〜25日間連続投稿を通して見えたこと・考えたこと〜
はじめに
今年、会社として Qiita Advent Calendar に参加し、25日間連続投稿を無事に完走することができました。
私はその中で、運営側として企画・調整・レビューをリードする役割を担当しました。
実は、会社として Advent Calendar に力を入れるのは久しぶりの取り組みでした。
直近の参加は 2023年、それ以前に 全枠を埋めて完走できたのは 2019年 まで遡ります。
社内でも技術発信の流れが途切れがちだった中で、改めて Advent Calendar に取り組むことは、
意義と同時に難しさも感じるスタートでした。
本記事では、技術的な内容そのものではなく、
- なぜ Advent Calendar の運営に参加したのか
- 実際に運営してみて大変だったこと
- そこから得られた学びと今後の改善点
を、運営の視点でまとめます。
運営に参加した背景・思い
私自身が入社前に選考を受けていたとき、次のようなことを感じていました。
- 会社の雰囲気や実際の仕事内容がわかる記事は少なく、自分が希望する環境と合致しているのか判断しづらかった
- 採用募集要項に書かれている内容が「フルスタック」と受け止められがちで、知人に紹介する際にも「ハードルが高そう」と感じられてしまうことがあった
こうした状況を少しでも変えたいという思いがありました。
Advent Calendar を通じて、
- 会社の雰囲気
- 実際に働くエンジニアの考え方やスタンス
- 技術との向き合い方
を社外に伝え、興味を持ってくれた方が選考に進みやすくなる状態を作りたいと考え、運営への参加を決めました。
また、これは会社全体だけでなく、自分自身にも当てはまる話だと感じています。
私自身、決して記事をたくさん書いてきたタイプではなく、「学んだことを発信したい」という気持ちはありながらも、なかなか時間を取らずに後回しにしてきた側でした。
だからこそ、
- 忙しい中で記事を書くことのハードル
- 「これを書いて意味があるのか」と悩む気持ち
はよく分かっているつもりです。
その立場にいたからこそ、「どうすれば無理なく参加してもらえるか」「どこまで運営が支援すべきか」を意識しながら運営を進めていました。
苦労した点①:執筆者の確保
本格的に運営が動き始めたのは 11/21 頃でした。
やろうと思いつつも通常業務に追われ、なかなかスタートを切れなかったのが正直なところです。
もっとも苦労したのは、執筆者の募集と工数の確保でした。
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社外に価値が届きやすそうな取り組みと連動させるため、プレスリリース予定の機能の開発者に声をかけるところから開始
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しかし、そうした開発者は
- リリース前のラストスパート
- 納期のあるお客様対応と並行しており、執筆をお願いする余裕がないケースも多かった
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お返事をもらえなかったり、お断りされることもありました
結果として、テックリード以上のベテランエンジニアを中心に執筆者を確保する形となりました。
苦労した点②:記事執筆ガイドラインとレビュー
機密情報・特定リスクへの配慮
レビューで注意したのは、明確な機密情報だけではありません。
- チーム体制やチーム名の記載
- 複数の情報を組み合わせることで顧客が特定できてしまうケース
など、一見問題なさそうでもリスクになり得る表現が多くありました。
また、ソフトウェア内部で使用しているライブラリのバージョンについても、将来、深刻な脆弱性が出た際に提供サービスへの影響が推測できてしまうという理由から、記載を避ける判断をしました。
表現・文体・個性のバランス
- 社内向けなら問題ない表現でも、社外の読者にはどう見えるか
- 文体(です・ます調/だ・である調)の違い
- 日本語の細かな修正や論理の飛躍、段落構成
など、「どこまで直すべきか」はかなり悩みました。
結論としては、明らかな間違い以外は、書いてくれた人の雰囲気を尊重することにしました。
その他の判断
- 実名 or ペンネーム
- 個人が攻撃されないようペンネーム推奨としました
- 最終的には個人の裁量に委ねました
- レビュー体制
- 運営メンバーに加え、社内の開発者が有志でレビューに参加してくれました
- AIレビュー
- 導入は試したものの、うまく使いこなせず
