はじめに
趣味で株の分析を実施しています。AI時代だからこそ、コードを書くのではなくAIを使って表や図で可視化し、示唆を得て2次分析、3次分析を実施しています。
AIを使って分析するのに、VSCodeをいちいち起動して分析するのも面倒だなぁと思っていました。そこで久しぶりにGoogleColabを開いてみたんですが、めちゃめちゃ扱い安くなっていました。なので、今回はGoogleColabが扱いやすくなった話をしていきます。
そもそもGoogleColabとは?
Google Colab(Collaboratory)は、ブラウザから直接Pythonを実行できるホスト型のノートブックサービスです。環境構築が一切不要で使えるため、データ分析の定番ツールとして広く使われています。
このGoogle Colabですが、近年のアップデートでAI(Gemini)との融合が劇的に進みました。
AI連動の進化の歴史
- 2023年5月: 米国にて有料プラン向けに、コーディング支援機能「Colab AI」として発表。
- 2023年10月: 日本国内の環境でも利用可能に。
- 2024年6月: 一般の無料ユーザーに対しても、AIによるコード補完やチャット機能が広く開放。
- 2025年6月: 「AIファースト」な環境へと刷新。さらにターミナル機能もすべてのユーザーに無料開放されました。
現在では、画面の右側にGeminiのチャットパネルが常駐しており、データ取得の指示から可視化の提案まで、直感的な日本語のプロンプトだけで伴走してくれます。
Hands-on
今回は、最近の地政学リスク(イラン情勢の緊迫化)が「日本の主要3市場(プライム、スタンダード、グロース)にどのような影響を与えたか」をテーマに、Colab AIを使って検証してみます。
通常ならライブラリの選定から正規化の計算式、グラフ描画のコーディングまでVSCode等でガリガリ書く必要がありますが、新しくなったGoogle ColabのAIを使えば、わずか1つのプロンプトで完結します。
0. GoogleColabのファイル作成
Google DriveからGoogleColabのファイルを作成

1. AIへの指示(プロンプト)
ColabのAIチャットに、以下のように自分のやりたいことをそのまま日本語で入力します。
プロンプト例:
直近の地政学リスク(イラン情勢緊迫化など)に伴う日本市場への影響を検証したいです。
yfinanceを使って、日本のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の直近1年間の株価データを取得してください。
その後、推移を比較しやすくするために「開始日の価格を100」として正規化した上で、3つの市場を比較する折れ線グラフを描画してください。グラフの日本語が文字化けしないように対策もお願いします。
AIが生成したコード
import yfinance as yf
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
from datetime import datetime, timedelta
# 日本語フォントの設定
!pip install japanize-matplotlib -q
import japanize_matplotlib
# ティッカーシンボルの設定
# 1306.T: NF・日経225 (プライム代表)
# 167A.T: NF・JPXプライム150 (スタンダード/プライム等参考)
# 2516.T: 東証グロース250ETF
tickers = {
'プライム (1306.T)': '1306.T',
'スタンダード (167A.T)': '167A.T',
'グロース (2516.T)': '2516.T'
}
# 期間の設定(直近1年間)
end_date = datetime.now()
start_date = end_date - timedelta(days=365)
# データの取得
data = {}
for name, ticker in tickers.items():
df_temp = yf.download(ticker, start=start_date, end=end_date, auto_adjust=True)
if not df_temp.empty:
# Close列を抽出(MultiIndex対応)
if isinstance(df_temp.columns, pd.MultiIndex):
data[name] = df_temp['Close'][ticker]
else:
data[name] = df_temp['Close']
# グラフの作成
plt.figure(figsize=(14, 7))
for name, series in data.items():
if not series.empty:
# 最初の有効なデータ点を100として正規化
first_valid_val = series.dropna().iloc[0]
normalized = (series / first_valid_val) * 100
plt.plot(normalized.index, normalized, label=name)
# 地政学リスクの注釈(例:イラン情勢など、必要に応じて日付を調整してください)
# plt.axvline(pd.to_datetime('2024-04-01'), color='red', linestyle='--', alpha=0.5, label='緊迫化の例')
plt.title('日本株市場別 推移比較(直近1年間:開始時点を100として正規化)', fontsize=14)
plt.xlabel('日付')
plt.ylabel('指数化価格 (開始日=100)')
plt.legend()
plt.grid(True, linestyle='--', alpha=0.7)
plt.tight_layout()
plt.show()
2次分析、3次分析
グラフが出てきたらより解像度を高めるために、2次分析を実施していきたいですよね。ここで直接プロンプトを流してもいいんですが、せっかくAIが提案してくれているので、それをそのまま使ってみます。
→Gemini3Flashなので、2024年のイラン戦争の話を引っ張ってきてしまい、何度かチャットのやり取りを実施。
→面白い結果が出てきましたね!!
プライム市場は非常に大きい影響が出たのに対し、スタンダード市場はプライムに比べると下げ幅は小さい、グロース市場は影響がほとんど受けていないように見える。
プライム市場でもっとも大きな影響を受けたのは何か?どこら辺の業界なのか?とかを次に調べていきたくなりますね。ここからは3次分析、4次分析と繋げていけます。(今回の内容と外れるので、割愛します。)
まとめ:環境構築やコード書きに時間を溶かすな
かつては、検証環境を整えるためにVSCodeを開き、パッケージの競合に悩み、プロットの微調整に時間を取られていました。
しかし、現在のGoogle Colabは「思考のスピードを落とさないサンドボックス」として完璧な進化を遂げています。
「コードを書くこと」は完全にAIに任せ、人間は「データからどんな問いを立て、どんな示唆を得るか」という本質的なインサイトの抽出に時間を使う。そんなAI時代のモダンな投資分析スタイルを、ぜひ皆さんも体験してみてください。


