この記事は カオナビ Advent Calendar 2025 18日目です。
はじめに
みなさん、コードレビューは得意ですか?
正直に言うと、私はあまり得意ではありませんでした。
レビュー依頼に「よしやるぞ」と気合を入れて向き合うものの、「コードの内容を理解する」という最初の高い壁に阻まれ、実際に手が動くまでにかなりの時間を浪費していました。
今回は、そんな私が VS Code拡張機能「GitLab Workflow」と AI (GitHub Copilot) を組み合わせることで、レビューのハードルを下げ、効率化できた方法をご紹介します。
コードレビューにおける「3つのステップ」と課題
そもそも、なぜ時間がかかっていたのかを振り返ってみました。
私は、コードレビューには以下の3つのステップがあると考えています。
- コード(変更内容)を理解する
- コメントすべき場所(バグや改善点)を見つける
- コメントをする
私の場合、ボトルネックは圧倒的に 「1. コードを理解する」 でした。
他人が書いたコード、しかも複雑なロジック変更が含まれる場合、行間や背景を読み解くだけで多くの時間を消費し、脳のリソースを使い果たしてしまっていたのです。
そこで、「理解する」部分をツールに頼ることにしました。
解決策:GitLab Workflow × AI
使用するのは以下の2つです。
-
VS Code Extension: GitLab Workflow
- VS Code上でGitLabの操作ができる公式拡張機能です
- AI (GitHub Copilot Chatなど)
具体的な手順
手順は非常にシンプルです。
1. GitLab上で自分をReviewerにアサインする
まず、ブラウザのGitLab上で対象のMerge Request (MR) のReviewerに自分を設定します。
(これがGitLab Workflowを使うためのトリガーになります)
2. VS CodeのGitLab Workflowで変更を確認する
VS Codeを開き、サイドバーのGitLabアイコンをクリックします。
「Assigned to me」などのリストに該当のMRが表示されるので、そこからファイルごとの差分(Diff)を直接開くことができます。
3. AIに差分を解説してもらう
ここが最大のポイントです。
表示された差分コードを選択し、Copilot ChatなどのAIに向かってこう投げかけます。
おすすめのプロンプト例:
「この差分における処理内容と、変更の意図を簡潔に要約して。また、見落としがちなエッジケースや懸念点があれば指摘して」
すると、AIが「ここでは〇〇の関数を呼び出し、××の条件分岐を追加しています」と、コードの変更内容を自然言語で要約してくれます。
コツとしてはAIを「下読み担当」にするのが良いと思います
私が意識しているのは、「AIの回答を鵜呑みにするのではなく、あくまで理解のための下ごしらえとして使う」ことです。 複雑な差分が整理され、理解しやすい形に整えられているので、私は一番おいしい部分(本質的なロジック検証)に集中して取り組めます。
効果:レビューの質が変わった
このフローを導入してから、私のコードレビューは変わりました。
■ レビュー着手への心理的ハードルが激減
これまでは、複雑な差分を前にすると「これを理解するのにどれだけ時間がかかるだろう……」と腰が重くなっていました。
現在は、「まずはAIに下書き(要約)をしてもらおう」 というスタンスで、軽い気持ちでレビューをスタートできています。
■ 「理解」までのショートカット
AIの解説でコードの全体像や意図が使う前よりも早く頭に入るようになりました。
- Before: 1行ずつ自力で読み解き、脳内で構造を組み立てる(高負荷)
- After: AIの要約で全体像を把握してから、詳細を確認する(低負荷)
「何をしているコードなのか?」を解読する時間が大幅に短縮されています。
■ 「コメント」への集中
コードの理解に脳のメモリを使わなくて済む分、本来人間が注力すべき 「ステップ2(コメントすべき場所を見つける)」 に全力を注げるようになりました。
具体的には、以下のような観点に思考を割けるようになっています。
- ロジックの堅牢性: 「この条件分岐に穴はないか?」
- 保守性: 「将来的にメンテナンスしやすい書き方か?」
- 仕様の考慮: 「エッジケースでの挙動は考慮されているか?」
まとめ
「コードを読むのが辛い」「レビューに時間がかかる」と悩んでいる方は、ぜひ GitLab Workflow でVS Code上に環境を持ってきて、AI にコードの解説役を任せてみてください。
コードレビューの心理的ハードルが下がり、本来人間が注力すべき「品質向上」の観点に目を向けることができるようになると思います。