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MySQL: Heroku ClearDB と AWS RDS どちらにすべきか

Last updated at Posted at 2020-07-14

Heroku でアプリをデプロイする場合、デフォルトのデータベースは PostgreSQL ですが、MySQL を使うこともできます。

MySQL の一般的な導入方法は次の2つです:

  1. Heroku アドオンの ClearDB を利用する (導入手順はこちら
  2. Amazon RDS MySQL を利用する(参考記事はこちら

Heroku で MySQL を使う場合、これら2つのうち、どちらを採用すべきか検討してみました。

検討の前提

  • 新規開発のDBとして利用
  • 初めは少人数開発・低予算
  • 求められるストレージ容量はそこまで大きくない(はず)
  • 将来的に拡張する可能性有

結論

結論から言うと、今回は Amazon RDS を使うことにしました。

その理由は、ざっと次のとおりです。

  • 将来的にウェブサーバを Heroku で運用し続けるか未定
  • 容量が1GBを超えた場合に固定料金を49.99ドルも払いたくない
  • 設定は必要だが、それなりの作業量で導入可能

詳細は以下の「Heroku ClearDB と Amazon RDS の比較」をご参照ください。

Heroku ClearDB と Amazon RDS の比較

次の4点について比較検討します。

  • 導入コスト
  • ランニングコスト
  • セキュリティ
  • 拡張性

導入コスト

Heroku アプリに導入するためのコストを検討します。

ClearDB

Heroku のアドオンなので、コマンド1つで導入できます。

RDS

参考記事にある通り、Heroku から RDS に接続するための設定が必要です。設定の全体的な流れは、次の通りです。

  1. AWS: CA証明書のダウンロード
  2. RDS: REQIRE SSL の設定
  3. AWS: セキュリティーグループの調整
  4. Heroku: DATABASE_URL の設定

ランニングコスト

月々の利用料金について検討します。

ストレージ容量の調べ方

MySQLでのストレージ容量の調べ方はこちらの記事をご参照ください。

既存プロジェクトのストレージ容量は、新規プロジェクトの見積もり時に参考になります。

ClearDB

プランごとの固定料金が課金されます。

料金ページ

無料プランの Ignite だと容量が5MBしかないので、Punch (1GB, 月$9.99)ぐらいから利用することになりそうです。

Punch の次のプランは Drift (5GB, 月$49.99) なので、容量が1GBを超えた場合、利用料がいきなり40ドル/月も上がってしまいます。

RDS

DBサーバの稼働時間とストレージ容量、バックアップなどについて、利用した分だけ課金されます。従量課金なので「損」はありませんが、ClearDB の固定料金と比較すると少し分かりづらいです。

料金ページ

稼働時間単価は、DBサーバのスペックごとに異なります。

最安の「db.t3.micro」の場合、時間単価は「$0.017」なので(シングルAZ・バージニア北部)、月ごとの稼働料金は最低でも12.65ドルかかります。

※ バージニア北部を選んでいるのは、Heroku-RDS 間のレイテンシーを最小限にするため。

これに加えて、ストレージ料金「毎月 0.138USD/GB」やデータ転送などのコストも発生しますが、ざっくり見積もっても「月15-30ドル」では利用できるでしょう。

セキュリティ

データベースのセキュリティ面について検討します。

ClearDB

手元で確認したところ、発行される CLEARDB_DATABASE_URL の情報で、どのIPからでもデータベースにリモート接続できます。

またデフォルトではSSL接続していないので、必要な場合は自分で証明書の設定をしなくてはいけません(詳細はこちら)。

RDS

Heroku から RDS に接続する場合、その RDS が属する VPC のアクセスIP制限を一部開かないといけません。

Herokuの記事 では、すべてのIPを許可する 0.0.0.0/0 が例示されています。この設定だと、ClearDB のデフォルトと同様、どのIPからでもデータベースにリモート接続できます。

アクセスできるIPは制限した方が望ましいですが、そのためには Heroku のアドオン(Fixie など)でアプリ側のIPアドレスを固定しないといけなさそうです。この場合、リクエスト数に応じてアドオンの課金が発生します。

なのでコストを抑えたいなら、ClearDB と同じようにすべてのIPを許可するしかないです。(最低限、ユーザ名・パスワードは複雑なものにしましょう。)

なお、SSL接続については、Heroku から RDS に接続する場合は必須です。

拡張性

データベースやサービスの拡張性を検討します。

ClearDB

スペック・容量に応じたプランが用意されているので、サービスの拡大に伴いアップグレードしていけます。

ただし Heroku のアドオンなので、Heroku アプリと合わせて使っていくことになるでしょう。(Heroku 以外のサーバで利用できるかは不明です。)

したがって、AWSなどの他サービスへの移行は、DBのせいでフットワークが重たくなってしまう可能性があります。

RDS

こちらもサービスの拡大に伴い、スペックをアップグレードしていけます。

ClearDB と比較すると、Heroku 以外のサービスとの連携など、柔軟性はより高いでしょう。

まとめ

Heroku ClearDB Amazon RDS
導入コスト 1コマンドのみ  設定が必要
ランニングコスト(月) 9.99-49.99ドル(固定) 15-30ドル(?)
セキュリティ IP制限なし IP制限可
拡張性 Heroku限定 Heroku以外も可

References

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