- ツール選定の試行錯誤フェーズで終わりました
苦労した点③:代打・スケジュール調整
日々の業務状況は目まぐるしく変わるため、
- 直前になって執筆が間に合わなくなる
- 他社との調整で公開できなくなる
といったことも発生しました。
そのため、
- 複数の方にあらかじめ協力をお願いし
- 早めにレビューが終わった人と投稿日を入れ替える
- 急きょ代打で執筆をお願いする
など、柔軟な調整が常に必要でした。
運営として大切にしたこと:発信の自由度と責任のバランス
Advent Calendar では、「会社の雰囲気が伝わること」「中で働く人の考え方が見えること」を採用につながる重要な目的の一つとしていました。
そのため、記事にはできるだけ、
- 個人の言葉で書かれていること
- 現場の空気感や考え方が読み取れること
を大切にしたいと考えていました。
一方で、記事の中には、
- 他社との協業内容
- 外部への影響が出得る取り組み
が含まれるものもあり、発信の自由度と、会社としての責任のバランスをどう取るかは、運営として悩ましい判断でした。
内容によっては、
- 雰囲気を伝えるために書きたい表現を少し抑える
- 先に関係各所や他社のレビュー・承認を優先し、公開タイミングを調整する
といった対応が必要になることもありました。
その結果、投稿予定日の入れ替えや、別の記事を前倒しで公開するといった調整が発生する場面もありましたが、「急いで出すこと」よりも、安心して読んでもらえる発信であることを優先する判断をしました。
運営としては簡単な判断ではありませんでしたが、自由に書いてもらうだけでなく、 「どうすれば会社としても個人としても適切な発信になるか」 を運営メンバーと一緒に考えながら進められた点は、大きな学びでした。
結果として、堅すぎず、かといって無責任でもない、今の会社らしさがにじむ Advent Calendarになったと感じています。
最終日を迎えて
最終日には、社長にも記事を書いていただくことができました。
普段あまり外部に公開されない、
- 会社への思い
- 今後目指している姿
を発信できたことは、運営としてとても嬉しい出来事でした。
また今回の Advent Calendar は、開発メンバーや広報だけでなく、プロダクトマネージャーや情シスなど、さまざまな立場の有志メンバーが運営に関わってくれました。
個人の価値観に強く依存するのではなく、会社としてどのようなメッセージを外に出すかを意識しながら、記事の企画やレビューを支えてくれたことに、心から感謝しています。
多くのメンバーの協力があってこそ、25日間を完走できたと感じています。
今後に向けて
今回の経験を踏まえ、今後は以下に取り組んでいきたいと考えています。
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今回は執筆依頼が直前になりがちだったため、
より早い段階から計画的に声をかけ、執筆に集中できる時間的余裕を持った依頼 -
より読みやすい記事のために、1記事につき最低1枚の画像の挿入の検討
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限られた時間の中で作った記事作成ガイドラインをブラッシュアップ
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レビューにかかる時間を減らすため、AIツールの選定・活用
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スプレッドシート中心だった管理業務を、
Atlassian 製品や Slack ワークフローなどで自動化できないかの検討 -
「発信することが個人や会社にどんな価値をもたらすのか」を
社内で共有し、理解を広げていくことも進めていく -
採用に響かせるためにも、単発で終わらせず、継続的で質の高い発信
今回、久しぶりに会社として Advent Calendar を完走できたことは、発信の文化をもう一度立ち上げるきっかけになったと感じています。
私自身も、運営を経験したことで、
「発信は特別な人だけがやるものではなく、環境と後押しがあれば続けられるもの」
だと改めて実感しました。
おわりに
Advent Calendar の運営は、決して楽ではありませんでしたが、会社の中の人たちの考えや雰囲気を形にして外へ届けるとても価値のある取り組みだったと思います。
この記事が、技術発信や社外向けアウトプットに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
