一年間の振り返り
社内のメンバーには「取り巻く環境の変化が早い業界なので、去年から変化のない状態だと生き残りが難しくなるよ。」という話をするのですが、40代にもなると一年間があっという間に過ぎ、そういや今年はどのようなチャレンジをして何を成し遂げたんだろうか、とわからなくなってしまいます。
色々とやったはずが、時間の流れの境界線がぼんやりとしてくるので、年末であるこの時期に振り返ってみたいと思います。
感慨深い年だった
弊社は2015年1月に設立し、今年に10周年を迎えました。
10周年パーティーでは沢山の方からお祝いの言葉を頂き、この10年間の地道な積み重ねは十分に意義があるものだと実感することができました。
派手な会社でも目立つ会社でもありませんが、これまで堅実にやってきたことが間違っていなかったと答え合わせができたと考えています。
主に取り組んだ学び
エンジニアリング全般について
生成AI関連の技術向上とそれに伴う社会変化により、私たちが担っていた業務課題解決における実装作業が軽量化してきました。
この軽量化したスコープは我々にとって業務負荷が下がったという面と、市場全体で軽量化したため、そもそも私たちにそれらの作業が求められなくなってきたという側面があります。
一方で、抽象的なものを具体化する、具体的な課題を抽象的に捉えてシステム設計に落とし込むような工程の前半部分やアジャイル的に伴走するニーズが増えてきました。
プログラム言語やフレームワークの学習も必要ですが、ここ数年は対象となる業界の知識やWebシステムの外側にある外部システムやハードウェアとの連携のためのリテラシー向上が重要になってきたように感じます。
このため、案件に応じた業務・業界知識を補完する学習や、エンジニアリングをもう少し広く捉えるため、関係者と会話を成り立たせるためにシステムズエンジニアリングなどの知識向上を目指しました。
- Arduinoをはじめよう 第4版
- システムズエンジニアリングに基づく製品開発の実践的アプローチ
- 実践に活かす モデルベースシステムズエンジニアリングの基礎
- システムズエンジニアリングハンドブック 第5版
- UX戦略 ― ユーザー体験から考えるプロダクト作り
インフラ技術について
インフラ関連の技術については、必要な知識範囲が広く深いためどうしても苦手意識がなくなりません。冗長化や負荷分散などを深く考える必要がない簡易な環境であれば取り扱えるものの、コンテナ技術やAWS、Azureなどのプラットフォーム固有のお作法とのかけ合わせは理解しきれるだろうかと心配になってしまいます。
今年はRed Hat OpenShiftに取り組む機会を頂いたので、OpenShiftの代わりに比較的安価で利用できるAzure Kubernetes Serviceを用いてCRUDシステムを試しに動かしながら学習しました。
O'Reilly Learning PlatformでKubernetes関連の書籍をざっと流し読みしましたが、結局のところは生成AIに一つ一つのコマンドの説明やログの見方を教えてもらいながら対話して学習するのが一番効率的でした。1
昨今のYAMLやコマンドで構築できるインフラ環境は生成AIとの親和性が非常に高いと感じました。
識者の助けも借りながら最終的にOpenShift上でのアプリケーション構築も無事に完了できたのは良い経験となりました。
チームの体制
GitHubへの移行とコードレビュー文化の定着
社内プロジェクト管理の多くはBacklogをベースとしており、古くからのプロジェクトはBacklogのGitでコード管理、比較的新しいプロジェクトはGitHubでのコード管理となっていましたが、コードレビューの体験はBacklogよりGitHubのほうが良いため、現在アクティブなプロジェクトのほとんどにおいてはBacklog上のGitからGitHubへ移行を完了しました。
また、併せてブランチのプロテクションルールやGitHub Actionsの設定を行いコードレビューの一般化やヒューマンエラーを回避する仕組みの導入が進みました。
とても嬉しかったのは、この業務効率化やヒューマンエラー軽減のためGitHubへの移行の提案がチームメンバーから挙がったことです。
