こんにちは!2026年4月にIT系の専門学校に入学し、絶賛HTMLやPython、基本情報技術者の勉強を始めたばかりの学生です。
今年のGW(ゴールデンウィーク)、ふと「特に予定もないし、暇だな……」と思い立ちました。
私自身、プログラミングは「完全未経験」なのですが、昔からインフラ回りを触るのが大好きで、趣味で自宅にオンプレミス鯖(MinecraftサーバーやWeb、DB)を8台ほど並べてLACPを組んだりして遊ぶインフラオタクでした。
自宅鯖が増えてくると直面するのが、「あれ? 今マイクラ鯖落ちてる?」「DBのレプリケーション止まってない?」という死活管理の問題です。DatadogやUptimeRobotのようなSaaSを使えば簡単ですが、制限があったり、高度な機能は有料だったりします。
そこで考えました。
「最近のAIって凄まじい進化をしてるらしいけど、アイデアと時間と、AIへの多少の課金さえあれば、プログラミング技術がゼロでも自作の監視サービスが作れるんじゃないか?」
この仮説を検証すべく、GWの5日間をフルに使って「死活監視ツール(PulseBoard)」を作ってみることにしました。
結果から言うと、私はコードを1行も書いていません。
すべてAIに指示(プロンプト)を出して構築したのですが、想像を絶するレベルの「ガチ」なサービスが完成してしまいました。
AIが全自動コーディングした「PulseBoard」の全貌
ただの「動くモックアップ」ではありません。自宅のサーバー群を本格的に監視・運用するために、妥協のない仕様を詰め込みました。
- モダンな技術スタック: Next.js 15 (App Router) + Prisma + PostgreSQL
- マルチプロトコル監視: HTTP(S) / TCPポート / PING(ICMP)の自動監視
- パスワードレスの未来へ: WebAuthn(パスキー)による指紋・顔認証ログインを標準搭載
- 柔軟な通知制御: ブラックアウトルール(指定曜日や時間の通知オフ)と、モニターごとの複数メール宛先指定
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インフラオタク歓喜の高可用性(HA):
- ワーカーの Active-Standby 冗長化(1台落ちても数秒で別ワーカーが昇格)
- DB(PostgreSQL)の自動フェイルオーバー設定
これら「SaaSならエンタープライズプランでしか使えないような機能」を、完全初心者がAIの力だけで実装してしまったのです。
開発体制と使ったお金(フル課金AI環境)
「少しのお金」で最強の開発環境を手に入れるため、現在の最高峰のAIツールに課金しました。
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メイン開発(設計&コーディング): GitHub Copilot Pro+ プラン
- 複雑なアーキテクチャ設計や全体俯瞰:Claude 4.7 Opus
- 高速なコーディングと微修正:Claude 4.6 Sonnet
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アイデア出し・壁打ち: Gemini 3.1 Pro
- 「この機能、もっと使いやすくするにはどういうUIがいい?」「次は何を実装すべき?」などのPM(プロダクトマネージャー)的役割を依頼
- インフラ環境: 自宅のマイクラ鯖の残骸(サーバー3台)
- 使ったお金: AIツールへの月額課金(数千円)と、自宅鯖の電気代のみ
プログラミング初心者なので、ひたすら「要件定義」と「AIへのプロンプト(指示)」に徹しました。ここからは、その激動の5日間の記録です。
激動の5日間リアルタイムドキュメント
Day 1:要件定義と、たった1時間の「奇跡」
初日、まずはGemini 3.1 Proに「自宅鯖の監視ツールを作りたい。Next.jsとかモダンな技術を使いたい」と壁打ちし、機能要件とデータベース設計を固めました。
その設計書をコピーし、CopilotのClaude 4.7 Opusに「この要件で、まずはローカルで動くベースを作って」と指示を出しました。
すると、ものすごい勢いでAIがファイル群を生成し始めました。言われるがままにターミナルでコマンドを叩き、ブラウザを開くと……たった1時間で、ローカルネットワーク上でPINGを打ってDBに結果を保存するプロトタイプが動いてしまったのです。
「マジかよ……LAN内で使うだけなら、もうこれで完成じゃん……」
背筋にゾクッと鳥肌が立ちました。AIの進化を一番肌で感じた瞬間です。
Day 2:欲望の肥大化と機能追加
「こんなに簡単にできるなら、もっとすごい機能を入れたい!」
完全に調子に乗った私は、AIに次々と無茶振りをし始めました。
- 「いちいちパスワード打つの面倒だから、スマホの指紋認証でログインできるWebAuthn(パスキー)を入れて」
