SoR と SoE の振り返り
SoR(System of Record:記録のシステム) と その対義語の SoE(System of Engagement:絆のシステム) は システムの種類を表す言葉で、IBM で初めて使われた言葉です。1
SoR は、遵法やコンプライアンスに重きを置き、粛々と間違いなく記録を撮り続ける類のシステムを指します。一方、SoE は、当時、日本IBM に伺った時に お客様との絆のシステムと訳していましたが、その名が表す通り、お客様の密着し、その反応に瞬時に対応2することが売上に直結する、そして事業の根幹となりうるシステムの種類を指します。
結論
Agile3、Cloud、DevOps、Microservice 等の考え方や技術の原点は、全てSoEのシステムを生み出すために登場してきたものばかりです。
これらの考え方や技術は、失敗と工夫と努力の積み重ねから成熟しつつも、日々進歩しているもの達ばかりです。
そして、システムの種類が違う SoR のシステム開発、インフラ環境に適さない考え方や技術もありますが、そうでなく、共通的にやるべき良いこともたくさんあります。自動化などは特にそうです。
そこで、より良いシステム開発環境を作りたいと悩んでいる方々は、自社のシステムを SoR と SoE に色付けすることから始めてみてはどうでしょうか。
そして、SoE のシステム開発には、全力で最新技術に挑戦、取り入れていくだけでなく、SoR のシステム開発には、その素晴らしい技術や考え方の良い部分を選択して適用していきましょう。
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類似の言葉として、ガートナーの モード1(=SoR)、モード2(SoE) があります。 ↩
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Time to Marketの短縮と呼ばれることが多いです。 ↩
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最近はModern Agileと呼ばれ、Agileバージョン2のようなものも登場しています。 ↩