本記事は YouTube でも限定配信されていたイベントアーカイブ動画の内容を、字幕をもとに要約・紹介するものです。自動生成字幕ベースのため、固有名詞等に誤りが含まれる可能性があります。
1. オープニングキーノート(Claude Platform エンジニアリング責任者)
- イベント数時間前に Claude Fable 5 / Mythos 5 をリリースしたことを発表
- Anthropic は「プラットフォーム企業」であり、開発者がその上で生み出す価値こそが本質という立場を強調。プラットフォームの API ボリュームは 前年比で約17倍に成長
- 日本・APAC の事例として、楽天(社内エージェントを部門横断で展開し、リリースサイクルが四半期に1回→2週間に1回へ)、Canva(Canva Code により非エンジニアでもデザイン内にインタラクティブなミニアプリを生成可能に)を紹介
- モデルの進化の振り返り:1年前は「Opus 4 が機能を丸ごと実装できる」ことが驚きだった。半年前にはエージェントが夜通し自律タスクを完遂。2か月前には Mythos が OpenBSD のソースツリー全体を読み、27年間見過ごされてきた脆弱性を発見
2. Fable 5 / Mythos 5 の詳細(リサーチプロダクト担当)
新モデルの特徴:
- コーディング: SWE-bench Pro で最高スコア。タスクが長く複雑になるほど他モデルとの差が開く
- 単発の正確性(single-shot correctness): 複雑だが仕様が明確な問題なら一発で解く。「チーム数週間分の仕事が1プロンプトで」という早期テスターの声も
- 長時間の自律性(long-horizon autonomy): 単一ゴールに対して数日間走り続けても一貫性を保つ。数百万トークンに及ぶタスクでも仕様を記憶し、サブエージェントの管理もコスト意識を持って行える
- コードを読む力: 書くだけでなく読む方がさらに得意。障害対応やリポジトリ履歴の調査に強い
- ビジョン(画像理解): 技術系の図表・チャート・Web アプリ画面の読み取りが業界最高水準
安全性とのトレードオフ
サイバーセキュリティ・生物・化学分野での悪用リスクが高いため、Mythos はこれまで少数パートナー限定(Project Glasswing)で提供されていました。Fable 5 では新しいセーフガードシステムを導入:該当トピックに触れるリクエストは Opus 4.8 に自動ルーティングされ(料金も Opus 価格)、これにより最高性能モデルの一般提供を実現。Mythos 5(同一モデルからセーフガードを外したもの)は引き続き承認パートナー限定です。
開発者へのアドバイス
- 「次のモデル」を前提に設計する: 勝つのは、次の知能ジャンプを吸収できるアーキテクチャを持つ開発者
- モデルが賢くなるほど、複雑なハーネスよりファイルシステムやサンドボックスのような基本的なプリミティブの方が活きる
- まだ動かないプロトタイプもあえて作っておく。「動かなかったものが動き始めた瞬間」が exponential の動きを知るシグナル
- モデルアップグレードを楽にする(自動評価・テストプロセス)ことがビジネス機会になる
3. Claude Managed Agents(プラットフォームプロダクト担当)
エージェントを本番運用するための3要素「ハーネス・コンテキスト・インフラ」をパッケージ化したのが Claude Managed Agents。
- ハーネス: 「脳と手の分離」— モデルが判断し、サンドボックスが実行。アウトカム(成果基準)を指定すると達成まで反復
- コンテキスト: 100万トークンのコンテキストウィンドウ、メモリ、エージェント自身によるスキルの読み書き、そして過去のセッションを振り返って自己改善する「ドリーミング」
- インフラ: サンドボックスの自動スケールとエージェントフリートの生成
この日発表された新機能は2つ:
- スケジュールデプロイメント: cron 的にエージェントの定期実行を設定可能
- 環境変数 Vault: エージェントにシークレットの実値を見せずに認証付き API を呼ばせる仕組み(コンテナ内はプレースホルダで、ネットワークリクエスト時に実値を注入)
導入事例として Notion(プロダクト内のエージェントオーケストレーション)、Asana(AI チームメイト)を紹介。デモでは F1 チームを題材に、空力・タイヤ温度・パワーユニット・ドライバー安全の4つのリサーチエージェントが車両改善を分析するダッシュボードを披露しました。
4. Claude Code 最新情報(Claude Code プロダクト責任者 + Applied AI チーム)
平均的な開発者が 週20時間 Claude Code を使うようになっており、Anthropic 社内ではエンジニア1人あたりのコード出荷量が 8倍に。社内コードの 80%以上が Claude によってマージされているとのこと。
主なアップデート:
- Agent View: すべてのセッションを一覧し「入力待ち/実行中/完了」を俯瞰。1セッションの babysitting から「フリート全体の操縦」へ
- Dynamic Workflows(GA): 大規模リファクタや移行などで、Claude がオーケストレーションスクリプトを書き数十〜数百のサブエージェントを並列実行。トリガーキーワードは「ultra code」に変更。デモでは Web サイトの12言語ローカライズを1プロンプトで並列実行
- Auto Mode: 分類器がツール呼び出しの安全性を判定し、安全なら自動許可・危険ならブロックする新しいパーミッションモード
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Worktrees:
--worktree/-wで git worktree を使った並列セッションの衝突回避を簡単に - Automemory: ビルドコマンドやデバッグの知見をセッションを跨いで自動蓄積
- Remote Control: ローカルセッションをスマホやブラウザから引き継ぎ操作
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フルスクリーン TUI: ターミナルのチラつき(flickering)を解消する新レンダリング。
