「Javaエコシステムの現状」レポートとは?
「Javaエコシステムの現状(State of the Java Ecosystem Report)」レポートは、ITシステムにおけるJavaの利用状況についての調査結果をまとめたもので、New Relicが概ね年次で公開しているものです。日本を含む全世界のJavaの利用に関するトレンドが把握できるものになっています。
2022年, 2023年もレポートが公開されていますが、なんと2024年のレポートはユーザー登録なく見ることができます!
今回は、2024年のJavaエコシステムの現状から読み取れる動向についてざっくり解説していきます!! 詳細はレポート本体👇をご覧ください。
※なお、本レポートのデータはNew RelicのエージェントをJavaのアプリケーションに導入している環境に関するものであり、すべてのシステムを対象にしているわけではありません。
Java 17/21の割合が増加、新しいバージョンほど導入スピードが早い
下図は年別のJavaバージョンごとの導入割合ですが、2023年はまだJava11の割合が大きかったものの、2024年はJava 17(約35%)が最も多く、21も増えてきています。
過去のバージョンに比べて新しいバージョンは採用スピードが早いようです。
現在、約35%のアプリケーションで利用されているJava 17は、1年間で約300%の成長率で導入が伸びましたが、Java 11がそこまで導入されるまでには何年もかかりました。
また、Java 21はリリース後6ヶ月の利用率は1.7%とまだ低いものの、Java 17の時は同じ期間で0.37%だったので、新しいバージョンへの移行のスピードが早まっていることが伺えます。
構築やアップデートのしやすいコンテナのような技術を使っているところほど、新しいバージョンを利用している/利用しやすい傾向があり、それが導入スピードを加速する要因になっているということが言えるかもしれません。
平均的な割り当てコア数は減少傾向
下図はJavaのアプリケーションに割り当てられているプロセッサ(コア)数を表しているものですが、若干ではあるものの、コア数の割り当てが全体的に少なくなっている傾向がみられます。
これはクラウド移行やリアーキテクト、マイクロサービス化などによって、大量のコアを必要とするモノリシックで重厚長大なアプリケーションの割合が減り、コンテナで動く軽量のマイクロサービスが増加傾向にあるということが言えるかもしれません。
最も多く使われているログライブラリはLog4j
下図はアプリケーションが利用しているログライブラリの割合です。かなりのアプリケーションでLog4jが使われていることが伺えます。なるほど。
まとめ
今回は2024年度版の「Javaエコシステムの現状」からいくつかのトピックを抜粋してご紹介しました。よく利用されているJavaのバージョンや関連ライブラリが何か、またそれを後押しする市場動向・技術動向との関係が透けて見えるのは非常に興味深いです。Javaを利用されている方は自社の環境と比較してみると面白いかもしれません。
「Javaエコシステムの現状」レポート本体には今回ご紹介したもの以外に以下のようなトピックが含まれています。是非ご覧ください。
- よく利用されているJDK
- よく利用されているGC
- よく利用されている暗号化用ライブラリ
- よく利用されているDBMS
- アプリケーションに割り当てられるメモリ量の分布
- Javaアプリケーションの観測に関するFAQ
来年のJavaエコシステムはどのような変化が起きているでしょうか。ではまた来年👋
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