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AWS MediaConvert 高速変換のTips

Last updated at Posted at 2019-11-29

#はじめに

最近、AWS Elemental MediaConvert(以下、MediaConvert)の
高速変換をいろいろ試したので、細かい情報をメモしておきます。

想定読者は、MediaConvertのサービス用途を理解していて、
かつ、MediaConvertを使って動画変換したことがある方になります。

つまり、細かい説明はしていませんので、ご了承ください。

#用語
AWSドキュメントでは、「Accelerated Transcoding」や「高速トランスコード」と記載されていますが、
本記事の中では、**「高速変換」**で統一します。

ちなみに、標準トランスコードは**「通常変換」**と表現しています。

#前提

実行に 10 分以上かかるジョブには、高速トランスコード の使用を検討してください。(※1)

MediaConvertで高速変換を実施する目安ですが、AWSドキュメントに上記の記載がありました。
通常変換で**「10分以上」**かかる場合は、高速変換を検討した方がいいようです。

#設定
高速変換を行う際に、設定変更が必要な箇所を下記に載せておきます。

1. キューの作成

新規にキューを作成する(既に作成済みであれば不要です)。

2.「Start at 0」

「ジョブの作成」の後、次の2ヶ所を Start at 0 に設定する。

ジョブの設定

[ジョブの作成] - [設定] - [タイムコード設定] - [ソース]

➡︎ 「Start at 0」 に設定する。

ScreenShot 2019-11-28 17.44.45.png

###入力

[ジョブの作成] - [入力] - [ビデオセレクタ] - [タイムコードソース]

➡︎ 「Start at 0」 に設定する。

ScreenShot 2019-11-28 17.33.07.png

3. 高速変換の有効化

###ジョブの設定

[設定] - [高速化]

➡︎ 「Enabled (有効) 」 (または 「Preferred (推奨)」 ) を選択する。
※「Preferred (推奨)」については、この後の補足項目で少し説明しています。

ScreenShot 2019-11-28 17.51.39.png

#料金

MediaConvertの使用料金は従量課金制となっており、最低料金はありません。
出力する動画の再生時間 (分) に応じて課金される料金体系になります。

また高速変換の場合は、下記を考慮する必要があります。

高速トランスコード はプロフェッショナル階層の機能です。プロフェッショナル階層の機能を使用する出力の場合、トランスコード出力の毎分の料金は高くなります。(*1)

  • ベーシック階層
  • プロフェッショナル階層

2つの階層があるうちの、高速変換はプロフェッショナル階層の料金として請求されます。
また、請求対象は出力尺のみのため、実行時間を気にする必要はありません。

※MediaConvertの詳細な料金体系の記述はここでは省略。末尾のリンクをご参照ください。(※3)

#制限

入力・出力のコーデック等で高速変換がサポートされていない場合があります。
意外と盲点だったりするので、ご注意ください。

他にもサポート外の機能もあるので、高速変換を検討の際には要確認です。

高速トランスコードでサポートされないトランスコード機能 (※4)
・低速 PAL
・広告表示のブランキング
・モーションイメージ挿入 (モーショングラフィックオーバーレイ)
・補間型フレームレート変換
・VBI パススルー
・タイムコードパススルー
・SEI タイムコード
・タイムコードアンカー
・テレシネ出力
・逆テレシネ出力
・オープン GOP 出力
・埋め込みタイムコードソース
・デフォルトの 0 以外の Min-I 間隔の値
・ESAM
・SCTE-35 パススルー

#補足

2019年10月9日、高速変換に "Preferred (推奨) " モードが追加されました。

これにより、高速トランスコーディングの品質に満たないジョブもエラーになるのではなく、標準トランスコーディングモードにフォールバックされます。トランスコーディングジョブは、何らかの操作をしなくても自動的に再実行されるため、作業の手間が省けます。(*5)

つまり、高速変換を有効にする場合は、下記のような考え方でよいと思います。

・高速変換してエラーになったら、変換をやめる:「Enable」
・高速変換してエラーになったら、通常変換を行う:「Preferred」

#おわりに

MediaConvertの動画変換時間の短縮に繋がる高速変換ですが、
設定方法等分かりにくい部分もあるので、検討の際はまず実際に動かしてみることをオススメします。

#参考

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