はじめに
こんにちは!
この記事では、私がPMP試験を合格するまでの軌跡を紹介したいと思います。
PMP試験合格を目指している方や興味のある方に対して、少しでも参考になれば幸いです!
PMPとは?
PMPは、Project Management Professionalの略です。
米国のPMI(Project Magagement Institute)が認定しており、国際的にも認められている資格です。
試験の内容は、同じくPMIが出版しているプロジェクトマネジメント界のデファクト・スタンダード的な書物「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK:Project Management Body of Knowledge)」と「アジャイル実務ガイド(Agile Practice Guide)」の内容から主に出題されます。
PMPは、プロジェクトマネジメント業務を遂行できることを公に証明できる資格といえます。
受験した理由
私がPMP試験を受けた理由は、非常に単純でした。
2021年4月当時、私は社内の「プロジェクト推進チーム」というチームへ異動になりました。
それまで新卒入社以来2年間、私はセールス業務を行っておりましたが、プロジェクト推進チームは、案件受注後の要件定義やスケジュール策定などの納品業務を主とするチームでした。
しかし、プロジェクト推進チームは社内的にも新しいチームだったので、プロジェクトマネジメント専門の人材がいませんでした。
セールス時代も納品周りの業務はしておりましたが、先輩の動きをみようみまねで真似している状況でした。
このような背景から、何か体系的にプロジェクトマネジメントを学びたいと考えておりました。
そんな中、PM系の資格を探していると「PMPというものがあるぞ」ということになり、そこから興味を持ったことが最初のきっかけです。
プロジェクトマネジメント系の資格として、他にも日本の情報処理推進機構(IPA)が認定している「プロジェクトマネージャ試験」がありますが、「日本の資格よりも横文字の響きがかっこいいPMPだろ」というミーハーな気持ちで、PMPを受験するに至りました(笑)。
合格までの軌跡
以下に、PMP試験なるものを知ってから合格に至るまでの軌跡を時系列で簡単に記載します。
2021年7月
- PM系の資格を調べたところ、PMPというものがあることを知る。
- PMPについて調べたところ、受験資格としてプロジェクト業務の経験が3年以上必要だということを知る。
- 当時はまだ社会人歴2年半弱であり、最低でも2022年4月まで待たないと受験資格を得られないことを知り、テンションダウン。
2021年8月
- PMBOK第7版が出版される。
- 第6版の内容から大幅に変更になったので、界隈がざわつく。
2021年10月
- この時期に2022年の4月頃に受験しようと、なんとなく思い始める。
- 手始めに以下の事前研修セミナーをUdemyで購入する。
- E-Learning:PMP Exam Prep Seminar - Complete Exam Coverage with 35 PDUs
- 英語ですが安いのでおすすめ。
- しかし、35時間の長さであることから一時的に挫折。
- また、PMBOK第7版の内容が2022年1月〜3月頃にPMP試験にも反映されると噂が立ち、どう勉強していいかわからなくなり、余計挫折。
2021年11月〜2022年1月
- 無勉強期。
- 上述の「受験資格を得るため最低でも22年4月まで待つ必要がある」ということと、「PMBOK第7版の内容が2022年3月頃から試験に反映されるかもしれず、対策が立てづらい」ということから、一時PMP資格のことを頭から放念。
2022年2月〜2022年3月
- 「そろそろ4月も近づいてきたし」ということでエンジンがかかりはじめる。
- この頃、以下教材を購入。事前研修セミナーと併せて学習を進める。
- 散歩しながら事前研修セミナーのE-Learningを聞き続ける日々。
- 気づいたら25km歩いている日もあった(笑)。
- 孤独との戦い。
- 仕事の傍ら一人で勉強していたので、毎日孤独との戦い。
- 週末、友人から遊びに誘われるなど誘惑との戦いでもあった。
2022年4月
- 業務経験が3年以上になったので受験申請。
- 英語での申請がやはり手間だった。
- しかし、PMIの監査に引っかかり、追加書類の提出を余儀なくされる。
- 大学卒業証明書&同僚のサインを提出。
- 受験申請がPMIにより受理される。
- やっと受験できるようになったが、受理された達成感からやる気がいったん下がる。
2022年5月
- 受験日を決めないとやる気が起きないと悟り、6/8に受験することを決める。
- 再びエンジンかかる。ラストスパート。
- この頃、以下を購入し試験問題に慣れる。
- 参考書を3周し、模擬試験は上記以外の参考書付録の問題も含め500問くらい解いた。
- 孤独と忙しさとの戦い。
2022年6月
- 受験、そして合格!