/tui full screenで有効化、音声入力(/voice)も - Code Review / ultra review: 観点別のエージェントチームが PR をレビューし、検証パスで指摘の妥当性を確認
- Routines: cron・GitHub Webhook・API をトリガーに Claude Code を自動起動(Issue トリアージ→Slack ダイジェスト等)
- Claude Security: コードベースを夜間スキャンし脆弱性をフラグ
事例:Spotify は移行計画を平文で読むバックグラウンドエージェントで数千リポジトリを移行し(月1000以上の PR をマージ、移行時間90%削減)、メルカリはエンジニアリング組織全体で利用しアウトプット前年比+90%。
5. Canva に学ぶ「数千万ユーザー規模のエージェント運用」
Canva の AI プロダクト責任者 Danny Wu 氏による、Canva AI 2.0 構築の教訓。個人的にこのセッションが一番実践的でした。
- ワンショット品質がすべてではない: デザインは主観的で、平均的な Canva デザインは公開前に約110回編集される。「完成品を出すエージェント」より「一緒に作るコラボレーター」を志向。レイテンシは品質指標以上に満足度と相関
- ハーネスは使い捨て: 「今日の賢いハーネスは明日のデッドコード」。Canva は3年間でハーネスを3回フルリライト。ただしE2E の eval は使い捨てではなく資産
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コスト管理:
- トークンバジェットを設定しモデル自身に配分を任せる(advisory なのでハードリミットはシステム側でも実装)
- モデルルーティングは「プロンプト毎にモデルを切替」だとキャッシュが無効化されて逆効果 → メインエージェント(Sonnet)+ サブエージェント(Opus/Haiku)委譲方式に変更し、キャッシュヒット率80〜90%を維持しつつコスト半減
- 社内 UI にコストを常時表示し、コスト意識のある文化を作る
- ユーザーフィードバック: 画像アップスケーラーの不評フィードバック数百件をそのまま eval に追加し、v2 で改善して解決
6. キャパビリティカーブ — モデルの進化にどう備えるか(リサーチPM)
- SWE-bench Verified は Sonnet 3.7 の62%から Opus 4.8 の88%へ 12か月で26ポイント向上し、Mythos/Fable では飽和
- 知能向上が現れている3領域:
- Plan before acting: 実行前に仕様を考えるようになり、結果的にツール呼び出しもコード量も減って速く安くなる
- エラーリカバリ: 同じ失敗を繰り返す「ドゥームループ」が減り、フィードバックを受けてアプローチを変えられる
- ロングホライズン: 100万トークン程度まで一貫性を維持。コンテキストの細かいチャンク管理が不要に
- 実践アドバイス:evalを作り、飽和したら更新する / スキャフォールディングを削る(過去モデルの失敗対策として足したプロンプトが新モデルでは害になる例:古い引用フォーマット指示に新モデルが忠実に従ってしまった)/ モデルに作業の余地を与える(adaptive thinking・エフォートダイヤル・検証ツールでループを閉じる)
7. エージェントを「安く・確実に」本番運用する技術(プラットフォームPM + APIエンジニア)
終盤の実践セッション。デモを交えつつ4つの技術を解説:
- プロンプトキャッシング: 本セッション最重要ポイント。キャッシュヒットは90%割引、高速化、レート制限にもカウントされない。エージェントならヒット率80%以上を目指すべき。コンソールに新しいキャッシュヒット率ダッシュボードが追加。Claude Code の「Claude API スキル」に「improve my cache hit rate」と頼むだけでも改善可能
- Tool Search Tool: 100個以上のツール定義をコンテキストに事前ロードせず、必要時に検索してロード。Lovable はこれだけでトークン使用量10%削減+判断品質も向上
- Programmatic Tool Calling: 大量データを返すツールに対し、モデルがコードを書いて必要な数%だけを抽出しコンテキストに入れる
- コンパクション: 閾値(例: 400K)に達したら実行を一時停止し、別モデルがトランスクリプトを要約してコンテキストをクリアし再開
さらに「アドバイザー戦略」: Haiku/Sonnet などの安価なモデルにツール呼び出しを任せ、深い推論が必要な場面だけ Opus/Fable に相談させる。「ジュニアエンジニアにシニアエンジニアへの質問権を与える」イメージで、コストを抑えつつ判断品質を維持。
そのほか 2026 年のプラットフォーム新機能として、API キー不要化の Workload Identity Federation (WIF) や、Fable 5 のセーフティ分類器によるブロック時に他モデルへ自動フォールバックする モデルフォールバック機能も紹介されました。
8. 日本企業セッション
午後には日本語でのセッションも多数ありました(本記事のベースである英語自動字幕では正確に追えないため、タイトル紹介に留めます):
- 楽天: AI 化戦略「AIzation」と Managed Agents 活用。ファイヤーサイドチャットでは、メモリとドリーミングにより初期に抱えていた問題の90%をエージェント自身が解消し、トークン効率・レイテンシ・コストが大幅改善したと語られました。定期レポーティング業務をスケジュールデプロイメントに移行
- みずほ: デジタル戦略・AI オリエンテッドなアーキテクチャ
- NRI: エンタープライズでの AI 活用
- Anthropic 日本コミュニティリードによるコミュニティ紹介
まとめ
- モデルの進化は指数関数的、ビジネスの適応は線形 — そのギャップを埋めるのが開発者の機会
- 「今のモデル」ではなく「次のモデル」のために設計する — ハーネスは薄く使い捨てに、eval は厚く資産に
- エージェントの主戦場は知能からインフラへ — コンテキストエンジニアリング、キャッシング、コスト管理、セキュアな実行環境が本番運用の決め手