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AI活用の方向性は業務の構造化から見えてくる

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Last updated at Posted at 2025-12-17

概要

日々新しいAIツールが登場し、「学ばなければ」という焦りを感じている方は多いのではないでしょうか。

しかし、やみくもにツールを試すだけでは、実際の業務への活かし方が見えてきません。

本記事では、AIツールの学習を始める前に行うべき「業務の構造化」について、私の実体験をもとに解説します。

想定読者

  • AIツールの情報は追っているが、実際の業務での活用イメージが湧かない方
  • 「色々学ばないといけない」という焦りはあるが、具体的な行動に移せていない方
  • YouTube動画などで使い方を学んでも、結局使わずに終わってしまう方

結論

あれこれツールに手を出す前に、まずは自分の業務を図解して構造化しましょう。

インプット、処理、アウトプット、そして関係者との接点を可視化することで、パッと思いつく業務効率化とは異なる、真にやるべきことが見えてくる可能性があります。

それが見つかれば、自然と何を学ぶべきかが分かり、不要な焦りに追われるのではなく、適切な課題設定ができるはずです。

AIツールが多すぎて何も追えていない

日々、AI関連の様々なツールが登場していますが、すべてを追うことは事実上不可能です。
かと言って「多すぎて何も追えていない」というのはビジネスパーソンとしては避けたい状況です。

私が考えるに、今の世の中で追うべきAI情報は大きく2つあります。

  • 世の中全体の潮流
  • 自分の仕事にドンピシャで関係ありそうなこと

この記事では、後者の「自分の仕事にドンピシャで関係ありそうなこと」を見極めるための準備について説明します。

例えば私はWebデザイナーなので、映像を作る系のAIは「興味はあるけど後回し」と意識的に情報収集を弱めています。
逆に、UIやフロントエンドに関するもの、そして制作フロー全体の構築に関するものは、強めの情報収集を意識しています。

このように情報収集の強弱をつけるためには、まず自分の業務領域を明確にする必要があります。

以前の私:YouTube視聴で終わる学習

私も最近まではAI活用に前のめりではありませんでした。
YouTubeで使い方や活用例の動画を見て終わり、というレベルです。

なぜそうなっていたかというと、仕事への活かし方を「自分自身がやっていることをAIに代替させたい」くらいのアバウトな捉え方をしていたからです。

そして幸か不幸か、私自身は作業が速いタイプなので、ちょっとやそっとの作業であればAIに任せるよりも自分でやってしまった方が速かったです。
そのため余計に活用イメージが湧いていませんでした。

この頃、AIを使って自分の作業を代替しようとしてみましたが、以下のような状態でした。

  • 自分より少し速い
  • 自分よりだいぶ質が低い

質と速さを掛け算したとき、私のアウトプットには全然届いていなかったと思います。
特に質については、直近のAIの進化の仕方を見ている限り、すぐには大幅な向上が見込めません1

そのため、自分自身の仕事を代替するのはあまり期待できませんでした。

転機:業務を構造化してみた

しかし、改めて自分の業務全体を整理し、構造化してみたら、見え方が変わってきました。

実際に行ったのは頭の中で関係性を図にしただけですが、普段からそういった思考をしているからそれで済んでいると思います。
慣れない方は実際に図を描いてみることをおすすめします。

例えば私であれば、ざっくり以下のような業務構造になっています。

私は現在多くの事業に関わっており、並行稼働しています。
各事業で私に仕事が渡り、私から次の工程に渡していますが、その矢印の本数が他の人や部署と比べてかなり多い状態です。

しかしながら、私から他のチームや職種に「他に進められる施策ありますか?もしできていたら前倒しで進めますよ」と催促することすらあります。

ビッグマウスを承知で言語化すると、私自身のスループットと組織全体の平均スループットが違いすぎて、業務の受け渡しのリズムが揃っていないのです。

このように、自分の仕事にはどんなインプットがあり、どんなアウトプットがあるのかを眺めるとボトルネックが見えてきました。

読者のあなたも同じように図を描き整理してみれば、自分の立ち位置や業務の流れが客観的に見えてくるはずです。
あるいは、綺麗に整理できないほど混沌とした仕事をしていることに気がつき、それ自体が課題だと分かるとか。

いずれにしても、主観的に捉えているときよりは得られる気づきがあるはずです。

簡単にですが構造化の具体的な進め方についても説明します。

  1. 自分が関わる人・チーム・部署をリストアップ
  2. それぞれから何を受け取り(インプット)、何を渡すか(アウトプット)を書き出す
  3. それを図にしてみる(手書きでもmermaidでもOK)
  4. 矢印の数や流れを眺めて、パターンを探す

私の場合:個人の効率化から組織の底上げへ

私の場合、構造化によって見えてきたのは「自分自身のためにAIを役立てる」よりも、「組織全体の仕事の仕方を変えて、平均スループットを上げるためにAIを役立てる」ことの重要性でした。

AIの特性を考えても、この方向性は理にかなっていると思います。

AIは平均点くらいのものを出すのが、仕組みから言っても得意です。
一方で、多くの人間が協働しているとき、低めの点数の組織が生まれることはよくあります。
優秀かどうかとかの問題ではなく、ある程度数が増えればどうしてもそうなってしまいます。

しかし組織全体にうまくAIをインストールすれば、すべての場所で平均点をとるのは実現可能性が高いと考えました。
それができれば、結果的に大幅なスループット増加になります。

業務を構造化して自分の立ち位置を理解したことで、このような方向性が見えてきました。

そこで考え方を変え、今では制作フロー全体をいかに効率化するか?という観点で情報を収集し、仕事で活かしています。

方向性が明確になってからは調べるツールや手法も明確になり、あまり迷いなく学びと改善を続けられるようになりました。

ただしこれはあくまで私の一例です。
皆さんが構造化を行えば、また違った方向性が見えてくるかもしれません。

まとめ

あれこれ色々なツールに手を出す前に、まずは自分の仕事を精緻に構造化しましょう。
言語化というより、図解による構造化が重要です。

構造化することで見えてくるもの

  • 自分の業務におけるインプットとアウトプット(誰から受け取り、誰に渡すか)
  • 関係者との接点と、そこでの情報の流れ(どこで待ち時間が発生するか)
  • 組織全体の中での自分の位置づけとボトルネック(矢印が集中している箇所は?)
  • AI活用の本質的な方向性(個人の効率化か、組織の底上げか、それとも別の何かか)

構造化が完了すれば、自ずから自分がやるべきことや、具体的に詳しくなるべきツールやジャンルが見えてくるはずです。
それを見つけることが、AI時代に置いていかれないための第一歩だと思います。

  1. ここでいう質とは、デザイナーとしての定性的・美的・感覚的な判断などに対する質がメインです。

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