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[Angular] サービスを使用してデータをコンポーネント間で共有する

Last updated at Posted at 2018-01-14

はじめに

親子関係にない複数コンポーネント間において サービスを利用したデータ共有 の方法についてみていく。

更新情報

2021/01/04

  • 記事内で扱ったコードを Angular v11.0.5 で確認しました

2018/05/26

  • Angular のバージョンが 6 に上がったことで、 RxJS のバージョンも更新されました
  • 上記に伴い、 RxJS の import パスも変更されました。つきましては、記事中のコードと github のコード をあわせて修正しました

作業環境

環境 バージョン 備考
Angular CLI v6.0.0 v11.0.5 $ ng --version
Angular v6.0.0 v11.0.5 同上
TypeScript v4.0.2 同上
Node.js v9.2.1 v12.18.3 $ node --version
npm v6.1.0 v6.14.6 $ npm --version
ng version の結果
$ ng version

     _                      _                 ____ _     ___
    / \   _ __   __ _ _   _| | __ _ _ __     / ___| |   |_ _|
   / △ \ | '_ \ / _` | | | | |/ _` | '__|   | |   | |    | |
  / ___ \| | | | (_| | |_| | | (_| | |      | |___| |___ | |
 /_/   \_\_| |_|\__, |\__,_|_|\__,_|_|       \____|_____|___|
                |___/
    

Angular CLI: 11.0.5
Node: 12.18.3
OS: darwin x64

Angular: 11.0.5
... animations, cli, common, compiler, compiler-cli, core, forms
... platform-browser, platform-browser-dynamic, router
Ivy Workspace: Yes

Package                         Version
---------------------------------------------------------
@angular-devkit/architect       0.1100.5
@angular-devkit/build-angular   0.1100.5
@angular-devkit/core            11.0.5
@angular-devkit/schematics      11.0.5
@schematics/angular             11.0.5
@schematics/update              0.1100.5
rxjs                            6.6.0
typescript                      4.0.2

関連記事

構成

本記事で扱う構成は次のとおり。

構成
src/
  `-app/
       `-sample1/
       |   `- sample1.component.css
       |   `- sample1.component.html
       |   `- sample1.component.ts
       `-sample2/
       |   `- sample2.component.css
       |   `- sample2.component.html
       |   `- sample2.component.ts
       `-service/
       |   `- common.service.ts
       `- app.component.css
       `- app.component.html
       `- app.component.ts
       `- app.module.ts

今回の構成におけるポイントは次の 2点。

  • サービスによるデータの共有を確認するため次の2コンポーネントを配置
  • sample1.component
  • sample2.component
  • コンポーネント間でデータ共有を実現するため次のサービスを配置
  • common.service

これらのコンポーネントとサービスで、コンポーネント間のデータ共有について確認する。

サービスの実装

common.service

common.service.ts
import { Injectable } from '@angular/core';

// イベント発火のための Subject を import
// Angular Ver.6.x.x では rxjs から直接importするように変更された
import { Subject } from 'rxjs';

// こちらは Angular 6.x.x だとビルドエラーとなる
//import { Subject } from 'rxjs/Subject';

@Injectable()
export class CommonService {

  /**
   * データの変更を通知するためのオブジェクト
   *
   * @private
   * @memberof CommonService
   */
  private sharedDataSource = new Subject<string>();

  /**
   * Subscribe するためのプロパティ
   * `- コンポーネント間で共有するためのプロパティ
   *
   * @memberof CommonService
   */
  public sharedDataSource$ = this.sharedDataSource.asObservable();

  /**
   * コンストラクタ. CommonService のインスタンスを生成する
   *
   * @memberof CommonService
   */
  constructor() {}

  /**
   * データの更新イベント
   *
   * @param {string} updateed 更新データ
   * @memberof CommonService
   */
  public onNotifySharedDataChanged(updateed: string) {
    console.log('[CommonService] onNotifySharedDataChanged fired.');
    this.sharedDataSource.next(updateed);
  }
}

以下、ポイントを順にみていく。

  1. Subject の import

    Subjectのimport
    import { Subject } from 'rxjs';
    

    次の 「Subject型のプロパティを宣言」 で必要となる Subject を import する。
    本記事で確認するデータ共有の仕組みはこの Subject と、後述の コンポーネントで扱う Subscription で実現する。

  2. Subject 型のプロパティを宣言

    Subject型のプロパティを宣言
    private sharedDataSource = new Subject<string>();
    