- テストを受けている最中はまったく手応えがなかったが、試験終了時に「Congratulations!」と表示され「おーーーーー!」となる。
- 結果、Above Targetで合格できた。
おすすめ学習方法
私の経験を踏まえ、おすすめの学習方法を記載します。
学習の流れ
学習の流れとしては、以下の順番で進めることをおすすめします。
- 事前研修セミナー
- ECO(試験内容概要)の確認
- 模擬試験
- 知識のインプット
- 模擬試験(再)
- 総振り返り(参考書・過去解いた問題・ECOの総復習)
1. 事前研修セミナー
最初のステップである事前研修セミナーでは、「一語一句すべてを記憶する!」と意気込むのではなく「PMP出題範囲の全体像をなんとなく把握する」くらいの気概で、気楽に学習することをおすすめします。コンテンツが最低35時間もあるので、最初から全部を頭に入れることは不可能です。
また、事前研修セミナーの受講はPMP受験資格として必須の条件になるので、受講完了できればPMP受験がより現実的なものとして思えてくると思います。多くの人がここで諦めてしまうため、最初の関門ではありますが、根気強さと気楽さの両方を意識して取り組みましょう!
2. ECO(試験内容概要)の確認
ECOとは「Examination Content Outline」の略で、PMIが発表している公式のPMP出題範囲になります。
PMP試験は原則ECOの内容に沿って出題されるので、参考書や模擬試験を取り組む前に一読することをおすすめします。
上記の内容からすると。「PMBOKやアジャイル実務ガイドの内容はPMPには出題されないの?」と疑問を感じる方もいるかと思いますが、ECOはPMBOKやアジャイル実務ガイドの内容を基に作成されているため、PMP試験でもPMBOKガイドの理解は前提条件となります。
少し分かりにくいですが、要するにECOが公式のPMP出題範囲であり、ECOはPMBOKなどの内容から作成されているので、ECOを理解することで試験の全体像が掴みやすくなります。
ECOはこちらからPDFで確認できます。
3. 模擬試験
ECOをひととおり確認したら、まったく分からなくてもいいので練習問題を解いてみることをおすすめします。
PMP試験は、単純な暗記問題はほとんど出題されず、暗記した知識を応用して解くシチュエーション問題がほとんどです。
ですので、どんな問題が出題されるのかのイメージを持った上で学習すると、より対策箇所の勘所がつくようになります。
4. 知識のインプット
問題の出題形式をなんとなく把握したところで、参考書などで細かい知識のインプットをしてきましょう。
私の場合は、参考書は一冊に絞り、それを3周くらいして知識を定着させていきました。
また、試験合格には細かい知識と併せて「PMIイズム」と呼ばれる、PMIが提唱する「プロジェクト・マネジャーとしての心構え」を抑えることも大事です。なぜならPMP試験では、PMBOKに記載されている事実が単純に問われるだけではなく、PMBOKに根付く「プロジェクトマネージャーとして身につけるべき考え方」がよく問われるからです。
この「PMIイズム」を身につけることで、試験に頻出される「プロジェクトマネージャーとして相応しい行動が取とれるか」を問うシチュエーション問題にも対応できるようになります。
私はこの「PMIイズム」を、「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) で学習しました。試験合格に非常に役に立ったのでおすすめです。
5. 模擬試験(再)
知識をインプットしたら、再度問題を解いていきましょう。そうすることで知識の定着がより加速します。
また、私は解いた問題を振り返る際に「なぜその選択肢は正解 / 不正解なのか」をしっかり深堀するようにしました。
6. 総振り返り(参考書・過去解いた問題・ECOの総復習)
だいたい試験1週間前までに上記を完了させ、あとは今までやったことの復習です。
私は参考書と過去解いた問題を総ざらいし、最後にECOを確認して本番に挑みました。
その他|英語教材学習のススメ
上記の内容とは少しずれますが、英語の教材で勉強することもおすすめします。
前提として、PMBOKやPMP試験で出てくる日本語は直訳的な表現が多く、理解に苦しむ文章や単語が多いです(元々翻訳しにくい単語が多いのでしょうがないですが)。あらかじめ英語で用語を抑えておくと、より理解が深まります。
PMP試験本番では、試験中に日本語設問から英語設問切り替えられます。やはり日本語の設問だと理解に苦しむ設問が多く、私は設問の半分ほどを英語に切り替えながら回答してました。正直、日本語だけだと誤答していた設問も多いと思います。英語で単語を抑えておいたことが、合格に繋がったと感じています。
私の場合、事前研修セミナーが英語だったので、そこで英語で知識をインプットできました。
英語に対して苦手意識を持っている方もいると思いますが、「PMPと英語どちらも勉強できるし一石二鳥だ!」と思って試してみてはいかがでしょうか。
価格も安いのでおすすめです。
私が使った学習教材
以下に、PMPの勉強をする際に使った教材を記載します。
参考書やE-Learning教材以外にも、ネット上に投稿されている他の方のPMP合格体験記やYoutube動画なども見ながら楽しく学ぶことをおすすめします!
