はじめに
ゲーム開発初心者の私が、AIを活用してゲームのプロトタイプを制作し、itch.ioへ公開しました。
今回制作したゲームは、Wheelchair Gymkhanaです。
この記事の内容は、完成版ゲームの開発記録ではなく、なぜこれを作ろうと思ったかを書きなぐります。
私が書きなぐった文章をChatGPTに添削させています。AI臭い文章なのはそのせいです。
作ったもの
Wheelchair Gymkhanaは、左右の車輪を個別に操作して、コーンが配置されたコースを走るタイムアタックゲームです。
といっても、プロトタイプなので車いすではなく四角い箱を動かしています。きっといつか車いすのグラフィックに入れ替えます。いつかやります。
一般的なレースゲームとは異なり、左車輪と右車輪にそれぞれ前進・後退の操作を割り当てています。

緑色の壁がチェックポイントです。スラロームでチェックポイントを通過していきます。すべてのチェックポイントを順番に通過し、ゴールまでたどり着いたら終わりです。
操作方法は下記となるので、ぜひ遊んでみてください。操作感を教えていただけると嬉しいです。
操作方法
| 操作 | キー |
|---|---|
| 左車輪を前進 | F |
| 左車輪を後退 | D |
| 右車輪を前進 | J |
| 右車輪を後退 | K |
| 一人称・三人称カメラ切り替え | C |
| リスタート | R |
| ポーズ | Esc |
| チェックポイント表示切り替え | V |
基本的にFとDキーを押して進みます。Vを押すとチェックポイントが表示されるので、それを順番に通って奥のゴールを目指してください。
Cキーで視点を切り替えることができます。
操作感だけを体感する簡単なゲームになっています。
なぜこのゲームを作ろうと思ったのか
スポーツ用車いすに初めて乗った
皆さんは、スポーツ用車いすに乗ったことがあるでしょうか。
私は大学院のグループワークをきっかけに、車いすバスケットボールの天皇杯を観戦する機会がありました。会場には競技用車いすを体験できる場所があり、そこで初めてスポーツ用車いすに乗りました。
私はこれまで、MT車、バイク、ロードバイクなど、さまざまな乗り物を運転してきました。それでも、スポーツ用車いすに乗ったときの感覚は、それらとはまったく異なるものでした。
左右の車輪を別々に動かすことで、その場で鋭く方向転換できる。少し力を加えるだけで素早く加速し、旋回すると身体に遠心力がかかる。ロードバイクやバイクでは「手足のように操る」と表現されることがありますが、スポーツ用車いすには、身体の動きがそのまま機体へ伝わるような、さらに直接的な操作感がありました。
思うように動かせなかった
もちろん、初めて乗った私は思うように操作できませんでした。まっすぐ進むことも、狙った方向へ曲がることも簡単ではありません。少し左右の力加減が違うだけで、予想していなかった方向へ進んでしまいます。
一方で、実際の試合では、選手たちがその車いすを自在に操り、コート上を縦横無尽に駆け回っていました。急加速、急停止、旋回を繰り返しながら、ボールを追い、相手をかわしていく姿を見て、
こんなに面白い乗り物があるのか
と強く感動しました。
自分では思うように動かせなかったからこそ、選手たちの操作技術の高さも実感できました。
なぜ、もっと身近に体験できないのか
そして同時に、これほど面白い乗り物を体験する機会が、なぜもっと身近にないのだろうとも思いました。
スポーツ用車いすは、競技者や車いす利用者のための特別な道具として見られることが多く、競技施設や体験会など、実際に乗れる場所も限られています。そのため、車いすを普段利用していない人にとっては、存在を知っていても、自分が乗って楽しむものとして考える機会はほとんどありません。
しかし、実際に乗ってみると、スポーツ用車いすは単なる移動手段ではありませんでした。左右の車輪を自分の手で操作し、身体全体を使って加速や旋回を行う、ひとつのスポーツ用具であり、魅力的な乗り物でもあります。
車いすを、もっと多くの人が楽しめるものにしたい
