3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

生成AIに課金するのって意味あるの?

Posted at

はじめに

こんにちは!
セゾンテクノロジーの佐野です。

皆さんは生成AIをどれくらい使っていますか?

この記事を読んでいる方で、AIを全く触ったことがない!という人はいないでしょうが、有料プランを個人で契約したことがあるかと聞かれると結構数は減るんじゃないでしょうか。

この記事を読むと、最終的に「個人向け有料プラン」とは何か、課金するとどんないいことがあるのか、そして課金するならどのAIなのか、わかるようになっています。

素人目線で長々と話しますが、なにとぞ。

※2025年9月時点での話です


個人向け有料プランとは

まず始めに言っておきますが、この記事で言う「課金」とは、個人向け有料プランに加入することを指しています。

AIの有料プランは、ものにもよりますが大体「個人向け」と「企業向け」が用意されています。企業向けは読んで字のごとく企業単位で契約するプランで、専用インフラを構築したい場合に契約します。
一口に個人向け有料プランといっても値段や性能など様々で、自分のやりたいことに合わせてプランを決めるのが一般的です……が。

結論を先に言います。

無理して課金する必要はありません。

私は払った金額に対して採算が取れると個人的に判断したうえで個人プランを契約していますが、現時点で「どうしようかな」と迷われている方は、その時点で契約すべきでないと思います。

理由は二つ。

一つ、値段が高い。

これは日常的な出費に対する相対的な評価です。OpenAIのchatGPTの場合、月額20ドル(約3,000円)くらいするわけですが、割と無料でなんでも享受できるこの令和の世において、突然ポンと出せる金額じゃない気がします。例えばabemaは月額580円でアニメや限定コンテンツが見放題。NETFLIXは890円から。どっちかだけでも一生時間つぶせるじゃないですか。その、4~5倍の値段を払う価値があるのか?本当に?:thinking:

二つ、無料版がすごい。
AIのすごいところは、無料版の質が非常に高いことです。
一昔前のchatGPTは、プランによって使えるモデルが制限されており、画像を入力できるモデル「4o」は有料プラン契約者限定でした。今は、使えるモデル自体はプランによって変わらず、トークン量が違っています。つまり、アクセスできる回数に制限があるものの、無料版でもほとんど課金版と同じことができます。
ですから、私たちがビジネスで求めていることは大体無料版の範疇でまかなえます。もし無料版で満足できないなら、あなたのお仕事は一つ上のプランに加入するだけの価値があるということで、ここは一つ。

まとめると、「迷うなら買うな、困ってから買え」です。


課金するとどんないいことがあるのか

「無料版でもいい」だなんてさんざん腐しておいて、どの口がと思われるかもしれませんが、私は課金賛成派です。有料プランを契約すると、どんなメリットがあるのか。その話をする前に、まずAIの使い方についてのお話をします。
AIの現状最も有意義な使い方は、「めんどくさいことをやらせる」ことだと思っています。

どんな業務でも、かならず「めんどくさい」反復動作が含まれています。そこを自動化、あるいは高速化することで、業務の効率化を図るだけでなく、日常的な業務から「めんどくさい」の割合を減らす。それがAIの健全な向き合い方だと思っています。
日常的な業務の「めんどくさい」とは、例えば簡単なメールの文章作成から校正、コーディングにメモの文書化、要点整理にアイデアの壁打ち……。挙げればキリはありませんが、この辺を適度にAIに頼っていくことで質とスピードと量を確保した仕事ができるようになるわけです。しかし、無料版は思考力やアクセス回数など制限があり、仕事で扱うには少し不安が残ります。

ChatGPT vs Gemini(無料版 vs 有料版)比較表

ChatGPT(OpenAI)と Gemini(Google)の 無料版と有料版の違い をまとめました。
(仕様・料金は変更される可能性があるため、利用前に最新情報をご確認ください)

