はじめに
こんにちは!
この記事はミロゴス Advent Calendar 2022 17日目の記事です。
今回は私が2022年6月に受験したPMP(Project Management Professional)試験の学習を通して、勉強になった内容をピックアップしてご紹介できればと思います。
ちなみにPMP試験を知ってから合格するまでの体験記はこちらの記事で紹介しておりますので、良かったら併せてご一読いただけますと幸いです!
前提:PMBOKのプロジェクトマネジメントプロセスの考え方
PMP試験は「PMBOK」と呼ばれるプロジェクトマネージメントの体系本の内容から多く問題が出題されます。
PMBOKはアメリカのPMIという機関が策定しており、数年に一度内容が改定されておりますが、現在のPMP試験では、PMBOK第6版の内容が多く出題されています。
私も例に漏れずPMBOK第6版の内容を学習したのですが、その中で出てくる「プロジェクトマネジメントプロセス」の考え方が実際のプロジェクトを進める際に役に立っているなと感じています。
このPMBOKで定義されている「プロジェクトマネジメントプロセス」は49のプロセスで構成されており、各プロセスは以下のマトリックスのいずれかに割り当てられています。
※引用元:PMサムライ
プロジェクトは有期性と独自性が特徴ですので、上記と全く同じ形で進むことはまず無いですが、実際のプロジェクトを進める上でこのプロセスの考え方は私の指針の1つになっているなと感じます。
ためになったこと:プロジェクト上流工程においての考え方
もう少し具体的な内容について以下で触れたいと思います。
私はプロジェクト上流工程における考え方という点でためになったなと感じます。
最初に目的を明確にすることの重要性
プロジェクト立ち上げ段階においての「目的の明確化」の重要性はPMBOKではかなり強調されており、私自身、PMPの学習を通して目的を明確にすることの意識をより強く持つようになりました。
PMBOKでも唱えられている通り、全てのプロジェクトは、そのプロジェクトの目的を明確化するところから始まります。
逆説的に言うと、全てのプロジェクトは何かしらの目的があるからこそ行われます。
当たり前のことですが、私はこの内容を見た際、少々ドキッとしました……。
というのも、プロジェクトの目的が明確になっておらず、故に成果物が出来上がった後に大きな仕様変更が必要になる、などの経験をしたことがあったからです。
と同時に、実際世の中には明確な目的が定まっていないまま進行し、結果失敗に終わってしまうプロジェクトは多く存在していそうだなと思いました。
例えば、「DX化推進プロジェクト」はその最たる例なのではないかと思いました。
「DX化推進プロジェクト」は上手くいかないことが多いとよく耳にします。
その理由を考えたときに、「DX化推進プロジェクト」は、「DX化」という本来は何かを解決するための「手段」が目的化しており、「本来の目的(なんのためにDX化するのか)」が明確になってないからなんだろうな、とPMBOKを学習しながら勝手に腑に落ちていました。
「そもそもなんのためにやるのか?」という問いをプロジェクト進行していく際に常に持ち続けたいと強く思いました。
スケジュール作成までのステップ
プロジェクトを進める際にスケジュールの作成は必須です。
ただ、必要な成果物やタスクを洗い出す前にスケジュールを切って、後になってタスク漏れやスケジュール遅延を引き起こしてしまったことはありませんか?
私自身、そういった経験が何度かありました……。
以下にプロジェクトの立ち上げからスケジュール策定までの大まかな順序をPMBOK「プロジェクトマネジメントプロセス」の内容を基に記載します。(若干意訳しており、細かい部分は割愛しています)
- プロジェクトの目的を明確にする(プロジェクトのアウトカムを定義する)
- 要求事項を収集する(要求収集・整理)
- 目的・要求事項を基にスコープを定義する(要件定義)
- WBSを作成する(成果物をワークパッケージ単位まで分解する)
- 成果物を生み出すために必要なタスクを定義する
- タスクの着手順序を設定する
- 各タスクの所要期間を見積る
- スケジュールを作成する
上記の通りPMBOKでは、スケジュール作成までに「目的の明確化」、「スコープの定義」、「WBSの作成」、「タスクの洗い出し」などのステップが定義されています。
当然といえば当然の内容なのですが、私はこの大枠の流れを体系的に抑えられたことで、プロジェクト上流工程であたふたしなくなった気がします。
例えば、以前はスケジュールを組む際、タスクの洗い出しとスケジュール設定を並行してやろうとしてしまうことがありました。
ただ、上記の流れを掴んだことで、「まずは成果物・ワークパッケージから逆算したタスクの洗い出しを先に行おう。そして、洗い出しきった上でそれぞれのタスクの順序・所要期間・スケジュールを設定していこう」と考える順序がクリアになり、より効率的かつ正確なスケジュール設定ができるようになった気がします。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました!
まめとめると、PMP受験(PMBOK学習)を通して今まで何となくは分かっていたけれど、明確に言語化できていなかったプロジェクトの流れや考え方を体系的にインプットでき、その点が非常に良かったと思います。
私自身、PMP受験を通して学んだことをより業務に活かしていければと思っております!
この記事が少しでも多くの方のお役に立てれば幸いです。