「喫茶こもれのま」を読んでくださった方、ありがとうございました。
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この記事では、制作の背景や感想を書きます。
書きはじめたきっかけ
長年エンジニアとして仕事をしていて、いくどか技術的な記事を書いてみたいという気持ちはありましたが、めんどくさがりであるため、実行した試しがありませんでした。
その状況を打開したのがAIです。ChatGPT公開からの生成AIブームにはずっと興味津々でした。しかしながら、若いころのような熱狂は持てず、AIによるコーディングは細々と無料枠や少額の従量課金で行う程度でした。(若かりし頃は月々四万払ってネット常時接続したり、PCパーツに何万使っても平気でしたが……)それが今年に入って、重い腰をあげ人気のClaude Codeを定額で使うようになり、その完成度の高さ、MCPやスキル、サブエージェントといった仕組みなどに魅了されました。
次々と期待を超えるようなアプリを作ってもらっているうちに、ひょっとして技術記事もいけるのではないか、という興味が湧いてきました。それで、いつもアプリを作ってもらってるノリで、Claude Codeに記事の作成をお願いしたのが始まりです。もしかしたら、アプリではなく小説や脚本を作成するスキルとかノウハウを使えばよかったのかもしれませんが、そのまま続けてしまいました。
投稿先をQiitaにしたのは、五、六年前にやめ太郎さんの娘ちゃんシリーズを読んでからQiitaを見ることが多くなったためです。その影響から、自分もおもしろおかしい読み物にしたいなと思っていました。
最初に打ち込んだプロンプト
Qiitaで技術などを解説する記事を投稿したいと思ってます。やめ太郎の娘ちゃんシリーズみたいにちょっと面白くてとっつきやすい感じにしたいです。今のところのアイデアとして、舞台は喫茶店で、かつてのエンジニアのマスター(経験豊富だが最新の知識にうとい)とウェイターとして働いているAIのアンドロイド(知識豊富だが実戦経験ないので抜けている)が、客として訪れるエンジニアと会話するスタイルにしたいと思っています。
舞台、マスター、ロボットの設定は、この最初のプロンプトで決まっていました。後からアンドロイドをロボットに変えたり、お客さんをエンジニアに限らないことにしたのは自分の案ですが、いろいろAIとのやりとりで決まったところもあります。
一本目のテーマとする技術、客などの設定が決まり、AIが書いた記事を見た最初の感想は「え?小説?」でした。小説形式にしたのはAIです。自分はずっと会話形式を想像してました。
何本くらい記事を続けるつもりでいたか
最初に考えた技術テーマは八つくらいでした。社内の駆け出しエンジニア教育用に作った資料をもとにした五つと、あとは自分が仕事で使ったり興味で調べたものです。それが、記事を作りはじめたら面白くて、もっとやってみたくなって、ひねり出して二十くらいの候補になったと思います。
すべての話はフィクションですが、自分の実体験を盛り込んでいます。実際に使ったときの印象や思い出といったものがない題材の記事はつまらなく感じて、途中でボツにしたりしました。そういったものを差し引いて、最終的に十五になりました。
「見果てぬ夢編」という連載は、八本目くらいまで書いたあと、残りのビルド、パッケージ管理、ソーシャルログイン、RDBとNoSQL、プッシュ(リアルタイム通信)、LLMが全部つながることにたまたま気づいてやってみた挑戦です。
作業分担
私の担当は、技術テーマと取り上げる範囲、客の設定を決めることや、回によりますが構成や筋書を考えて、AIが作ったものを推敲することです。AIにアイデアを出してもらって、客が決まったこともありました。たとえばパスキーの回で金物屋にしたとき、金物屋が鍵を作ったりするとは知らず、自分にはない発想でした。
AIがやったのは、回によって筋書を作ったり、セリフや地の文を作るといった肉付け、設定やセリフなどのつじつまや技術に関する正しさの検証です。最も頼りになったのはキャラクター造形で、創作物でよく見るような典型的なキャラではありますが、うまいなと思いました。三大美徳の豆腐屋おかみさんの回で、いいねをもらえたのは、そのおかげだと思ってます。自分ではああいったキャラの言い回しをすらすら出せません。それと、地味ですが、地の文(「マスターが、カップを置いた。」みたいなところ)をいい感じに作ってくれるのが、とても助かりました。
作業量は半々くらいの感覚です。ただし、AIは抜群に手が早いので、作業時間は私の方が圧倒的に長いです。設定や筋書だけ考えて、AIが執筆していきなり完成であったらいいのですが、そこからの直しが多い。十五本の記事を書くのにClaude Codeに送ったプロンプトは、1,685件ありました。一本あたり平均100以上。なお、ちょっとした修正も、基本的にAI経由で修正していました。その理由は「直接編集したらAIにも読み込み直させる必要がある」「修正内容を設計書にも同期させる場合がある」「修正内容のミスや思わぬ影響への検証も兼ねたい」の三つです。
全体を通して感じたこと
作家と編集者って、こんな感じなのかなと想像しました。もっとも、編集者がセリフや地の文を書いたりはしないと思うので、まったく当てはまるわけではありませんが。一人が作って、もう一人が検証や評価をするだけでなく、アイデアを出し合ったり、お互いの意見などに刺激されてよりよいものが出てきたりするようなところです。AIが出したものを見て私が閃くこともありましたし、つまらないと思ったAI作のセリフに、こういう意図にしてと伝えたら、予想を超えるものが出てきたこともあります。
AIが書いた記事全体を自分の手でまるっきり書き直した回もあります。それでも、AIが無駄なわけではありません。まっさらな状態からだったら私は一切書けなかったかもしれません。AIにとりあえず下書きとして作ってもらって、それを直していくのがとてもやりやすかったです。
それと、AIを使った記事作成のよかったところは、プレッシャー対策になったことです。技術的なことで間違ったことを書いてしまう不安というのは、とても大きいと思います。本当に間違いがないかは別ですが、AIが検証することによって、そういった気持ちが和らぐことも支えになりました。
忘れていたこと
見果てぬ夢編の最終話で、チャットの画面に登場するお客さん三人のうち、二人は関西弁で打っています。ところが一話目で、同じ三人が店に来たときには、関西弁を使っていません。
最終話の原稿をAIに確認してもらったとき、指摘されて、気付きました。
その二人のモデルにした人は、実際は関西の人です。チャットの場面を書くまで、そのことをすっかり忘れていました……。ちなみに、ログはとうの昔に紛失したので、チャットの再現は人間LLM(私)による出力です。
おわりに
もう、書けるネタが尽きました。なので、これで終わりです。
十五本の記事は、こちらからご覧ください。
ロボットのひとくちメモ
本日のポイントを整理します。
- きっかけ:Claude Codeでアプリを作ってもらうときと同じ感覚で、技術記事もやってみたのが始まりです
- 分担:技術テーマや範囲・客を決めること、回によって構成や筋書を考えること、AI作文の推敲は書き手。回によって筋書を作ることと、セリフや地の文の肉付け、検証はAIが担当しました
- 感想:書き手とAIが互いの出すものに刺激され、相乗効果があったとのことです。AIの出力を下書きにして修正するやり方が、やりやすかったそうです。AIの検証によって、間違いを書いてしまうプレッシャーも和らいだとのことです
- 忘れていた:見果てぬ夢編のお客さんのうち関西の方が、一話目で店に来たときは関西弁を使っていませんでした
- おわり:ネタが尽きたため、これで終了です