全員がTailwindCSSを習得
2023年時点では「大嫌い」と言っていたTailwindCSSですが今では弊社エンジニアチーム全員が「TailwindCSSじゃないとちょっとつらいよね」という価値観に変わりました。
弊社は受託の会社なのでお客様に併せてSassを用いることも、過去のプロジェクトで引き続きSassまたはバニラCSSの時もありますが、全員がTailwindCSSの利便性を強く実感できるほどに習得が進みました。
- 他のコンポーネントのスタイルに影響を与える心配がほとんど0になる
- 歴史を重ねてもCSSファイルが肥大化しない
- HTML構造とスタイル定義を往復しながら確認しなくても良い
これらの偉大さとインパクトはとにかく使ってみないことには実感できないことですが、私たちにとっては業務効率を大きく変えるものでした。
また、エンジニアチーム全員がReact・PHP(WordPressも含む)での開発も行うフロントエンド技術からバックエンドまでを担う一気通貫型のチームとなりました。
ユニットテストのコード拡充
こちらの記事作成後もチームメンバーには試行錯誤してもらいながら、実際に保守運用しているWordPress独自テーマに対してひとまずC0(ステートメントカバレッジ)でのカバレッジ100%を目指し、年内に達成しました。
WordPressを用いた案件において、それが必要かどうかの議論はありますが、この取り組みを通してWordPressの内部構造や理解が進みました。
数値目標や指標の改善、顧客からのフィードバック
弊社では、すべての従業員にとって売上状況などの数値が身近で個人別の目標や指標が存在します。
2025年は多くの切り口で指標となっている数値の改善がみられました。
また、対外的にも若手メンバーが顧客から高い評価の言葉を頂けるようになりました。
これは当事者意識をしっかりともって、仕事に取り組むことができている現れだと思います。
外部パートナーとの協力
定期的に外部パートナーを交えた試験的なプロジェクト進行は行ってきたものの、これまでほとんどを内製で対応してきました。
顧客ニーズを漏れなく拾うこと、密にコミュニケーションしスピード感をもって対応するためにはそれが合理的であると思う反面、小さな組織構造のためリソースに柔軟性がなければスケジュールなどの要望にタイミングによっては応えきれず、お断りさせて頂くしかない状況がありました。
今年は見通しのつきやすい案件については、レビューや各種Lint、ワークフローなどの仕組みを整理したうえで、柔軟に対応いただけるパートナー会社様との実績も確立できました。
これはエンジニアチームだけでなく、Webデザイン制作においても行った施策でこの分野でも実績を積むことができました。
ワークライフバランス
私的な話ですが、会社設立と同じ年に結婚もしたので、2025年は結婚10周年の年でもありました。
お仕事において、ここは踏ん張りどころかなとか、失敗したくない気持ちから多くの業務を抱えすぎて家族に迷惑をかけた時期もありましたが、下記の記事でも書いたようにここ数年は周りを頼り、助けてもらうことで十分なほど家族との時間を確保し、沢山の思い出をつくることができました。
このような環境を作ってくれた仲間にはとても感謝しています。
2026年に向けて
業務において発生した枝葉の作業だけにフォーカスすると、途端につまらなくなります。
また、これらに固執すると外的環境変化に対応できなくなります。
“顧客や事業にとって何が嬉しいのか” を主軸に考えれば、そこから発生する資料作成やコミュニケーション、プログラム開発、情報収集、すべてが意義のあるものになります。
来年も仕事を通しながら、色々な想像力を働かせ新しいことを学べる毎日にしていきたいです。
そして、同じように価値の提供を強く意識できる仲間を探しています。
ご興味のある方はコーポレートサイトまたはWantedlyからご応募ください。
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基礎的なことから何度も何時でも聞けるので、未知のことへの取り組みの負荷が格段に減りました ↩
