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バイブコーディングでハメられる人がやっていること5つ

Last updated at Posted at 2025-09-27

はじめに

先日参加したハッカソンで、チームメンバーがバイブコーディングにハメられているのを見て、これは記事にしなければと思った。Claude CodeやCursorなどのコーディングエージェントが普及し、誰でもそれなりのコードが書けるようになったが、逆にハマる人も増えている印象がある。

自分はデータアナリストなので、普段そこまでガッツリコーディングしない。そんな立場だからこそ見えてきた、バイブコーディングでハメられるパターンがある。同じような立場の人の参考になれば幸いだ。

バイブコーディングの典型的な失敗パターン

1. 最小構成でテストしていない

いきなりメイン機能から始める問題

最も多い失敗パターンは、AIの力でいきなり複雑なコードが書けるため、「ダッシュボード作成」や「API連携データ可視化」など、最終目標から始めてしまうことだ。

慣れている分野なら問題ないが、未経験の領域でこれを行うと確実にハマる。結局「Hello World」レベルまで戻ることになるため、最初から段階的に進めるべきである。

推奨する最小構成の3段階

実装時に意識すべき構成は以下の3つ:

  1. printレベルの構成 - 基本動作の確認
  2. フレームワークの最小限の構成 - Flaskなら「Hello World」表示
  3. 実装したい機能の最小構成 - 単一のAPIエンドポイントテストなど

バイブコーディングでは3から始められるが、1から順番に進めないと特に新技術では必ずハマる。

技術理解を深めることが本当の目的

コードを動かすことが目的ではなく、技術理解を深めることが真の目的である。理解が不十分だと、複雑なコードでエラーが発生した際に原因特定が困難になり、「修正して」の無限ループに陥ってしまう。

2. コンテキスト不足による指示出し

要件整理前のコード作成

よく見るパターンは、「とりあえずコード作成後、動かしながら考える」アプローチで始め、「これじゃない」「こう変更して」と延々と修正指示を繰り返すことだ。

気持ちは理解できるが、結果的に時間がかかり、自分もLLMも混乱する状態になる。

Claude Codeのplanモードの活用

Claude Codeにはplanモードがあるが、使用していない人が多い。実装前に「こういう構成で進めます」と提案してくれるため、そこで方向性を修正できる。コード作成後に直すより圧倒的に効率が良い。

要件の事前整理

要件をしっかり整理してから指示を出すのは当たり前のことだが、実践できている人は意外に少ない。後でハマるのは自分なので、最初に丁寧に準備した方が良い。

3. (仮説を立てずに)修正してください

エラー発生時の即座な修正依頼

エラーメッセージが出た瞬間、内容を読まずに「修正してください」と言ってしまうパターンは非常に多い。これを行うと、完全にClaudeの操り人形になってしまう。

長期的な技術成長への影響

「修正して」を連発すると、自分で問題解決する能力が育たない。エラーメッセージの読み方やデバッグ方法も身につかないため、長期的な成長を阻害する。

「状況を教えてください」と聞けば、現在起きていることを整理してくれる。それを理解してから修正方針を決める方が、長期的に見て効果的だ。

仮説立てる習慣の重要性

エラーが出たら、まず「なぜこれが起きたのか?」を考える習慣をつけるべきだ。

  • ライブラリのバージョン違い
  • 環境変数の未設定
  • APIキーの間違い

このような仮説を立ててから、「この仮説は正しいですか?」と確認する。そうすることで技術理解が深まり、同様のエラーに遭遇した際に自己解決できるようになる。

4. テストコードを書かない

Web エンジニア以外の開発者によくある問題

データアナリストやプロダクトマネージャーなど、普段Webアプリケーション開発を行わない人が開発すると、テストコードを書かずに直接デプロイしてしまうことが多い。そして本番環境でデバッグを行っている。これは非常に危険で効率も悪い。

開発フローの比較

簡単なテストから始める

複雑なテストフレームワークを使う必要はない。最初は簡単なもので充分だ:

def test_basic_function():
    result = my_function(test_data)
    print(f"Expected: 100, Got: {result}")
    assert result == 100, "テスト失敗!"

test_basic_function()

これだけでも、本番でバグが発生するリスクを大幅に減らせる。

ローカル環境での完結

本番環境は聖域として扱うべきだ。ローカルで動作するものを作成し、テストを行い、問題ないと確信してからデプロイする。バイブコーディングでは「とりあえず動いたからデプロイ」となりがちだが、これは避けるべきである。

5. ゴミ拾いしない

プロジェクトファイルの散乱問題

地味だが効果的な問題として、プロジェクトのルートディレクトリに不要なファイルが散乱している状態でエージェントと対話することがある。

  • test.py
  • backup_old.py
  • tmp_script.py
  • debug_20240315.py

このようなファイルがあると、エージェントもそれを参照してしまい、混乱の原因となる。

クリーンな環境の維持

定期的にファイル整理を行う習慣をつけるべきだ。使わないファイルは削除するか、別フォルダに移動する。

project/
├── src/           # メインのコード
├── tests/         # テストコード
├── docs/          # ドキュメント
└── archive/       # 使わないが念のため残すもの

このように整理しておくと、エージェントも迷わず、自分も作業しやすくなる。

.gitignoreの設定

一時的なファイルや環境固有のファイルは、最初から.gitignoreに追加しておく。基本中の基本だが、忘れがちな作業だ。

まとめ

結局のところ、自分の能力以上のことはできない。AIがどれだけ優秀でも、それを使いこなすのは人間である。基本的な開発プロセスを理解していないと、どんなに優秀なエージェントを使っても結局ハマってしまう。

特にデータアナリストのように、普段コーディングメインではない人は、基礎をしっかり押さえた方が良い。面倒に感じるかもしれないが、長期的に見ると絶対にその方が効率的だ。

バイブコーディングは確かに便利で、可能性を広げてくれる。
しかしそれに溺れることなく、基本を大切にしていきたい。
同じような経験をした方は、ぜひコメントで共有してほしい。
一緒に改善していこう。

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