    以降の 「Subscribe のためのプロパティを宣言」 と 「データの更新イベント」 で使用するプロパティを宣言し、 Subject のインスタンスを生成する。
    このプロパティを用いて共有データ の変更通知を行う。

  3. Subscribe のためのプロパティを宣言

    Subscribeのためのプロパティを宣言
    public sharedDataSource$ = this.sharedDataSource.asObservable();
    

    先に生成したオブジェクト sharedDataSource から asObservable() でオブジェクトを生成する。
    asObservable() で生成されたオブジェクトは、データ共有を行うコンポーネント側で subscribe (後述) することでデータ共有の仕組みを実現する。

  4. データの更新イベント

    データの更新イベント
    public onNotifySharedDataChanged(updateed: string) {
      this.sharedDataSource.next(updateed);
    }
    

    こちらは先に生成したオブジェクト sharedDataSource から next() を実行している。
    このメソッドはデータ共有を行うコンポーネントから実行されることを想定したもので、引数の updated をそのまま next() の引数にセットしている。
    このメソッドで this.sharedDataSource.next(updateed); が実行されることで、 subscribe (後述) で待ち受けているコンポーネントに引数のデータが展開される。

コンポーネントの実装

sample1.component

sample1.component.ts
import { Component, OnInit, OnDestroy } from '@angular/core';

// subscribe を保持するための Subscription を import
// Angular Ver.6.x.x では rxjs から直接importするように変更された
import { Subscription } from 'rxjs';

// こちらは Angular 6.x.x だとビルドエラーとなる
//import { Subscription } from 'rxjs/Subscription';

// サービスを登録するための import
// アプリ全体でのサービスの共有、コンポーネント単位でのサービスの共有に関わらず、ここの import は必要
import { CommonService } from '../service/common.service';

@Component({
  selector: 'app-sample1',
  templateUrl: './sample1.component.html',
  styleUrls: ['./sample1.component.css'],
})
export class Sample1Component implements OnInit, OnDestroy {

  /**
   * CommonService の変数の参照を取得するプロパティ
   *
   * @type {String}
   * @memberof Sample1Component
   */
  public serviceProp: String = 'Initialized by Sample1Component';

  /**
   * subscribe を保持するための Subscription
   *
   * @private
   * @type {Subscription}
   * @memberof Sample1Component
   */
  private subscription!: Subscription;

  /**
   * コンストラクタ. ServiceSample1Component のインスタンスを生成する
   *
   * @param {CommonService} commonService 共通サービス
   * @memberof Sample1Component
   */
  constructor(private commonService: CommonService) { }

  /**
   * ライフサイクルメソッド。コンポーネントの初期化で使用する
   *
   * @memberof Sample1Component
   */
  ngOnInit() {

    // イベント登録
    // サービスで共有しているデータが更新されたら発火されるイベントをキャッチする
    this.subscription = this.commonService.sharedDataSource$.subscribe(
      msg => {
        console.log('[Sample1Component] shared data updated.');
        this.serviceProp = msg;
      }
    );
  }

  /**
   * コンポーネント終了時の処理
   *
   * @memberof Sample1Component
   */
  ngOnDestroy() {
    //  リソースリーク防止のため CommonService から subcribe したオブジェクトを破棄する
    this.subscription.unsubscribe();
  }

  /**
   * ボタンクリック時のイベントハンドラ
   *
   * @memberof Sample1Component
   */
  onClicSendMessage() {
    // CommonService のデータ更新を行う
    console.log('[Sample1Component] onClicSendMessage fired.');
    this.commonService.onNotifySharedDataChanged('Updated by Sample1Component.');
  }
}
sample1.component.html
<p>
  CommonService で設定されている値は「 {{this.serviceProp}} 」です。
</p>
<input type="button" value="send message" (click)="onClicSendMessage()" />

以下、ポイントを順にみていく。
なお CommonService の DI については関連記事の こちら にあるので割愛する。

  1. Subscription の import

    Subscriptionのimport
    // 省略
    import { Subscription } from 'rxjs';
    // 省略
    private subscription!: Subscription
    

    subscribe を保持するため、Subscription を import し、そのプロパティを宣言する。

  2. データ更新イベントをsubscribeするイベントハンドラを登録

    データ更新イベントをsubscribeするイベントハンドラを登録
    this.subscription = this.commonService.sharedDataSource$.subscribe(
      msg => {
        this.serviceProp = msg;
      }
    );
    

