はじめに
Gemini Enterpriseには、ノーコード・ローコードで独自のエージェントやワークフローを作れる機能があります。この機能は「Agent Designer」という名前で知られていましたが、現在は「Workflow Builder」という名称に変わっています。本記事では、公式ドキュメントをもとにWorkflow Builderの概要を整理します。
Workflow Builder とは
Google Cloud公式のリリースノートによると、Workflow Builder(旧Agent Designer)はGemini EnterpriseでGA(一般提供)となりました。組織内のユーザーが、タスクを効率化したりエンタープライズデータに接続したりするための、複数ステップの自動化ワークフローを構築できる機能です(Gemini Enterprise release notes | Google Cloud Documentation)。
公式ドキュメントでは、Standard・Plus・従量課金制・Frontlineエディション向けに「対話型のノーコード・ローコードプラットフォームで、チャットエージェントとワークフローを作成・管理・起動できる」と説明されています(Workflow Builder overview | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation)。なお、この機能名はエディションによって呼び方が異なり、Business edition向けのヘルプセンターでは今も「Agent Designer」という旧称のまま案内されています。同じ機能でも、参照するドキュメントによって名前が違う点は紛らわしいので注意が必要です。
主な機能
公式ドキュメントによると、Workflow Builderには次のような機能があります。
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ワークフローとオンデマンド実行: 自動スケジュール実行、手動トリガー、Gemini Enterpriseのチャット内で
@メンションして直接呼び出す実行方法のいずれにも対応した、複数ステップのワークフローを構築できる -
チャットエージェント: チャットの会話内で
@メンションを使ってチャットエージェントを呼び出せる - エージェントのインポート: 既存のA2A・ADKエージェントをGemini Enterpriseにインポートし、一元管理・共有・ガバナンスの対象にできる
- エンタープライズコネクタ: Google Workspace(Gmail、Googleカレンダー、Google Chat、Google Drive)や、Slack、Jira、ServiceNow、Confluence、Microsoft OneDrive、SharePoint、Outlookといったサードパーティツールにワークフローを接続できる
作成方法は2通り
チャットエージェントの作成方法には2つのアプローチがあります(Create a chat agent | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation)。
- プロンプトを使う方法: エージェントの目的を説明するだけで、Workflow Builderが初期バージョンを生成してくれる。シンプルなエージェントや、複雑なものの叩き台作りに向いている
- フロービルダーを使う方法: エージェントの設計を最初から細かく制御できる。複数ステップで特定のサブエージェント構成やロジックが必要な、複雑なエージェント向け
2つの方法は組み合わせて使うこともでき、まずプロンプトで初期版を作ってから、フロービルダーでロジックを視覚的に調整する、という流れも可能です。
ガバナンスの仕組み
Workflow Builderは一般ユーザーでもエージェントやワークフローを構築・公開できる機能ですが、その動作は管理者のポリシーによって厳格に統制されています。エージェントやワークフローが利用できるアクションやツールは、Gemini Enterprise管理者が用意したデータコネクタ・ツール・権限の範囲に限定されます。これにより、エンドユーザーが作成したエージェントも、明示的に許可された範囲でしかタスクを実行したり情報にアクセスしたりできない仕組みになっています(Workflow Builder overview | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation)。
まとめ
- Workflow Builder(旧Agent Designer)は、ノーコード・ローコードで複数ステップの自動化ワークフローを構築できる機能で、GAとなっている
- Business editionのヘルプセンターでは今も「Agent Designer」という旧称で案内されており、エディションによって呼び方が異なる
- チャットエージェントは「プロンプトで生成」「フロービルダーで細かく設計」の2通りの方法で作成でき、組み合わせも可能
- 既存のA2A・ADKエージェントをインポートして一元管理することもできる
- エンドユーザーが作成したエージェントも、管理者が許可した範囲のデータ・ツールしか使えないガバナンスの仕組みがある
ノーコードで社内のワークフローを自動化したいチームの参考になれば幸いです。
参考リンク
- Gemini Enterprise release notes | Google Cloud Documentation
- Workflow Builder overview | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation
- Create a chat agent | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation
本記事は2026年9月時点の公式情報をもとにまとめています。名称・仕様は変更される可能性があるため、実際に導入を検討される際は必ず最新の公式ページをご確認ください。