はじめに
製造業や物流業では、段ボールの寸法は設計データとして管理されています。
しかし、その寸法データが物流や倉庫管理で活用されているケースは意外と多くありません。
例えば、
- この段ボールはパレットに何枚載るのか
- 4面付けなのか8面付けなのか
- パレットからはみ出さないのか
といった判断は、現場担当者の経験に依存していることがあります。
今回は段ボール寸法から積付けパターンを求める考え方を整理してみます。
入力データ
使用するデータは以下です。
W : 幅(mm)
D : 奥行(mm)
H : 高さ(mm)
PW : パレット幅(mm)
PD : パレット奥行(mm)
段ボール展開寸法
A式ケースを想定します。
組み立て後の寸法ではなく、畳んだ状態の寸法を利用します。
長辺と短辺は以下のように求めます。
長辺 = W + D
短辺 = D + H
例えば、
W = 300
D = 210
H = 40
の場合、
長辺 = 510mm
短辺 = 250mm
となります。
積付けパターンマスター
パレット上の配置ルールをマスターデータとして持ちます。
| 面付け | 縦(長辺) | 縦(短辺) | 横(長辺) | 横(短辺) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 2 | 1 | 0 | 0 | 2 |
| 4 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 6 | 2 | 0 | 0 | 3 |
| 8 | 1 | 2 | 1 | 2 |
例えば8面付けの場合、
- 縦方向:長辺1列 + 短辺2列
- 横方向:長辺1列 + 短辺2列
として配置します。
パレット占有寸法の算出
積付けパターンごとに、パレット上で必要になる寸法を計算します。
縦方向は、
パレット縦寸法
=
長辺 × 縦(長辺)
+
短辺 × 縦(短辺)
横方向は、
パレット横寸法
=
長辺 × 横(長辺)
+
短辺 × 横(短辺)
となります。
計算例
8面付けを例にします。
長辺 = 510
短辺 = 250
積付けパターンは、
縦(長辺) = 1
縦(短辺) = 2
横(長辺) = 1
横(短辺) = 2
となります。
縦方向は、
510 × 1
+
250 × 2
=
1010mm
横方向も、
510 × 1
+
250 × 2
=
1010mm
となります。
パレットへの積載可否判定
積載可否は以下のように判定できます。
積載可否
=
IF(
パレット縦寸法 <= PW
AND
パレット横寸法 <= PD,
TRUE,
FALSE
)
例えばパレットサイズが、
1100 × 1100
の場合、
1010 <= 1100
1010 <= 1100
となるため、
TRUE
となり、8面付けは積載可能と判断できます。
データモデルとして考える
重要なのは、段ボール寸法から直接面付け数を管理するのではなく、
W,D,H
↓
展開寸法
↓
積付けパターン
↓
面付け数
という業務ルールを明確にすることです。
現場では経験的に判断されていることでも、ルールとして整理するとシステムやExcelで再現できるようになります。
まとめ
段ボール寸法は設計データとして管理されることが一般的です。
しかし、そのデータは物流や倉庫管理にも活用できます。
重要なのはデータそのものではなく、データと業務ルールを結び付けることです。
積付けパターンをマスターデータとして管理することで、パレット積載可否や面付け数を自動的に算出できるようになります。
今回の例では段ボールを扱いましたが、
業務ルールを数式化しデータモデルとして表現する考え方は、
- 在庫管理
- 生産計画
- 安全在庫
- 保管能力計算
などにも応用できます。
現場の暗黙知を数式として表現できるようになると、Excel、SQL、Power BIなど様々な仕組みへ展開できるようになります。
私自身、製造業や物流業の現場で、
「そのデータはあるのに活用されていない」
場面を数多く見てきました。
段ボール寸法もその一つです。
設計のためだけに管理されているデータでも、業務ルールと組み合わせることで別の価値を生み出せる場合があります。
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次回
業務ルールをデータモデル化する③では、
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