はじめに
こんにちは!KIYOラーニング株式会社でQAエンジニアをしている坪根です。
2026年6月26日に開催されたAWS Summit Japan 2026の二日目に参加してきました。今回が私にとってAWS Summit初参加です。
今年のテーマは全体を通して「AIエージェント」と「AI駆動開発」一色だったと言っても過言ではなく、各セッション・ブースでも生成AIをいかに業務に組み込み、組織として使いこなすかという話題が中心でした。
セッション資料については公式ページからご確認ください。
また、当社は2026年7月20日に開催予定のPHPカンファレンス 2026への出展を予定しており、その準備の観点でも、各社がどのようにブースを構え、来場者とコミュニケーションを取っているのか(展示の見せ方・ノベルティ・アンケート導線など)を実際に体感できたことは大きな収穫でした。本記事では、そうした出展者目線での気づきも交えて振り返ります。
本記事は個人の聴講メモをもとに再構成したものです。内容の正確性はセッション資料を優先してください。
参加セッション・ブース一覧(タイムテーブル)
| 時間(JST) | 種別 | タイトル | 会場 |
|---|---|---|---|
| 10:00–11:30 | スペシャルセッション | AIエージェントが変える企業の未来 ─ 構築から運用まで、ビルダーと創る自律型AIの実践 | Hall 8 |
| 12:00–12:30 | セッション | 「勝手に広まる」人気AIエージェントを爆速で作ろう! | Hall 4 / Room 11 |
| 12:30–13:30 | Expoブース | Zscaler / SCSK / Palo Alto Networks | Expo |
| 13:40–14:10 | セッション | ランサム危機を転機にーアスクルが加速させた AI-DLC | Hall 4 / Room 14 |
| 14:00–14:30 | Expoブース | Autify(オーティファイ) | Expo |
| 14:30–15:00 | セッション | サイバーエージェントにおけるAI推進戦略と変革への取り組み | Hall 4 / Room 11 |
| 16:10–16:40 | スポンサーセッション | 「使う」から「共に働く」へ -Claude最新動向- (sponsored by Anthropic) | Hall 6 / Room 7 |
セッションレポート
1. AIエージェントが変える企業の未来 ─ 構築から運用まで、ビルダーと創る自律型AIの実践
スペシャルセッション(Hall 8)
AIエージェントが企業の業務をどう変えていくのか、その全体像を掴むイントロダクションとして良い内容でした。
AIを開発プロセスの中心的な協力者に位置付ける「AI-DLC(AI Development Life Cycle)」を取り入れることで、ローンチまでの期間を53.6%短縮し、開発工数を68.5%削減したことが共有されました。
2. 「勝手に広まる」人気AIエージェントを爆速で作ろう!
セッション(Hall 4 / Room 11)
社内で「勝手に広まる」=自然と使われるAIエージェントをどう作るか、というテーマ。
最も印象に残ったのは、「便利な機能を作る」より「具体的なユースケースを示して使ってもらう導線を作る」ことが普及の鍵という指摘です。実際に公開されたエージェントのユースケースとして、以下が紹介されました。
- 最新技術のキャッチアップを容易にする:AIエージェントに英語の技術資料を日本語のパワポに変換させる
- 「あとで読む」を減らす:リーディングリストに溜め込むのではなく、AIエージェントに要約・処理させて積み残しを減らす
3. ランサム危機を転機にーアスクルが加速させた AI-DLC
セッション(Hall 4 / Room 14)
ランサムウェア被害という危機を、AI駆動開発(AI-DLC)への転換契機にした事例。
危機の経緯
- 当時はランサムウェアへの備えに課題があった
- サービスが当日に停止
- 国内に複数ある物流拠点のすべての現場機器の詳細な仕様管理ができておらず、復旧に108日を要した
復旧から組織変革へ
- AI-DLCを組織導入:開発期間を50%短縮、商品掲載スピードを従来の2倍に
- 事業部システムで合宿形式の開発を実施
- メルマガなどでクイックに開発を回す体制へ
- ビジネスサイドと「ともに開発」することで、開発者のビジネス理解が深まった
危機をきっかけに開発文化そのものを変えていった、という骨太なストーリーでした。
4. サイバーエージェントにおけるAI推進戦略と変革への取り組み
セッション(Hall 4 / Room 11)