    CommonService における データの更新イベントnext() によって発火されたイベントを subscribe するイベントハンドラを登録している。
    ここで msgnext() の引数にセットされたオブジェクトであり、これを自身のプロパティである serviceProp にセットすることで、 CommonService 経由でデータの共有と更新を実現している。
    また subscriptionsubscribe のオブジェクトをセットしているのは、後述の ngOnDestroysubscribe の内容を破棄するためである。

  3. データ更新を CommonService へ通知

    データ更新をCommonServiceへ通知
    onClicSendMessage() {
      this.commonService.onNotifySharedDataChanged('Updated by Sample1Component.');
    }
    

    画面上で入力されたデータを受け取るイベントハンドラ。
    ここでは入力されたデータをサービスに送るため、 CommonService で用意されたメソッド onNotifySharedDataChanged() をコールしている。
    ここで引数にセットしたデータが コンポーネント間で共有するデータ として扱われる。

  4. コンポーネント破棄時の後処理

    コンポーネント破棄時の後処理
    ngOnDestroy() {
      this.subscription.unsubscribe();
    }
    

    subscribe した内容をコンポーネントが破棄されるタイミングで unsubscribe することで破棄する。
    これを行わないと、登録したイベントハンドラが延々と生き続けることになる。

  5. テンプレートについて
    テンプレートについては片方向データバインドと入力フォームがあるだけなので特筆する点はなし。

sample2.component

sample2.component の実装は sample1.component とほぼ同じなため、差分箇所のみを抜粋し、説明は割愛する。
sample2.component のコード詳細については こちら にアップしたものを参照されたい。

sample2.component.ts(差分のみ抜粋)
// 省略
@Component({
  selector: 'app-sample2',
  templateUrl: './sample2.component.html',
  styleUrls: ['./sample2.component.css']
})
export class Sample2Component implements OnInit, OnDestroy {

  /**
   * CommonService の変数の参照を取得するプロパティ
   *
   * @type {String}
   * @memberof Sample2Component
   */
  public serviceProp: String = 'Initialized by Sample2Component';

  // 省略

  /**
   * ボタンクリック時のイベントハンドラ
   *
   * @memberof Sample2Component
   */
  onClicSendMessage() {
    console.log('[Sample2Component] onClicSendMessage fired.');
    this.commonService.onNotifySharedDataChanged('Updated by Sample2Component.');
  }
}

実行結果

1. 起動直後

share-service01.png

枠で囲った文言は sample1.component で 「Initialized by Sample1Component」 (オレンジ枠) が表示 され、 sample2.component で 「Initialized by Sample2Component」 (青枠) が表示 されている。

2. sample1.component の send message を実行

share-service02.png

send message ボタンをクリックした結果、 CommonService 経由で 「」 内の文言が更新されている。
このとき枠で囲った文言は sample1.componentsample2.component 共に sample1.component でセットしたメッセージである 「Updated by Sample1Component.」 が表示 されていることが確認できる。

3. sample2.component の send message を実行

share-service03.png

send message ボタンをクリックした結果、 CommonService 経由で 「」 内の文言が更新されている。
このとき枠で囲った文言は sample1.componentsample2.component 共に sample1.component でセットしたメッセージである 「Updated by Sample2Component.」 が表示されていることが確認できる。

まとめ

本記事で実装したデータ共有の仕組みをまとめると次の流れとなる。

  1. コンポーネントでデータを変更する
  2. コンポーネントは変更したデータをメソッドコールによってサービスに渡す
  3. サービスは変更したデータを受取り、そのデータをイベント発火することで展開する
  4. 各コンポーネントは発火されたイベントを subscribe し自身のプロパティを更新する

つまり サービス <-> コンポーネント 間で メソッドコールとイベントによってデータ共有を実現 していることになる。

データ共有 というワードと今回の記事における実装とでは伝わるイメージにズレが感じられるが以上となる。

関連記事で上げたコンポーネントの参照や @Input/@Output によるデータの受け渡しでは親子関係が必要となるが、本記事の方法では親子関係がなくともデータの共有ができる。
これはコンポーネント設計時に親子関係の縛りを気にせずに済む、という点でメリットになると思う。

ソースコード

今回の記事で動作確認に使用したコードは ここ にアップしてあるのでご参考まで。

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