はじめに
社内資料やスライドに使う画像を作るとき、フリー素材サイトを探し回ったり、外部のデザインツールを別途契約したりするのは意外と手間がかかります。Gemini Enterpriseには、チャットから直接画像を生成できる機能が組み込まれており、資料作成の延長線上でそのまま画像を用意できます。
本記事では、2026年6月にGAとなった画像生成モデル「Nano Banana Pro」「Nano Banana 2」について、実際にトライアル環境で有効化から生成までを試した内容をまとめます。
Nano Banana Pro / Nano Banana 2 とは
Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)・Nano Banana 2(Gemini 3.1 Flash Image)は、いずれもGoogleの画像生成モデルです。本記事で扱うGemini Enterprise app(チャットUI)では、2026年6月にGAとなりました(Gemini Enterprise release notes | Google Cloud Documentation)。
2つのモデルの位置づけは、実際の機能管理画面に表示されている説明文によると次の通りです。
- Gemini 3.1 Flash Image(Nano Banana 2): ほとんどのクリエイティブプロジェクト向けに最適化された、効率的で高品質な画像生成
- Gemini 3 Pro Image(Nano Banana Pro): 複雑な画像生成のユースケース向けに構築されており、事実性が向上している
「Pro」の方が精度・リアリティ重視、「Flash」の方が速度・汎用性重視という住み分けです。
セットアップ手順
Step 1: 管理者が画像生成モデルを選択
まず、以下の2点を確認します。
- 機能が有効になっているか: Google Cloud Consoleの機能管理画面で「画像生成を有効にする」のトグルを確認する
- どちらのモデルが選択されているか: 「Gemini 3 Pro Image」と「Gemini 3.1 Flash Image」は排他選択(ラジオボタン)になっており、同時に両方を使うことはできない
Google Cloud Consoleで以下のURLから「Gemini Enterprise」のアプリ一覧に移動します。
https://console.cloud.google.com/gemini-enterprise/
対象のアプリ名をクリックし、「構成」→「機能管理」タブを開くと、「画像生成を有効にする」のトグルと、その下に「Gemini 3 Pro Image」「Gemini 3.1 Flash Image」のラジオボタンが表示されます。ここで使いたいモデルを選択し、「Save」をクリックします(ウェブアプリの機能を管理する | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation)。
Step 2: リージョン設定の確認
Nano Banana Pro / Nano Banana 2はグローバルリージョンでのみ利用可能なので、自社のGemini Enterpriseアプリがどのリージョンで構成されているかを確認します。確認場所は次の2つです。
- アプリ一覧ページ上部の「現在地」表示
- 各アプリの一覧に表示される「場所」列
ここが「global」になっていれば問題なく利用できます。global以外のリージョンの場合、モデル選択時に警告が表示される仕様です。
Step 3: 実際にチャットから画像生成を依頼
管理画面ではなく、エンドユーザー向けのチャット画面を開きます。アプリのダッシュボード右上にある「プレビューを開く」から遷移できます。
遷移すると、以下のような真っさらなチャット画面が開きます。
特別なモードへの切り替えは不要で、通常のチャット欄に生成したい画像の内容をプロンプトとして入力するだけで動作します。
実際に「オフィスの会議室で、複数のビジネスパーソンがラップトップ画面を見ながら議論している様子を、高品質な業務用ストック写真のようなクオリティで作って」と依頼したところ、以下のような結果が返ってきました。
Step 4: 生成画像の確認・保存
生成された画像はライブラリから検索・閲覧・ダウンロードできます。チャット履歴を遡らなくても、後から必要な画像を探しやすい点は便利でした。
「画像」「動画」でフィルタもできるので、生成物が増えてきても目的の画像を見つけやすい設計になっています。
使ってみた所感
良かった点
- 資料作成の流れの中で完結する: プレゼン資料やブログ用の挿絵を作る際、チャットで文章を作りながらそのまま画像も生成できるので、外部ツールへの切り替えコストがなくなりました。
- ライブラリでの検索性: 過去に生成した画像をチャット履歴からではなくライブラリから直接検索できるため、「あの画像どこだっけ」という探し物が減りました。
- 企業のガバナンス範囲内で完結する: 「nano banana」で検索すると出所不明な広告経由のサイトも多く見かけますが、Gemini Enterprise上であれば、プロンプトや生成物が自社のIAM・アクセス制御が及ぶ環境内にとどまります。個人向けの無料ツールに業務のプロンプトを入力する必要がないのは、地味に安心材料でした。
気になった点・制約
- 2つのモデルは排他選択: Nano Banana ProとNano Banana 2を使い分けられるものと思っていましたが、実際には管理画面でどちらか一方を選ぶ排他的なラジオボタンでした。状況に応じて切り替えたい場合、都度設定を変更する運用になります。
- 生成物の権利・品質チェックは引き続き人の作業: 生成された画像をそのまま社外向け資料に使う場合は、意図しない著作物の混入や品質のブレがないか、必ず人の目でチェックする運用にしています。
まとめ
- Nano Banana Pro / Nano Banana 2は2026年6月2日にGemini Enterprise appでGAとなった画像生成モデル
- 2つのモデルは同時使用ではなく、管理画面で排他的に1つを選ぶ仕様
- 資料作成のワークフローの中でそのまま画像生成が完結するのは実務上のメリットが大きい
- 出所不明な無料ツールに頼らず、自社のIAM・アクセス制御が及ぶ環境内で画像生成が完結する点も実務利用では見逃せない
社内資料やブログの挿絵作成にかかっていた「別ツールを探す手間」を減らしたいチームの参考になれば幸いです。
参考リンク
- Gemini Enterprise release notes | Google Cloud Documentation
- ウェブアプリの機能を管理する | Gemini Enterprise | Google Cloud Documentation
本記事は2026年8月〜9月時点の情報をもとに、実際の管理画面・チャット画面で検証しています。Gemini Enterprise関連の機能は更新頻度が高く、ドキュメントの記載と実際の挙動が異なる場合もあるため、実際に導入を検討される際は最新の公式ドキュメントに加えて実環境での確認をおすすめします。