項目 ChatGPT 無料版 ChatGPT 有料版 Gemini 無料版 Gemini 有料版(Pro / Ultra 等)
料金・課金 ¥0 ¥3,000 ¥0 ¥2,900
モデル・性能 標準モデル(GPT-3.5 相当、制限あり) 高性能モデル(GPT-4, GPT-4o, 高速応答、拡張コンテキストなど) 基本モデル:Gemini 2.5 Flash(無料ユーザー向け標準モデル) 強化モデル:Gemini 2.5 Pro の拡張アクセス、Deep Research、動画生成など
利用制限・レート制限 混雑時アクセス制限、応答速度が遅くなることあり、有料ユーザー優先 優先アクセス、応答速度高速化、制限緩和 無料ユーザーは Pro モデルへのアクセスが「限定的」 有料版は拡張アクセス枠(例:1,000 AI クレジット、より多くのプロンプト、深層検索など)
ファイル・データ解析 アップロード・解析機能が制限されることあり ファイルアップロード、データ解析、表・グラフ作成、コード実行が可能 無料ユーザーは CSV・スプレッドシート解析機能が制限される 有料版では CSV・スプレッドシート解析、可視化機能が利用可能
動画生成 / マルチモーダル 一部制限あり、無料版では限定的 動画生成や高度なマルチモーダル対応が可能 無料でも画像入力などは可能 有料版で Veo(動画生成)機能解放、拡張利用
Deep Research / Deep Search 無料版では “ライト版” のみ利用可 有料版でフル機能の Deep Research 利用可 有料版で “Deep Search” モードなど拡張調査機能が利用可
ストレージ・連携 容量や連携機能に制限あり プランによって容量拡張、API連携、外部ツール統合可 有料版で Google One 連携(Gmail, Docs, Drive 等)可
利用対象 カジュアル利用、日常質問、軽いタスク 専門用途、長文分析、プロジェクト、ビジネス用途 日常利用、手軽な質問、軽い分析 専門用途、複雑タスク、研究・業務用途
メリット 無料 高速応答、安定性、追加機能、優先アクセス 無料 高度な機能、拡張性能、制限緩和、業務利用に有利
デメリット 制限多め、混雑時に不安定 月額コスト 高度利用は制限あり 月額コスト、利用枠管理が必要

と、上の表を見てわかる通り、AIに課金するとたいていの場合、無料版と比較して高い精度を持つ推論力や多くのアクセス回数、優先的なアクセス権を得ることができます。AIの質を高めることで、AIを使うすべてのタスクのレベルを底上げできるならそれに越したことはないでしょう。

まとめると、AIを日々のタスクに組み込めば、有料プランの価値は相対的に上がる、ということ。


課金するならどのAI?

ここが一番の迷いどころでしょう。課金するならどのAIが一番いいのか、です。

結論から言うと、ChatGPTかGemini、とりわけGeminiへの課金をお勧めします

推論、思考力および回答の精度が非常に高いこの二大巨塔のどちらかを使っておけば、基本問題ないかと思います。
で、肝心な「どっちに課金するべきか」についてですが……この二つの差別化は少し難しい状況です。なぜか。

この二つはバチバチにお互いのことを意識しているので、なかなか性能差が付きづらいからです。
Geminiの強みといえば……膨大なGoogle検索結果を用いた信憑性の高いリサーチ結果、と少し前なら言ったでしょうが、今はchatGPTも独自の学習データおよびGoogle、Bingの検索結果を参照し、ソースを教えてくれるようになっています。一か月前、chatGPTのバージョンがアップデートされ、画像の出力精度が大幅に上昇しましたが、その数週間後にGeminiから高精度で画像編集を行えるモデル「NanoBanana」が公開されました。
これが偶然かどうかは知りませんが、両者の競争意識が高すぎて目覚ましい発展を続けている以上、現時点でどっちが有能かを述べるのは意味がないことは確かです。ということを踏まえたいただいたうえで、ここに一応私の個人的な使用感を書いておきます。ちなみにどちらも課金した場合の話です。

Gemini (Google AI Proプラン¥2,900)

堅物ですが、まとめやレポートを作るのがとてもうまいです。ネット上のソースを参照し、適切なまとめ方をしてくれます。常に最新の検索結果を参照するため誤情報に強く、ハルシネーションも少ないです。
また、googleの提供するアプリケーションとの連携力が強み。GeminiはGoogleが誇る様々なサービスと連携が可能で、例えばGoogleWorkspaceと連携してGeminiを介してカレンダーに予定を書き込んだり、タスクを追加したり、Gmailの下書きを作成させたり、Googleドライブのファイルにアクセスしたりできます。
課金するとGemini 2.5 ProやGemini 2.5 Pro Deep Thinkといった、Googleが開発した最も強力なAIモデルを利用できます。これにより、より複雑な論理的推論や、高度な創造的タスクを正確かつ迅速に実行することが可能になります。

chatGPT(chatGPT plusプラン¥3,000)

