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コードを現場へ!SENSYN ROBOTICS流、ドローン制御システム開発工程のご紹介

Last updated at Posted at 2025-12-06

こんにちは、くりメガネです。株式会社センシンロボティクスで業務自動化プラットフォーム『SENSYN CORE Pilot』を担当しているソフトウェアエンジニアです。

私たちのチームでは、Webアプリケーションを主に開発していますが、担当する業務はWebアプリケーションやバックエンドシステムのコーディングだけには留まりません。
「社会の「当たり前」を進化させていく。」というミッションを実現するため、電力会社様、石油精製会社様、建設会社様などをはじめとする社会インフラの分野のお客様の点検に対しドローンを手段とした点検業務の自動化、効率化へとつなげていくものです。

本記事では、ドローン制御システムを開発作業のなかでも、特にWebアプリケーションと実際のドローンを繋いだ検証作業を中心に、お客様にリリース物を届けるまでの流れをご紹介します。

目次

  1. お客様からドローンまでのシステム全体像
    1. SENSYN CORE Pilot とは?
    2. ドローンが飛び立つまで
  2. ドローンへの飛行指示
  3. ドローンを使った検証のやり方
    1. 役割とメリット
    2. シミュレーター検証の様子
  4. 多彩な機体
  5. まとめと未来の仲間へ

お客様からドローンまでのシステム全体像

SENSYN CORE Pilot とは?

SENSYN CORE Pilot は、さまざまなドローンを一元的に管理し、お客様の計画に基づいた飛行指示を正確に実行するためのWebアプリケーションです。

通常のシステム開発と異なり、私たちのゴールは「画面上でデータが正しく表示されること」だけでなく、「物理的なドローンを安全かつ正確に意図どおりに動かすこと」にあります。

データ分析のための素材として最適な画像等を提供できるよう、ドローンやUGV(地上走行型ロボット)を課題解決の手段として、点検経路の作成ツールや自動でデータを取得する工程を担当します。
これにより、安全性の観点や点検対象の膨大さという観点で人が点検しにくい箇所の点検効率化を実現します。

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出典: 弊社テクノロジー解説ページ

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出典: 弊社プロダクト紹介ページ

SENSYN CORE Pilotでは、左に飛行ルートの詳細、右に地図を見ながら、初心者でもわかりやすく飛行計画を立てることができます。

image.png

ドローンが飛び立つまで

SENSYN CORE Pilotで最も多く取り扱うDJIの産業用ドローン(DJI Enterpriseドローン)を例にあげて紹介します。

ドローンへの飛行指示は、以下の流れで実行されます。

  1. Web画面:お客様がWebアプリケーション上で、緯度経度や高度、撮影指示などの情報を入力します
  2. バックエンド処理:バックエンドシステムがお客様の入力情報を受け取り、ドローンが解釈できる形式に変換します
    • この計算には、複雑な経路計算ロジックや、フライトパラメーターの調整が含まれます
  3. DJI Cloud API とドローン:計算結果は DJI Cloud API経由でドローンが直接実行可能なXML形式で記述されたKMZファイルとして送信され、このファイルがドローンにとっての「飛行指示書」となります
  4. ドローンの飛行: 操縦者が転送されたルート情報を選択して飛行を開始します

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DJI Cloud API
DJI製の産業用ドローンを、Webサービスやアプリケーションから遠隔で統合管理・制御するためのインターフェースで、DJIにより定義されています。
SENSYN CORE Pilotは、この仕組みを介して、生成した飛行指示を現場のドローンに送信することでドローンが飛行できるようになります。
参考: DJI Cloud API 開発者サイト

ドローンへの飛行指示

SENSYN CORE Pilotの中核には、お客様の意図を正確にドローンに伝える飛行指示ファイルを生成するロジックがあります。

DJIの産業用ドローンではDJI Cloud APIが採用されおり、この飛行指示ファイルはKMZと呼ばれるものを利用します。
KMZファイルは、XML形式で記述された複数のファイルをZIP形式で圧縮したものです。

image.png
出典: DJI WPML

私たちはこの規格に基づいて実装することで、多様な機体への対応を可能にし、安定したフライト制御を実現しています。

また、この仕組みがあることで、飛行時の制御は機体そのものへ預けることができ、Webシステム開発の知識をベースにプロダクト開発をすることができます。

開発フェーズでは、いかにしてこのKMZファイルをバグなく、お客様の意図どおりに生成できるかが検証の鍵となります。少しのロジックのミスが、空の上での大きな問題に直結するためです。