全社的にAIをどう推進していくか、という組織戦略のセッション。
- AIリスキリングを全社で推進
- AI活用を前提に、評価制度・ロールを再定義
- スキルを7段階で「番付」化し、可視化
- 社内ハッカソンイベント:選抜メンバーで2日間。短期決戦のため、夜間にいかにAIに仕事をさせるかが勝負どころ
- AIの成果物は最終的に人がレビューする体制。ただしレビューがボトルネックにならないよう、負荷の高いレビューと低いレビューを切り分ける仕組みを導入
「人事制度・評価」までAI前提で組み替えている点が先進的で、ツール導入だけでは終わらせない本気度を感じました。
5. 「使う」から「共に働く」へ -Claude最新動向- (sponsored by Anthropic)
スポンサーセッション(Hall 6 / Room 7)
Anthropic提供のClaude最新動向セッション。AIを単なる「ツールとして使う」段階から、「共に働く(協働する)」パートナーへと位置づけが変化している、というメッセージが軸でした。
AIによる長時間タスクの自律実行時間は12時間以上へ成長しており、これまで以上にAIに仕事を任せられる環境になっていることが分かりました。
Expoブース レポート
Zscaler / SCSK / Palo Alto Networks(12:30–13:30)
- Zscaler:AIエージェント活用に関するミニセッションに参加。アンケート回答でガチャに挑戦し、折り畳み傘をいただきました。
- SCSK:受託開発のサービスについて説明を受けました。
- Palo Alto Networks:セキュアブラウザについて説明を受けました。アンケート回答でコインケースをいただきました。
Autify(オーティファイ)(14:00–14:30)
QAエンジニアとして特に注目したブース。AIを活用したテスト自動化ツールAutify Nexusについて説明を受けました。
- ユーザー自身が利用中のAIサービスを組み込んで使える(Claude対応)
- Playwrightベースで、テストケースのインポート/エクスポートに対応
Playwright連携やClaude対応など、既存のテスト資産と生成AIをどう橋渡しするかという観点で実用性が高そうでした。一方、当社で利用中のテスト自動化ツールから移行する場合は、テストケースの移行コストや利用料金がネックになりそうだと感じました。(Autifyロゴのステッカーをいただきました)
出展者目線での気づき(PHPカンファレンス 2026出展に向けて)
冒頭でも触れたとおり、当社はPHPカンファレンス 2026への出展を予定しています。今回は「来場者」として各社ブースを回りましたが、出展準備の参考になる点が多々ありました。
- アンケート導線とノベルティ:Zscalerのガチャ、Palo Alto Networksのコインケースなど、「アンケート回答 → ノベルティ」の流れが自然に組み込まれており、来場者が立ち止まる・話を聞く動機づけになっていた。
- ミニセッション×ブースの組み合わせ:ブース併設のミニセッションで足を止めてもらい、そこから個別説明につなげる流れが効果的だった。
- 手元に残る配布物:SCSKの「しっかりした透明ファイルに入った資料」のように、その場で渡しながら説明でき、かつ捨てられにくい配布物の作り方が参考になった。
- 一言で伝わる訴求:人通りの多い会場では、ブース前を通る数秒で「何の会社か/何ができるか」が伝わる見せ方が重要だと実感した。
これらは、そのまま自社ブース設計に活かせそうです。
まとめ・所感
今年のAWS Summitを通して感じたのは、生成AIが「試す」フェーズから「組織の仕組みに組み込む」フェーズへ移行しているということです。
- アスクル:危機をAI駆動開発への転換点に
- サイバーエージェント:評価制度・ロールまでAI前提で再設計
- Anthropic(Claude):「使う」から「共に働く」へ
いずれも共通して、「便利なAIツールを導入する」だけでなく、人・組織・プロセスをどう変えるかという話に踏み込んでいたのが印象的でした。
QAの視点では、Autifyに代表されるテスト自動化×生成AIの進化が著しく、テスト設計・実行のあり方も今後大きく変わっていくと感じた一日でした。
そして今回はAWS Summit初参加でしたが、セッションの学びだけでなく、出展者としての各社ブースの見せ方まで含めて多くの刺激を受けました。今後予定しているPHPカンファレンス 2026への出展に、ここで得た気づきをしっかり活かしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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