaxMinFlag)

MaxMinFlag = 
VAR maxVal = MAXX(ALL('テーブル'), 'テーブル'[売上])
VAR minVal = MINX(ALL('テーブル'), 'テーブル'[売上])
RETURN
    SWITCH(
        TRUE(),
        MAX('テーブル'[売上]) = maxVal, 1,
        MAX('テーブル'[売上]) = minVal, -1,
        0
    )

7.png

8.png

④ 以下の順番で選択します。
 ・ビジュアルの書式設定>ビジュアル>列>カラー>fx
628462.png

⑤ 以下の設定で色を選択します。

項目 設定値
スタイルの書式設定 ルール -
基準にするフィールド MaxMinFlag -
値が次の場合 =1 数値 オレンジ色(#D55E00)
値が次の場合 =-1 数値 青色(#0072B2)
値が次の場合 =0 数値 灰色(#CCCCCC)

9.png

3-2. 平均値以上

10.png

① 取り込んだテーブルをクリックします。
5.png

② テーブルツール>新しいメジャーをクリックします。
6.png

③ 以下式をコピペしメジャーを作成します。
  ※平均値以上かの判定を行うメジャー(AverageFlag)

AverageFlag = 
VAR avgVal =
    AVERAGEX(ALL('テーブル'), 'テーブル'[売上])
RETURN
    SWITCH(
        TRUE(),
        MAX('テーブル'[売上]) >= avgVal, 1,
        MAX('テーブル'[売上]) < avgVal, -1,
        0                         
    )

7.png

11.png

④ 以下の順番で選択します。
 ・ビジュアルの書式設定>ビジュアル>列>カラー>fx
628462.png

⑤ 以下の設定で色を選択します。

項目 設定値
スタイルの書式設定 ルール -
基準にするフィールド MaxMinFlag -
値が次の場合 =1 数値 オレンジ色(#D55E00)
値が次の場合 =-1 数値 青色(#0072B2)

12.png

3-3. 少数をまとめる

13.png

① 取り込んだテーブルをクリックします。
5.png

② テーブルツール>新しい列をクリックします。
15.png

③ 以下式をコピペし新しい列を作成します。
  ※売上が少数の都道府県をまとめるための列(都道府県_少数まとめ)

都道府県_少数まとめ = IF( [売上] < 50, "その他", [都道府県] )

16.png

17.png

④ ビジュアルのビルドを選択します。
18.png

⑤ 以下の設定でビジュアルを変更します。

項目 設定値
ビジュアル ルール
基準にするフィールド 積み上げ縦棒グラフ
X軸 都道府県_少数をまとめ
Y軸 売上の合計
凡例 都道府県

19.png

まとめ

棒グラフはシンプルだからこそ、色の使い方で見やすさが大きく変わります。
前回基本編で紹介した色分けアイデアに加えて、今回応用編で紹介した3つのアイデアを取り入れることで、重要なポイントに自然と目がいく“伝わる”グラフに仕上げることができます。

色分けは単なる装飾ではなく、データの意味を直感的に伝えるための仕掛けです。
わずかな工夫で、レポートの印象も分析の伝わり方も大きく変わります。

ぜひ1つからでも試して、あなたのPower BIレポートをさらにわかりやすく、さらに説得力のあるものにしてみてください!

最後に

テンダでは、「こんなプロジェクトに挑戦したい」「こんなチームで働きたい」「理想のチームを創りたい」と願う仲間を求めています。
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