ATOK 使っていますか?
現在、日本語変換ソフトをわざわざ購入する人は少なく、OSに付属の「Microsoft IME」を使ったり、「日本語入力プログラム」(いまはことえりって言わないんですね)を使ったり、「Google日本語入力」を使っている人が多いと思います。しかし、まだまだATOKを使っている人も少なくないと思います。
ATOKでは医療辞書は別売りで結構な値段がします。しかし生ATOKでは、かなり一般的な医学用語でも変換候補に出なかったりします。
一方、Google日本語入力やそのオープンソース版のMozcでは、以下のOCRAの医療辞書を無料で導入することができます。
OCRAとは、日本医師会が提供しているレセプト用のソフトです。レセプトとは診療報酬明細書で、一種の会計ソフトということになります、これは通常Ubuntu上で動作します。つまり業務上、Ubuntuで正確に医学用語を変換する必要性から、無料でOCRA医療辞書が提供されているのです。ありがたいですね。
ATOKでもこの辞書を使うことはできないでしょうか? 結論からいうと可能です。
やり方
- OCRA ProjectのサイトからMozc医療辞書をダウンロードします。
- MOZCの辞書ファイルをATOK用に変換して「単語ファイル」を作成します。
- ファイルの先頭に「!!ATOK_TANGO_TEXT_HEADER_1」を追加します。
- 必要に応じてファイルエンコーディングを変更します。
- 多分これだけでも大丈夫ですが、最新のATOKのマニュアルを参照してこれだけで大丈夫か確認してください。必要に応じてテキストエディアの置換機能などを使ってファイルを整形してください。
- ATOK辞書ユーティリティを開きます。
- OCRA医療辞書を新たに作成します。
- メニューバーの[ツール-ファイルから登録・削除]を選択し、[単語一括処理]シートを選択します。
- 単語が正しく辞書に読み込めていることを確認します。
- 読み込んだ辞書を有効にします。
注意点
ATOKのマニュアルを呼んで、必要に応じてテキストエディアを利用してファイルを置換すれば単語ファイルを簡単に作成できます。しかし、はまりどころがいくつかあります。
エンコーディングに注意してください。公式マニュアルにはエンコーディングに関する指定はなく、設定もありませんでした。そのため、どんなエンコーディングでも大丈夫そうに思ってしまいますが、macOSでは、MacOSというエンコーディングしか受け付けてくれませんでした。(UTF-8はダメでした)今どきこれはないだろう……と思いましたが、最新のATOKで実際にそうだったので仕方ありません。
OCRA医療辞書のライセンスはGPL-2です。日本語入力の辞書として使いたい人には問題ないライセンスだと思いますが、自作ソフトを作成中で、OCRA医療辞書を組み込みたいという方は(そんな方がこの記事を読むことはあるだろうか?)の場合はご注意ください。
すべての単語が登録できるわけではありません。読みにアルファベットが入っている単語があり、そういったものはうまく登録できないようです。
辞書に単語を登録しても、推測変換では候補が出てこないようです。これははっきりとした理由はわかりませんが、設定で改善できるかもしれません。
以上で、この記事は終わりです。