ドローンを使った検証のやり方

コーディングが完了しても、すぐにドローン(実機)を飛ばして検証することはできません。
実機検証はドローン操縦者と一緒に専用のフィールドへ移動して実施するため、コストと時間がかかります。

そこで不可欠となるのが、DJI Assistant 2というツールに含まれるシミュレーターです。

DJI Assistant 2
ドローンとPCを接続し、PC上に作られた仮想空間上でフライトシミュレーションを実行するためのデスクトップアプリケーションです。
参考: 株式会社セキドさんの使い方を紹介した記事

役割とメリット

シミュレーター検証では、ドローンがKMZファイルを読み込めるかの確認や、写真撮影や動画撮影などのフライトアクションを中心に行います。

  • スピーディーな確認: ドローンの実機があればすぐ検証作業を開始できます
  • 安全性確保:墜落や物的損害のリスクがありません
  • コスト削減:専用フィールドへの移動や操縦者の確保が不要です

これに対して行われるのが飛行検証であり、シミュレーター検証を通過してから、専用フィールドで実際にドローンを飛行させ、高度や機体の向きなどの確認を行います。

シミュレーター検証の様子

弊社のオフィスでは機体を机の上で展開し、PCをつなげて確認を行う姿をよく目にすることができます。
万が一ブレード(プロペラ)が回ってドローンが飛行することはないよう、重りをつけながら安全を確保して作業します。
ドローンには機体側にUSB Type-Cの口があり、ここにケーブルをさしてPCと接続します。

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PC画面に表示されているのが DJI Assistant 2 です。

多彩な機体

SENSYN CORE Pilotは、様々なお客様の現場やニーズに対応するため、多様なDJIの産業用ドローンに対応しています。

機体名 特徴 写真
DJI Matrice 400 高いペイロード性能と拡張性を備えた大型産業用ドローンで、重装備を搭載してインフラ調査や大規模マッピングなどに対応可能。 2025-11-27 20.15.45.jpg
DJI Matrice 350 RTK 最大離陸重量約 9.2 kg、最大飛行時間約 55分とバランスに優れ、インフラ点検・マッピングなど幅広い産業用途に適した新世代プラットフォーム。 2025-11-27 20.01.44.jpg
DJI Matrice 30T 本体約 3.7 kg と比較的軽量かつ折りたたみ可能で、サーマル・ズーム・広角など複数のセンサーを統合した「小回りと多用途性」を両立する機動型ドローン。 2025-11-27 20.22.54.jpg
DJI Mavic 3T 約 920 g の軽量かつ折りたたみ可能な携帯性重視設計で、サーマルと高解像ズームカメラを組み合わせ、迅速な点検・監視や夜間・暗所での活動に適した機体。 2025-11-27 20.05.31.jpg
DJI Matrice 300 RTK 長時間飛行と複数ペイロード対応、多センサー構成が可能な産業用の基盤モデルとして、測量・インフラ点検・マッピングなど多くの実績を持つ信頼性の高いドローン。 2025-11-27 20.08.37.jpg

改修の度にこれらすべての機種の飛行検証を行うことは時間がかかりますが、シミュレーター検証を実施することで、手戻りを防ぐ開発が可能になっています。

まとめと未来の仲間へ

SENSYN CORE Pilotの開発は、単なるソフトウェア開発にとどまらず、物理的なドローンを制御するという、非常に挑戦的でやりがいのある領域です。

DJI Assistant 2によるシミュレーション検証は、この開発サイクルにおける安全と効率の要です。私たちは、この確実な検証プロセスを経て、安全なドローンの運用の品質担保を行っています。

また、シミュレーター検証の前工程であるQAに関する取り組みの紹介がありますのでそちらもぜひご確認ください。

センシンロボティクスは今後もAI × Data を利活用したソリューションで本質的な課題解決を実現します。

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