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計画と実績は足してはいけない ― 製造業BIで「切り替え」を設計した話

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はじめに

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製造業でBIを構築していると、「計画」と「実績」をどう扱うかという問題に必ずぶつかります。

当時、私が取り組んでいたのは、

  • 予算
  • 計画
  • 実績

を一つの画面で見られるBIの構築でした。

しかし、加工途中の案件をどう扱うかで悩みました。

単純に足すと数字がおかしい

例えば、

受注数量が12,000mある案件があるとします。

加工途中で7,900mまで生産が進んでいる状態です。

このとき、

  • 計画:12,000m
  • 実績:7,900m

をそのまま合計すると、

19,900mになってしまいます。

同じ案件を二重に集計しているため、当然これは間違いです。

実績だけ採用しても違和感がある

では、計画を消して実績だけにすれば良いのでしょうか。

実績だけを採用すると、

7,900mしか生産がないように見えてしまいます。

しかし実際には、

12,000mの受注がなくなったわけではありません。

まだ加工途中であり、残りも生産される見込みです。

もちろん最終的にはロスが発生し、

11,900mになるかもしれません。

しかし、そのロスは加工完了して初めて確定します。

加工途中の段階で、

「この案件は7,900mしか見込めない」

と判断するのも違うと考えました。

私が採用したルール

そこで採用したのは、

一つの案件は、計画か実績のどちらか一方だけで表現する

というルールです。

  • 加工途中は計画として扱う
  • 加工完了したら実績へ切り替える

つまり、

計画と実績を足すのではなく、

計画を実績へ置き換える

という考え方です。

なぜこの設計にしたのか

理由は二つあります。

一つ目は、

予実管理として自然だからです。

経営が知りたいのは、

「今どれだけ加工したか」

だけではありません。

「今月の予算を達成できそうか」

という見込みです。

加工途中で実績だけを採用すると、

まだ受注として残っている数量まで失われたように見えてしまいます。

加工完了までは計画として扱い、

完了した時点で実績へ切り替える方が、

経営判断には適していると考えました。

二つ目は、

ロジックをシンプルにできるからです。

加工途中も実績を採用しようとすると、

  • 加工単位での丸め
  • 計画との差分計算
  • ロスの反映
  • 残数量の算出

など、多くのロジックが必要になります。

一方、

加工途中を計画として扱えば、

計画データを加工単位に合わせて扱うだけで済みます。

ロジックは大幅に単純になりました。

スナップショットは不要だった

実績データはAS/400にすべて残っていました。

ロール単位、バーコード単位で履歴が管理されていたため、

実績そのものを保存する必要はありません。

必要だったのは、

「計画をいつ実績へ切り替えるか」

というルールだけでした。

おわりに

振り返ると、

この設計は「最も正確な途中経過」を表現したものではありません。

目指したのは、

予算に対して案件を二重にも過小にも評価しないことでした。

BIでは、

データを集めること以上に、

どの時点で、どのデータを事実として採用するか

を設計することが重要です。

この経験を通じて、

「計画と実績は足し合わせるものではなく、適切なタイミングで置き換えるもの」

という考え方が、予実管理では非常に重要だと学びました。

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