ロードバイクが、もともとは移動手段でありながら、多くの人にスポーツや趣味として楽しまれているように、スポーツ用車いすも、障害の有無にかかわらず楽しめる乗り物として広がる可能性があるのではないかと考えました。
車いすを普段利用していない人にも体験する人が増えれば、競技や製品への関心が高まり、スポーツ用車いすを楽しめる場所や機会が増えるかもしれません。利用者や競技人口の裾野が広がることで、将来的には製品の選択肢や入手しやすさにも良い影響が生まれる可能性があります。
とはいえ、実際にスポーツ用車いすを購入し、体験会やワークショップを開催するには、資金、場所、安全管理、人とのつながりなど、多くの準備が必要です。
今の私には、それらをすぐに実行できるだけの資金や人脈はありません。
そこで考えたのが、まずゲームとして体験を届けることでした。
ゲームなら、体験の入口を作れる
実物の車いすとは当然異なりますが、左右の車輪を別々に動かし、その力加減によって前進や旋回を行うという特徴は、ゲームでも表現できます。
ゲームであれば、スポーツ用車いすに触れたことがない人にも、操作の難しさや独特の機動性を気軽に体験してもらえます。さらに、ブラウザ上で遊べる形にすれば、専用機材や特別な施設がなくても、多くの人に届けられます。
このゲームを遊んだ人が、
車いすは、こんな動きができるのか
実際のスポーツ用車いすにも乗ってみたい
と少しでも感じてくれれば、ゲームを作る意味があると思いました。
ターゲットは非車いす利用者
このゲームが主に想定しているのは、普段車いすを利用していない人です。特に、私のように車やバイク、ロードバイクなどの乗り物が好きな人に、スポーツ用車いすの独特な操作感や機動性を知ってもらいたいと考えています。
車いす利用者だけを対象にするのではなく、これまで車いすを「自分とは関係のないもの」と捉えていた人にも届けることで、より多くの人が楽しめるコンテンツにしたいと思っています。
私の夢は、障害の有無にかかわらず、誰もが車いすスポーツを楽しめる環境を作ることです。
ただし、この取り組みを「車いす利用者を支援するための活動」として、きれいにまとめたいわけではありません。私の出発点にあるのは、もっと単純なものです。
スポーツ用車いすは、乗り物として純粋に面白い。
その面白さを、もっと多くの人に知ってもらいたい。
車いすに対する「特定の人だけが使うもの」「自分には関係のないもの」といった先入観を取り除き、ロードバイクやモータースポーツのように、ひとつの趣味やスポーツとして楽しむ人を増やしたい。そのため、このゲームも福祉や支援を前面に出すのではなく、乗り物を操作する楽しさを中心にした作品を目指しています。
なお、車いす利用者を対象から排除する意図はありません。あくまで、これまで車いすに接点がなかった人を主な入口として想定し、スポーツ用車いすに関心を持つ人の裾野を広げたいという考えです。
任天堂の『Drag x Drive』の後追いではないのか
このゲームのアイデア自体は、2年以上前から持っていました。
しかし当時の私はゲーム開発の技術がなく、アイデアを形にできないまま時間だけが過ぎていました。その間に、任天堂から車いすバスケットボールを題材とした『Drag x Drive』が発表されました。
正直に言うと、そのときはかなりモチベーションが下がりました。
ただ、あらためて整理してみると、私が作りたいものと『Drag x Drive』は同じ「車いす」を題材にしていても、目指している体験は異なります。
私は車いすを操作する楽しさを体験するゲームを作りたかったからです。
今回の目標
今回の目標は、完成度の高いゲームを作ることではなく、ゲームの中心となる体験を確認できるプロトタイプを公開することでした。
最低限実現したかったこと
- 左右の車輪を個別に操作できる
- スタートからゴールまで遊べる
- タイムを計測できる
- ミスにペナルティが付く
- 第三者がブラウザから遊べる
- フィードバックを受け取れる
今回、最初から完成度の高いゲームを目指していたわけではありません。まずは最低限遊べるプロトタイプを作り、
そもそも、このアイデアはゲームとして面白いのか?