※ちなみに私はPMBOKを購入せず、以下の教材のみで受験しました。
E-Learning
- PMP Exam Prep Seminar - Complete Exam Coverage with 35 PDUs
- 「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) アジャイル対応
模擬試験
参考書
その他
受験してみての感想 / 教訓
私が合格に辿り着くまでに感じだこと、「こうすればよかった」と思ったことを以下に記載します。
受験までの心構え
PMP試験は、受験までのハードルが高い試験だと思います。
「事前研修セミナーの受講」や「3年以上のプロジェクト業務経験」、「英語での受験申請」など、受験をするまでに立ちはだかるハードルがいくつもあります。私自身もこれらハードルによって何度も挫折しかけました……。
ですので、間違いなく根気強さが大事になってきます。
私は受験を社内で豪語するなど、自らを追い込んで後に引けない状態を作り、これらのハードルをなんとか超えました(笑)。会社によっては、PMP資格の取得が昇進の条件になっている会社もあるようですが、そうではない場合、一緒に受験する人を探したり、受験することをあらかじめ周りに伝えたりして、多少自分を追い込む環境を作るのがいいかと思います。
受験申請タイミングについて
上記とも関連しますが、受験申請ができるようになったら、早めの申請と試験日程を抑えることをおすすめします。
試験日程が決まらないと、どうしてもずるずる後ろ倒しになりがちです。多少勉強が足りないと思っても、受験日程を早めに決めてしまうことが大事です。また、勉強の質を上げるという意味でも、期限を明確にして取り組むことが大切だと思います。
私も本当は4月に受験する予定だったのですが、受験申請が通った達成感から試験日程の申込みを遅らせてしまい、結局6月受験になってしまいました。
効率よく短期間で合格するためにも、早めの試験日程の抑えをおすすめします。
試験当日について
私は当日の試験中、設問に正解できている手応えが全くありませんでした。
また、時間もかなりギリギリで、残り1問を解くことができず時間切れになってしまいました。
しかし、実際には合格できました。ひとつ言える大事なことは、たとえ回答に手応えがなくても、今までの努力を信じて、自信を持って回答し続けることです!
試験内容について
2021年8月にPMBOK第7版が出版されて以降、PMP試験の内容も大きく変わるのではと噂が立ちました。
しかし、私が受けた2022年6月時点では、基本的に昨年と同じ「PMBOK第6版+アジャイル実務ガイド」の試験内容だったと記憶しています。
PMBOKの内容が新しくなっても、ECOが変わらない限りPMPの試験内容は基本的に変わらないと思います。
また、ECOの改定はPMBOKガイド最新版が発行されてから1〜2年後と言われているので、少なくとも2022年の夏頃までは「PMBOK第6版+アジャイル実務ガイド」がベースの試験内容になってくるかと推測しています。
とはいえ、いきなり試験内容の変更がアナウンスされる可能性もあるので、2022年6月時点で受験をお悩みの方には、早めに受験することをおすすめします。
合格してみて
まだまだ合格したばかりなので「実務で役に立った!」とはまだ高らかには言えませんが、「勉強してよかったな」と感じることは既にあります。
たとえば、スケジュールマネジメントの「クリティカルパス」やスコープマネジメントの「要求整理〜要件定義」の流れ、アジャイルの「サーバントリーダーシップ」の考え方など、日々の業務を進める上での考え方の拠り所になっている気がします。
業務以外にも、単純に「PMP合格プロジェクト」に成功したことで、多少自信が生まれたと思います。
おわりに
最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!
一人でも多くのPMP受験者のお役に立てれば幸いです。