1.はじめに
SAPを触っていると、「この情報はあのアプリ、次は別のアプリで確認…」といった具合に、アプリを行ったり来たりするのはよくある話ではないでしょうか。
私自身も設計書作成やシステムテストの中で、複数のFioriアプリを行き来していましていちいち検索してアプリを切り替えるのが面倒だなあと感じることがしばしばありました。
そこで今回開発したのが「Fiori NEXT-App Recommender」です。
このツールは、現在利用しているFioriアプリに基づいて、次に使う可能性の高いアプリを自動で提案してくれる仕組みになっています。
「購買発注を見たあとには入出庫伝票照会」や「請求書登録したあとは請求書一覧」など、業務の流れに沿った“次の一手”を提示することで、アプリ検索や切り替えの手間を大幅に減らすことができます。
本来であれば、ChatGPT APIを利用してユーザーの操作履歴から次に必要そうなアプリを推論させたかったのですが、APIが有料で継続的に利用するにはコストが課題となりました。
そこで今回は JSONをベースに代用しています。
あらかじめ「このアプリを使ったら次はこのアプリを使うことが多い」という関連性をJSONで定義しておき、それをもとにおすすめを提示する仕組みです。
もちろんシンプルな実装ですが、
・ ChatGPTを使わなくても最低限の「アプリ推薦体験」を再現できる
・ 実装コストが低く、環境に依存しない
というメリットがあります。
2.アプリ紹介
準備
こちらのアプリはブラウザの拡張機能になっています。
なので使用するためにはまず、拡張機能管理に開発オブジェクトをインストールします。

これで準備okです!
これからはFioriアプリを開くと次に使いそうなアプリを提案してくれます。
アプリを見てみる
まずはFioriアプリ「受注管理」を開いてみます。
すると画面右下に、次に利用が想定されるアプリを知らせるポップアップが表示されました。

ここでは「出荷伝票登録」を提案してくれています。実際の業務でも受注管理の後に出荷処理を行うと思います。
そこで「出荷伝票登録」をクリックしてみます。
リンクになっているので、そのまま出荷登録用のFioriアプリに遷移できます。

このように、次に必要となるアプリを事前に提示してくれることで「いちいち検索して探す」手間を省けるのが本ツールのポイントです。
機能としてはこれだけですが、日常業務の小さなストレスを軽減できるという意味ではかなり効果的なものを作ることができたなと考えています。
3.今後の展望
今回紹介した「Fiori NEXT-App Recommender」は、あくまでJSONによるシンプルな関連付けをベースにしたプロトタイプです。
見てお分かりいただけると思いますが、力技で遷移先の定義をしています。
{
"遷移元": "#SalesOrder-manageV2",
"タイトル": "受注関連アプリ",
"遷移先候補": [
{ "ラベル": "出荷伝票管理", "URL": "#OutboundDelivery-manage" },
{ "ラベル": "出荷伝票登録(VL01N)", "URL": "#OutboundDelivery-createInWebGUI?sap-ui-tech-hint=GUI" },
{ "ラベル": "請求伝票登録", "URL": "#BillingDocument-create" }
]
}
今後の拡張としては、例えば以下のような方向性を考えています。
ChatGPT APIとの連携
利用ログや業務シナリオに基づいて、より柔軟でパーソナライズされた推薦を実現。
エラーが発生した際のお助けチャット
Fioriアプリ操作中にエラーが発生した場合、その原因や解決方法をポップアップで提示し、ユーザーをサポートする。
こうした拡張を重ねていくことで、最終的には 「ユーザーがアプリを探さなくても、業務フローに沿った最適なアプリが自然と提示される環境」 を目指したいと考えています。
4.まとめ
今回紹介した「Fiori NEXT-App Recommender」は、Fioriアプリを利用する際に「次に必要になりそうなアプリ」を自動で提示してくれる仕組みです。
ポイントは以下のとおりです。
・業務フローに沿ったアプリ推薦
「受注管理の次は出荷伝票登録」といった形で、実務に即した流れをサポート。
・シンプルな実装
JSONによる関連付けで実現しているため、環境依存が少なく、導入が容易。
・小さなストレスの軽減
アプリ検索や切り替えの手間を省き、日常業務をスムーズに。
今後も便利ツールや開発者支援ツールを作成していこうと思うので、興味があれば興味があればぜひフォローやコメントをお願いします。
みなさんのフィードバックやアイデアが、次の開発のヒントになります!