はじめに
私のエンジニアとしての経験はもうすぐ満2年。
まだまだ経験が浅い立場ではありますが、これまでに何度か他の方のコードレビューを任される機会がありました。
最初は「自分がレビューなんてしていいのか?」と不安に感じることもありましたが、実際に関わってみると、想像以上に多くの学びと気づきが得られました。
ここでは、私のようにまだ経験の浅いエンジニアがコードレビューに積極的に関わることのメリットについて、実体験に基づいてご紹介します。
読みやすいコードを客観的に考える力がつく
自分でコードを書いていると、「後で直せばいいや」「まあ、時間かければ分かるし」と思って妥協した書き方をしてしまうことがあります。
でも、他人のコードを見ると「どのように書けば読みやすいか?」を冷静に考えることができます。
たとえば、
- 「この変数名、何を意味しているかわかりにくいな」
- 「この処理はメソッドとして切り出したほうが明快かもしれない」
といった点に気が付くことが増えます。結果として、自身のコード改善にもつながります。
また、ビジネス要件の制約や緊急対応、他システムとの兼ね合いなどから、少し複雑な構成になっているコードもよく見かけます。
そういう時に、コメントで意図を補足する重要性も実感しました。
構文や処理の選び方に気づきを得られる
他人のコードを見ることで、「こういう書き方もあるのか」といった新しい発見があります。
特に、自分よりも経験豊富なエンジニアの書いたコードには学びが多く、書き方やライブラリの使い方がとても参考になります。
また、
- 「このメソッド、nullやundefinedが来たときってどうなるんだろう?」
- 「この処理、計算量が多くないか?(O(n²)など)」
といった疑問が自然と湧き、自分でも調べる習慣がつきます。
特に、「自分だったらこの場面でどう書くか?」と考えて比較することで、処理の妥当性や選択肢の幅が広がります。
伝える力と実運用の視点が育つ
コードレビューでコメントを書く際には、伝わりやすく丁寧な表現を心がける必要があります。
その過程で、「この指摘は本当に必要か?」「表現がきつくなっていないか?」と内省するようになりました。
また、よい実装に対しては、ポジティブなコメントも素直に伝えるようにしています。
さらに、レビューを通じて以下のような非機能的な観点も意識するようになりました:
- 「複数人が同時に使用したらどういう挙動になる?」
- 「このツールは社内向けなのにコストが高すぎないか?」
技術的な正しさだけでなく実際の運用や保守のしやすさを考えるようになり、システム全体を俯瞰することで主体者意識も上がります。
さいごに
まだまだ実際にはうまくできないことも多く、今回書いたことも全部実践できているわけではありません。
それでも、コードレビューを通して得た気づきや考え方は、少しずつ自分の糧になっていると感じています。
最近は、同期に自分の書いた社内ツールのコードをレビューしてもらうようお願いしています。
新人同士でもコードを見合ったり、「レビューしてみましょうか」「レビューしてもらえますか」と気軽に声をかけ合える、他の人のコードに自然に触れやすい環境ができたらいいなと思っています。