- 「カッコいいパブリックステータスページ(稼働状況を公開するページ)も作って」
- 「夜中のバッチ処理時間はアラート鳴らしたくないから、ブラックアウトルールを追加して」
Claude 4.6 Sonnetは文句一つ言わず、Next.jsの最新仕様に合わせて爆速でUIとバックエンド処理を書き上げていきました。
Day 3〜4:絶望。バグ特定に3日を溶かす
しかし、複雑な機能をモリモリに追加し始めた結果、ついにシステムが崩壊し始めました。「ログインできなくなった」「ワーカーが重複して2重にPINGを打つ」といったバグが多発。ここからが本当の戦いでした。
コードを書いていない私にとって、最大の壁は「バグの特定と修正指示」です。
最初は「なんかエラー出た!直して!」とだけAIに伝えていました。するとAIは、関係ない正常なファイルまで書き換え始め、システムがさらにメチャクチャになるという負のループに陥りました。
バグ修正だけでGWの貴重な時間を丸2〜3日消費して絶望しました。しかし、途中で「AIが悪いのではなく、私のディレクション(指示)がポンコツなんだ」と気づきました。
そこからは指示の出し方を変えました。
- 事実の提示: 「このファイルの〇行目でこのエラーログが出ている」
- 現状の確認: 「DBへの保存までは成功しているが、画面の描画で落ちている」
- 制約事項: 「認証ロジックのファイル(auth.ts)は絶対に変更しないで」
このように、人間側が論理的に状況を切り分けてAIにパスするようにした途端、AIは百発百中でバグを修正してくれるようになりました。
Day 5:インフラとの融合、そしてデプロイ
最終日は、私のインフラ知識とAIのコードが融合する総仕上げです。
作成したアプリを自宅のオンプレ3台構成のサーバーにデプロイしました。単に動かすだけでなく、「WebアプリのノードAが死んでもノードBで捌ける構成」「ワーカーのPrimaryが落ちたら、Standbyが45秒以内に引き継ぐロジック」「DBの冗長化」など、私が愛するインフラの概念をアプリ側にも組み込みました。
AIが書いた堅牢なロジックと、物理サーバーのHA構成がカチッと噛み合った瞬間、GWの暇つぶしは「本気の運用システム」へと昇華しました。
コードを書かないエンジニアが得た「3つの気づき」
今回のGWを通して、ソフトウェア開発のパラダイムが完全に変わったことを痛感しました。
昔なら、私のような初心者がNext.jsやDBのHA構成を実装しようとしたら、文法や環境構築のエラーに躓いて数ヶ月はかかり、途中で挫折していたはずです。
しかし今は、「アイデア」と「時間」と「数千円のAI課金」さえあれば、あとは『プロンプト』という共通言語でAIが形にしてくれる最高に良い時代になりました。
コードの書き方そのものよりも、これからの時代に必要なのは以下の3つだと感じています。
- 「何を作りたいか」を明確にする要件定義力
- バグ発生時にシステム全体を俯瞰し、問題を切り分ける論理的思考力
- (私の場合は)アプリをどう動かし、どう守るかというインフラの知識
特に3つ目について。コードが誰でも(AIで)書けるようになったからこそ、ネットワークやサーバー構築、データベースの冗長化といった「泥臭いインフラの知識」が、サービスを一段上のレベルに引き上げる強力な武器になると確信しました。
成果物の紹介(PulseBoard & Potato Labs)
今回、AIと格闘しながら5日間で作り上げた「PulseBoard」と、私のインフラ活動やプロジェクトをまとめている「Potato Labs」のリンクを貼っておきます。
もしご興味があれば、ぜひ覗いてみてください!
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PulseBoard
- 🔗 PulseBoard
- AIの力でどこまで実用的なシステムが作れるのか、ぜひ機能やUIを見てみてください!
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Potato-Labs
- 🔗 Potato Labs WEBサイト
- その他のプロジェクトについてまとめています。インフラ好きな方はぜひ!
おわりに
「PulseBoard」はただの暇つぶしで始まりましたが、今では私の自宅鯖群の健康状態を24時間監視する、なくてはならないコアシステムとして稼働しています。
「こんなツールが欲しいけど、自分にはプログラミング技術がないから…」と足踏みしている人がいたら、騙されたと思ってAIツールに数千円だけ課金して、週末にでもPCに向かってみてください。
あなたが想像している以上に、今は「自分の作りたいものを、自分の手で生み出せる」最高の時代になっています!
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