という疑問を確かめることを優先しました。
実際に形にして遊んでみたところ、想像していた以上にゲームとして成立していました。左右の車輪を別々に操作するため、まっすぐ進むだけでも左右の入力をそろえる必要があります。さらに、細かな方向転換やコーンの回避には、左右の車輪をどのタイミングで、どの方向へ動かすかを考えなければなりません。
操作に慣れないうちは、思った方向へ進めず、コーンへぶつかったり、その場で回転してしまったりします。しかし、少しずつ操作方法を理解すると、狙ったラインを走れるようになります。この「最初は難しいが、練習すると上達を実感できる」という感覚が、ゲームとしての面白さにつながりました。
結果として、実際のスポーツ用車いすを初めて操作したときと同じような難しさを、意図せずゲーム内でも表現できたように思います。もちろん、このゲームは実物の挙動を忠実に再現したシミュレーターではありません。それでも、左右の手を別々に動かしながら進行方向を調整する難しさは、スポーツ用車いすの操作を体験したときの感覚に通じるものがありました。
この面白さが私だけでなく他の人も同一なのかを確かめたく今回のプロトタイプの公開に振り切りました。
将来への展望
最終目標
最終目標はゲームでもITでもありません。車いすスポーツを全ての人が楽しめる社会にすることです。私はそのきっかけを作れたらと思っています。
ゲームとしての最終目標
ゲームとしての最終目標は車いす版ZWIFTです。ZWIFTだとまっすぐ走るだけですが、車いすであれば曲がったりも再現可能です。実物の車いすにアタッチメントをつけ、ジムカーナができるようなデバイスとアプリケーションができればよいと考えています。
現実的な目標
といっても、仕事をしながらなので上記なものは無理です。個人開発として、本アプリケーションの見た目を整え、ステージを増やし、ランキング機能などができたらそれで十分かと思っています。上記の目標はきっと他の人が何とかしてくれるでしょう、という他人任せで考えています。
開発環境
| 項目 | 使用したもの |
|---|---|
| ゲームエンジン | Godot 4 |
| スクリプト | GDScript |
| エディター | Visual Studio Code |
| AIコーディング支援 | GitHub Copilot |
| バージョン管理 | Git / GitHub |
| 公開先 | itch.io |
| 対応環境 | Web |
作成はすべてバイブコーディングで行いました。ChatGPTに設計書を書かせ、それをCopilotで一つ一つ実装させました。
私がやりたい機能はとりあえず盛り込めたと思います。
ここまでの機能を初心者が1日で公開までできたのはAIの進化を改めて感じました。
itch.ioへ公開した理由
作成したゲームは、itch.ioで公開しました。
公開した一番の理由は、開発を継続するためのモチベーションを保ちたかったからです。自分だけが遊ぶ状態では、改善を続ける目的を見失い、途中で開発を止めてしまう可能性があります。
一方で、作品を公開すれば、誰かに遊んでもらえるかもしれません。感想やレビューをもらえるかもしれませんし、もしかすると投げ銭という形で応援してもらえる可能性もあります。
もちろん、現時点では完成度の高いゲームではありません。それでも、公開することで開発を自分の中だけで完結させず、今後も改善を続ける理由を作りたいと考えました。
また、itch.ioであれば日本国内だけでなく、世界中の人に遊んでもらえる可能性があります。さまざまな背景を持つ人から意見をもらいながら、より多くの人がスポーツ用車いすに興味を持てるゲームへ育てていきたいと思っています。
プレイした方に聞きたいこと
実際に遊んでいただけた方には、次のような点について感想をいただけるとうれしいです。
まっすぐ進む操作は難しすぎなかったか
旋回する感覚は気持ちよかったか
一人称視点と三人称視点のどちらが遊びやすかったか
操作方法は分かりやすかったか
もう一度遊びたいと思ったか
追加してほしい機能やコースはあるか
良かった点だけでなく、分かりにくかった点や遊びにくかった点も含めて、率直な意見をもらえると今後の改善につながります。
itch.ioへの投稿は簡単でした。もし興味がある人がいればそれはそれで別の記事にしたいと思います。
コメントを頂けるとモチベーションにもなるのでぜひコメントください。
同じようなゲームがあれば即公開停止して開発をやめるので教えてください。