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はじめに

「自分の記事、どうやったら伸びるんだろう」——Qiitaを書いていると一度は気になりますよね。私はこれを肌感で語るのがイヤで、データで殴ってみることにしました。Qiita APIで記事を集め、ClickHouseに放り込んで、いろんな角度から「伸びる記事の条件」を集計しています。

最初に大事なことを書いておきます。
この記事は、Qiitaの記事 約7.7万件 を集計して見えた 「全体的な傾向」 の話です。個々の記事が伸びるかは中身もタイミングも運も絡むので、エンタメ半分 で読んでください。
そして先にネタバレすると、この記事の結論は ――「で、結局この手の数字を気にするより、読み手のためになる記事を書け」です。

「伸びた」の定義
いいね数は典型的なべき分布で、成熟記事でも半分以上が0〜1いいね。中央値で見ると全部潰れて差が出ません。そこでこの記事では「いいねが10以上ついた割合=ヒット率」(全体で8.2%)を物差しにします。対象は投稿3か月以上の成熟記事 39,222件。各グラフの点線が全体平均8.2%です。

では、10の疑問を1つずつ見ていきます。

疑問1:記事は長く書くほど伸びる?簡潔な方が得?

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1,000字未満は1.6%とほぼ全滅。3,000字を超えると一気に1割に届きます。長いほど効きますが、6,000字以降は頭打ちです。

仮説:文字数そのものに価値があるというより、長さは「書くことがある=中身が濃い」ことの代理指標。6,000字で頭打ちなのがその証拠です。狙うなら「薄めずに3,000字書ける題材を選ぶこと」。

疑問2:タグは何個つけるのが正解?

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きれいな右肩上がりで、上限の5個まで付けた記事が最も伸びています(1個の2.5倍)。

仮説:タグは記事の入り口。多いほどフィードやタグ一覧からの流入経路が増えます。5個まで丁寧に付ける人は記事自体も作り込む傾向もありそう。迷わず5個埋めるのが合理的です。

疑問3:見出しで構造化された記事は伸びる?

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見出しがほぼ無い記事(0〜4個)は壊滅的。5個を境に跳ね上がります。

仮説:見出しの数は「章立てされ、整理されているか」の代理。読者は流し読みで構造を掴むので、見出しゼロは離脱されます。

疑問4:タイトルに絵文字を入れると伸びる?

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絵文字を使う人は全体の約1.6%と少数派ですが、ヒット率は4割ほど高い。

仮説:絵文字そのものの魔力というより、タイトルの見せ方まで気を配る人=記事全体の演出も上手い、という相関と見るのが自然(母数633と小さい点も留保)。

疑問5:「初心者向け」「入門」と銘打つと本当に伸びる?

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効果は「ある。ただし小さい」。+1.4ポイントです。

仮説:入門系は読者の母数が大きく外れも少ないが、競合も多いレッドオーシャン。爆発というより手堅い底上げです。

疑問6:記事を更新(リライト)すると伸びる?

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更新された記事はヒット率2.5倍。差は大きい。でも——

仮説ここは因果が逆の可能性が高いです。「更新したから伸びた」のではなく「伸びた(手応えのある)記事だから手をかけて更新し続ける」。施策として真似ても、たぶん伸びません。

疑問7:コメントが付く記事は伸びる?

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コメントが付くほど、いいねは桁で跳ね上がります(4件以上で平均111いいね)。

仮説:これも因果はほぼ逆。「コメントしたくなる記事だから伸びた」「露出した結果コメントもいいねも増えた」が実態。ただ、議論や質問を誘発する記事(賛否ある主張、ハマりどころ)が伸びやすい、とは言えます。

疑問8:ストックされやすい(保存される)のはどんなジャンル?

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いいね(共感)ではなくストック(保存)に注目すると、環境構築・AIコーディング・学習リファレンス系が上位に来ます。

仮説:これらは「読んで終わり」ではなく「作業するとき手順を見返す」記事。だからその場のいいねより、保存(ストック)が相対的に多い。手順・設定系は、いいね控えめでも長く効くタイプです。賞の選考はストックも見るので狙い目。

疑問9:多作な人と寡作な人、どっちが伸びる?

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意外にも、寡作な人(5本未満)のほうがヒット率は高い。多作(100本以上)はむしろ最低水準です。

仮説:2つの見方があります。(1)「渾身の1本がバズって満足した人」が寡作層に多い生存バイアス。(2)100本以上書く人は日々のメモ的な軽い記事が増え、1本の密度が下がる。数を打つより、狙って濃い1本。ただし"当たった人だけが見えている"点には注意。

疑問10:参考リンクを多く貼る記事は伸びる?

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これも単調増加。リンクが多いほど伸びます。

仮説:リンクの数は「調べて書いた=裏取りされた記事」のサイン。出典付きは信頼され、ストックもされやすい。本文長・見出しと同じ「作り込みの総合力」の一側面です。

結論:で、結局どうすればいいの?

身も蓋もないのですが、この記事の結論はこうです。本当に大切なのは、こういう分析結果を見て小手先のテクニックで記事を書くことじゃない。読み手にとってためになる記事を書くこと。それに尽きます。

データはあくまで答え合わせです。「画像を6枚」「見出しを20個」と逆算して書いた記事は、たぶん読み手にバレます。順番が逆で、読み手のことを考えて丁寧に書いた結果、自然と長くなり、構造化され、図も出典も増える。今回のデータは、それを後ろから裏付けただけでした。

データで殴った結論が「読み手のために、当たり前のことを丁寧にやれ」だったの、私はけっこう気に入っています。近道は、なかった。

おわりに

ここで挙げた数字は全部、ClickHouseに7.7万件を入れて集計したものです。
詳しい手順は下記で解説しています。

あなたが最近書いた記事は、どのグループに当てはまっていましたか?
もし「作り込み」に手を抜いていたら、次の1本でこっそり試して、結果を教えてもらえたら嬉しいです。

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