はじめに
今回は「Looker Studio」において各指標ごとに可視化を行う手法について記事にします。Looker Studioとはデータを分析するための可視化ツールです。
通常ダッシュボード上で可視化する場合、裏側でデータと接続した上で可視化に関する処理を行います。クエリを叩くことでデータを変形してからダッシュボードと接続する方法がありますが、この方法では、管理するテーブルが多くなってしまうこと、可視化する際に多くのクエリを動かす必要があること、などリソースの面からも都合が悪いことが多いです。
つまり、出来るだけ不必要な加工は避け、結合やデータの処理はダッシュボード上で行いたいのです!
本記事はこのようなダッシュボード上で処理を行う手法の一つである、カテゴリごとの可視化を行います!
カテゴリごとの可視化とは
それではカテゴリごとの可視化について説明します。
例えば今回、顧客のidと、日時、商品データ、商品カテゴリ、売り上げが記載された商品の購入履歴のテーブルを扱うとします。
この時、商品カテゴリごとの合計売上を可視化するにはどうしたらよいでしょうか。
このようにあるカテゴリ(上記の例では商品カテゴリ)ごとにグループ化して集計した結果の可視化をカテゴリごとの可視化と呼びます。
クエリを叩くことにより、カテゴリごとにgroup byして集計することもできますが、今回はダッシュボード上で可視化することを考えます。
使用データ
今回使用するデータは以下のような商品購入データとします。
user_id | order_date | product_id | category | amount |
---|---|---|---|---|
21234 | 2025/1/23 | P081 | 家電 | 8172 |
48799 | 2025/1/24 | P043 | 衣類 | 1479 |
35808 | 2025/1/1 | P018 | 衣類 | 6560 |
29009 | 2025/1/14 | P057 | 本 | 20699 |
22912 | 2025/1/16 | P083 | 家具 | 28841 |
96133 | 2025/1/10 | P049 | 家電 | 15894 |
78779 | 2025/1/19 | P017 | 衣類 | 20497 |
81178 | 2025/1/22 | P032 | 衣類 | 18324 |
50320 | 2025/1/11 | P012 | 衣類 | 24448 |
各カラムとその説明を以下にまとめます。
カラム名 | 説明 |
---|---|
user_id |
ユーザーの識別ID(各ユーザーに一意) |
order_date |
注文日 |
product_id |
商品の識別ID(各商品に一意) |
category |
商品のカテゴリ |
amount |
売上 |
今回はこのデータを使用して、各商品カテゴリの可視化を行います。
なお、使用するデータは今回、1000行分用意しました。
衣類の売上の可視化
では早速、各カテゴリごとの可視化を行いましょう。
まずは衣類の総売り上げを表示します。
まず、グラフの追加から「スコアカード」を選択します。
画像のようにメインのフィールドに「sumのamount」を選択し、
フィルタを追加を選択します。
フィルタを次のように作成することで、衣類の商品に絞った可視化を行うことができます。
保存を押すと、衣類のカテゴリを持つデータの売り上げを可視化することが出来ました。
カテゴリごとの時系列グラフの作成
ここまでで、各カテゴリごとの可視化を行うには「フィルタ」を使用すれば良いと分かったかと思います。
では、さらにフィルタを追加して今度はカテゴリごとの時系列グラフの作成を行います。
データの追加から「折れ線グラフ」そして期間のディメンションに「order_date」、ディメンションに「order_date」、内訳ディメンションに「category」、指標に「sum(amount)」としてみましょう。
すると下記のように各カテゴリごとの売り上げ時系列を可視化することが出来ました。
しかし、カテゴリが多く一見すると分かりにくいです。
そこでフィルタを追加し、「衣服」と「食品」に絞って可視化してみましょう。
なお、ここで食品のフィルタを新たに作成し、「衣服」と「食品」のフィルタをかけてしまうと「category」が「衣服」かつ「食品」のデータが抽出されてしまい、適切にデータを抜き出すことができません。
結果を確認すると
無事に「衣服」と「食品」のみの売り上げの時系列データを作成することが出来ました。
終わりに
今回は「Looker Studio」上でカテゴリごとの可視化を行いました。大事なことは「集計はダッシュボード上で行う」です。その一手段としてフィルタを利用した、集計方法を紹介しました。「Looker Studio」は今後も使用するであろうBIツールなので定期的に更新したいと思います!