はじめに
Gemini Enterpriseを導入しようとすると、まず最初に「Business」「Standard」「Plus」というエディション選びで迷います。料金や機能の違いが分かりにくく、公式サイトを読んでも情報が複数のページに分散しているため、全体像をつかみにくいと感じた方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Google Cloud公式のエディション比較ページと料金ページの情報を整理し、5つのエディションの違いをまとめます。
Gemini Enterpriseには5つのエディションがある
「Business/Standard/Plus」の3つで語られることが多いですが、公式ドキュメントによると実際には5つのエディションがあります(Compare editions of Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation)。
- Business エディション: 中小規模のチーム向け。ITセットアップ不要ですぐに使える
- Standard エディション: より厳格なセキュリティ・コンプライアンス要件を持つ組織向け
- Plus エディション: Standard エディションよりもさらに高いクォータ・ストレージを持つ上位エディション
- 従量課金制: 基本料金なしで、消費したコンピューティング・トークン分だけ課金されるエディション
- Frontline エディション: 現場スタッフ向けのアドオンエディション。Standard エディションまたは Plus エディションを150ユーザー以上契約している組織のみ追加購入できる
料金については、公式の製品ページでBusiness エディションが月額21ドルから、Standard エディションとPlus エディションが月額30ドルからとされています(Gemini Enterprise app: Best of Google AI for Business | Google Cloud)。従量課金制とFrontline エディションは基本料金ではなく、利用量や契約条件に応じた課金体系です。
ユーザー数・ストレージの違い
公式の比較表によると、ユーザー数とユーザーあたりのストレージ容量は以下の通りです。
| エディション | ユーザー数 | ストレージ(ユーザーあたり、プール制) |
|---|---|---|
| Business | 1〜500人のユーザー | 25 GiB |
| Standard | 1人以上のユーザー | 30 GiB |
| Plus | 1人以上のユーザー | 75 GiB |
| 従量課金制 | 開始するには1ユーザー以上が必要 | 従量課金制 |
| Frontline | Standard エディションまたは Plus エディションのユーザーが150人以上 | 2 GiB(プール済み) |
なお、Business エディションのユーザー数上限については、製品ページでは「300ユーザーまで」、エディション比較ページでは「1〜500人のユーザー」とご紹介されています。ユーザー数の詳細は、実際に契約する際の画面や営業担当にご確認いただくとより確実です。
機能面の違い
公式の比較表から、エディション間で差がある主要な機能を抜き出すと以下の通りです。
| 機能 | Business | Standard | Plus | 従量課金制 | Frontline |
|---|---|---|---|---|---|
| 全データコネクタへのアクセス | ✕ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 最新Geminiモデルへの優先アクセス | ✕ | ○ | ○ | ○ | ✕ |
| Gemini Code Assist Standard | ✕ | ○ | ○ | ✕ | ✕ |
| Data Insights(Made by Google) | ✕ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 独自のフルコードエージェント(ADK等で外部構築) | ✕ | ○ | ○ | ○ | △(管理者が用意したもののみ利用可) |
| Agent Marketplaceへのアクセス | ✕ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| エンタープライズグレードのセキュリティ・コンプライアンス | ✕ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| AI開発者ツール | ✕ | ○ | ○ | ○ | ✕ |
| Gemini Notebook Enterpriseの作成・公開 | ○ | ○ | ○ | ✕ | ✕ |
見て分かる通り、Business エディションは「全データコネクタ」「高度なセキュリティ・コンプライアンス」「AI開発者ツール」「Agent Marketplace」「ADKによる独自エージェントの持ち込み」のいずれも非対応です。一方で、ノーコードでの独自エージェント作成や、Deep Research・Data Insightsのような組み込みエージェントの利用、画像・動画生成、Web検索によるグラウンディングといった基本機能は、Business エディションでも他のエディションと同様に使えます。
エディションの選び方の目安
これまでの情報を踏まえると、選び方の目安は次のようになりそうです。
- まず小さく始めたい・特定チームで試したい → Business エディション
- 全社導入、あるいはVPC Service Controls・CMEKなど高度なセキュリティ要件がある → Standard エディション
- Standard エディションよりもさらに大容量のストレージや高いクォータが必要、規制の厳しい業界 → Plus エディション
- 基本料金を払わず、使った分だけ課金されたい → 従量課金制
- 店舗・工場など現場のスタッフにも展開したいが、アクセスできるエージェントは絞りたい → Frontline エディション(Standard エディションまたは Plus エディションのアドオンとして)
まとめ
- Gemini Enterpriseには、Business・Standard・Plus・従量課金制・Frontlineの5エディションがある
- 料金は公式にBusiness エディションが月額21ドルから、Standard エディションとPlus エディションが月額30ドルからとされている
- Business エディションのユーザー数上限は、製品ページでは「300ユーザーまで」、エディション比較ページでは「1〜500人のユーザー」とご紹介されている
- Business エディションは、全データコネクタ・高度なセキュリティ・AI開発者ツール・ADKによる独自エージェントの持ち込みが非対応
- Frontline エディションは単体では契約できず、Standard エディションまたは Plus エディションを150ユーザー以上契約している組織のみが追加できるアドオン
エディション選びで迷っている方の参考になれば幸いです。契約前には、必ず最新の公式ページで料金・条件をご確認ください。
参考リンク
- Compare editions of Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation
- Gemini Enterprise app: Best of Google AI for Business | Google Cloud
本記事は2026年9月時点の公式情報をもとにまとめています。料金・機能は変更される可能性があるため、実際に導入を検討される際は必ず最新の公式ページをご確認ください。