Flash と IE11 のサポート切れについて
以前の記事に Flash と IE11 の サポート期限について公式の情報をまとめました。
つまり、今から7年半の間で、多くの企業の SoR1 のシステムのフロントエンド部分を改修する作業が発生することになります。
Flash の 記事:Flash の サポートは「2020年末」まで
IE11 の 記事:IE11 延長サポート終了日は「2025/10/14」
なぜこんなことが起きてしまったのか
今のようにクライアントPCのスペックが高くなかったことも一つの要因です。しかし一番の要因は「統一されたブラウザの仕様」がなかったことではないでしょうか。
HTML4.1 の勧告後、HTML52 が生れるまでの空白の時代にブラウザベンダが自由にブラウザを良くしていこうと努力していきました。Microsoft の IE もその一つでした。
ここで原点に立ち戻ってみましょう。Webアプリケーションとは何かということです。それは端的に言うと、Webブラウザ上で動くアプリケーションことなのです。
そのブラウザの仕様があいまいな時代に Flash や IE が全盛期をむかえます。その為、今回のようなことが起きてしまいました。
今後このような理由での置き換え作業はなるべくやりたくない
SoRのシステムは、遵法に従って構築されているものも多く、長期間大きな改編もなく利用していく類いのものです。そのようなシステムでは、今後なるべくこのような理由での置き換えは発生させたくはありません。
それでは、今後どうやってフロントエンドを置き換えていくべきか考えてみます。
フロントエンド開発の肝はやはりブラウザ
ブラウザの大きな要素は「 HTML 」「 CSS 」「 JavaScript 」です。
「 HTML 」は「 W3C の HTML5.x 」と 「 WHATWG の HTML Living Standard 」、「 CSS 」 であれば「 W3C の CSSx 」、「 JavaScript 」 は 「 Ecma International の ECMAScript 20xx 」 に、その仕様がまとめられています。
つまりこれらの仕様を理解して置き換えしていくことが重要になっていきます。
まとめ
フロントエンドの置き換え、またはその準備は今からでも遅くはない、けれど決して早くもありません。
しかし、個人、組織としてゼロからスタートするという場合は、まずは「HTML5プロフェッショナル認定試験」の 資格取得を目標にしてみてはどうでしょうか。
その過程で、ある程度の知識は得られます。また「HTML5 Conference」等のコミュニティイベントに積極的に参加して、有識者の意見を聞いてみるのも良いでしょう。
そして「なるべく自分で開発しない」ということも一つのキーワードかもしれません。
例えば、CSS であれば Bootstrap と呼ばれる CSSフレームワーク が提供されています。
JavaScript であれば、TypeScript(AngularもTypeScriptベース) で記述し、 JavaScript の生成はコンパイルに任せることで ECMAScript 20xx に準拠したソースを得ることもできます。