いい意味でも悪い意味でもかなり人間臭いです。自然かつ柔軟な対応が得意なため、アイディアの壁打ちやブレインストーミングをするならこちらがいいと思います(たまーにかなり慣れ慣れしくなりますが)。また、言語を操るのが得意なおかげなのか、こちらの意図を汲む能力が非常に高く、こちらの指示が不十分な場合でも動き出します。
こちらの入力に対して自動的にモデルを選択する機能があるため(例えば推論が必要な質問であれば、自動的に推論モデルに切り替わるなど)、その前提で指示を出す必要があります。例えば、こちらがプログラムの話を少しでも出せば、細かい条件を決める前にコーディングを始めてしまう悪癖があります。
イラストを生成する能力が非常に高く、絵のタッチやこちらの意図をかなり適格に理解し汲み取ってくれます。また、一昔によくあった日本語へたくそ問題も解決されている上、割と意図通りの構図で作ってくれます。
そしてここからが大事なのですが、使っているモデルの精度自体は無料版と一切変わりません。

なので現在、私はGeminiのグレードアップを含むGoogle AI Pro(¥2,900)のプランを契約しています。ChatGPTではなくGeminiを選んだ理由としては、先ほど述べたような他アプリとの連携の強みや、ストレージの拡張なんかがセットでついてくることに魅力を感じたからです。こっちの方が安かったですしね。


なぜ私は課金したのか

ここで私が課金した経緯についてお話します。今回の話にあまり関係ないので、全然読み飛ばしていただいても結構です。

自分が初めてAIに課金したのは、大学4年生の時でした。当時、数学専攻だった私は、群論についての論文を作成するのに、LATEX(ラテフ)というものを使っていました。LATEXとは、数学の学術論文を作成するためのツールで、ソースファイルに独自の言語で記述し処理してPDF化する、みたいな使い方をします。

LATEXは特殊記号や数学の図表を作成するのに特化しているのですが、これの使い方については4月に使い方についての分厚い本をハイと渡されただけでした。
もちろんそれを読めば誰でも使えるのですが、研究室の教授が外国人だったこともあり、英語における数学用語の勉強、群論自体の勉強を並行して進めていたため、とてもではありませんがLATEXの記述法の勉強にまで手が回りませんでした。
さらに言うと、証明問題は特殊文字のオンパレード。基本的には手書きで行います。それを、一つ一つLATEXの記法に照らし合わせて、わかりやすいように書き起こす作業は無間地獄そのものでした。
そこで、証明を書いたノートをスマホで撮影し、画像をChat-GPTに読み取ってもらい、LATEX形式で出力してもらう方法を思いつきました。この方法に変えてから、作業時間は3時間から3分に短縮され、圧倒的に効率良く勉強を進められるようになりました。
ただ、この方法は当時の無課金版では画像入力ができず、また作成したテキストファイルを論文として使うため精度を妥協できず課金を決意。月3000円以上を払い続ける生活が始まりました。
論文を無事書き上げ大学を卒業し、セゾンテクノロジーに入社した後も何か役に立つかもとダラダラ課金を続け、途中でGeminiの良さに気が付き鞍替えした格好です。もちろんchatGPTがわるいのではなく、課金する必要がなくなるぐらい基本性能がアップグレードされた、という認識の方が正しいでしょうか。


おわりに

ダラダラと話しましたが、結論を言います。

Geminiに課金して、chatGPTを無料で使いましょう。

基本的な業務の際はGeminiを使い、画像生成やアイディア出しなどの業務では無料版のchatGPTを使う。これでかなり生産性の高い業務体験が得られるとお約束します。

もちろん、今後のアップデート次第ではまたおすすめの構成が変わってくることでしょう。目まぐるしく変化する環境に合わせて、私たちも細やかにアップデートを繰り返し、やり方を変え続けなければいけないのでしょう。

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?