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AgileJapan2025の講演の感想まとめ

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この記事は、AgileJapanアドベントカレンダー2025の5日目の記事として書いています。

さて、少し遅くなりましたが、AgileJapan 2025 の動画を視聴したので、その講演についての感想を書いていきます。

なお、当日体験しての感想は下記記事にまとめていますのでよかったらご覧ください。

さて、動画を見たまとめになります。

DAY1

1%の変革が未来を創る~ 生成AI時代のDX戦略 ~

AIエンジニア、起業家、SF作家であり党首の安野さんからの講演でした。

講演資料

 いろいろな職業に携わっていますが、「テクノロジーを通じて未来を構想する」という軸は一貫しているとのことでした。
たとえば、これまではブロードキャストとして一方向の発信が中心で、受信側は大量のデータを前に結局さばききれないところがありました。そこに対して、AIを使って「ブロードリスニング」として多くの情報を要約して聞く方法や、その情報からそのままGitに反映する方法などを試している、という話が印象的でした。政治の文脈でもAIやエンジニアリングが活かせる、というメッセージでした。
QAコーナーであった、「上司こそAIを作ってプロトタイプを作ってみると良い」ということは自分自身も実践していきたいと思いました。

作る、試す、正す。 〜アジャイルなモノづくりのための全体戦略〜

株式会社レッドジャーニーの市谷さんからの講演でした。

ソフトウェアづくり→プロダクトづくり→システムづくり」と進めながら、ユーザーやその先の関係者を巻き込んでインパクトを与える考え方について説明いただきました。
その中で、『エナクティヴィズム』という「行為する中で世の中を知る」という考え方が大事であり、XP(アジャイル)のパラダイムが世界とのかかわり方として重要だ、という話が印象に残りました。

From Zero to Hero: 伝統的な​大企業が​チャレンジする​未来創造 - JR東日本 Suicaアプリ(仮称)から​始める​アジャイル組織変革

JR東日本の加藤さん、AWSの八巻さん、大西さんからの講演でした。
講演資料
JR東日本という大きな組織で ACoE(Agile Center of Excellence)を設立し、伝統的な大企業でいかに変革を進めていくかという事例についてご説明いただきました。
若いメンバーがイキイキと話しているのが素直に良かったです。

巨匠たちのすれ違いから学ぶ、AI時代のアジャイルで重要なこと ~2002年アラン・クーパー/ケント・ベック論争を参考に~

SHIFTの秋葉さんからの講演でした。
講演資料

 ケント・ベックとアラン・クーパーが交わした論争「設計か、適応か」という問いを中心に、我々に問い直してくれる内容でした。過去の内容は知らない話も多くて、とても面白かったです。良いスポンサートークだったと思いました。

金融会社でのアジャイル導入の挑戦~組織の壁・階層を越えた「対話」が紡いだ変革の軌跡~

KDDIの清野さん、三菱UFJ eスマート証券株式会社の岡さんからの講演でした。
講演資料

 三菱UFJ eスマート証券さんと、KDDIさんで、現場、ビジネスサイド、マネージャーと、様々な方との対話を重ねて課題をクリアし、「アジャイル導入」を進めていったという話でした。カルチャーバブルをちょっとずつ育てていくというのはとても共感できました。

シルバーLT

ITプレナーズジャパンさんからのLTでは、アジャイルラーニングジャーニーの紹介がありました。
yamanecoさんからのLTでは、コーポレートシアターのワークショップについての説明がありました。
インプロ(即興)の話はスクフェスでも聞いていたので、あらためて気になりました。
また、最後にクリエーションライン株式会社さんからのLTで COSTA の話がありました。
私もいつかスポンサーLTに名乗り出たいです。

変革の壁をどう超える?アジャイル組織づくりのリアルと工夫

NTTデータの西嶋さんからの講演でした。
講演資料
 Agileの中で大手SIerが話すとちょっと、色眼鏡でどうせ営業なんでしょ。みたいな感じで聞いちゃうことがあるのですが、普通にとても良い話でした。経営の巻き込みや予算の取り方はNTTデータさんでもまさにチャレンジ中ということで、リアルな状況をお話いただきました。”安心より前進を選べるチームになろう”

アジャイル初心者たちの成長ロードマップ

野村ホールディングスの三木さんからの発表でした。
講演資料

アジャイル初心者が集まって、新しいAIアプリの開発に取り組んだという事例から、日々のスクラム運営をどのように改善していったのかという等身大の内容が聞けました。"Agile Fluency Model"をベースにチームレベルの成熟度チェックを作成したというのは参考にしたいと思いました。

ACEマインドセットで実現するアジャイル・マイクロリブート

ソニー株式会社のカリルセルジオさんからの発表でした。
まず、発表がとても引き込まれる内容で良かったです。成功と失敗の事例を説明いただきましたが、全体的に組織の見える化・計測を非常にしっかり取り組んでおられて、とても良いと思いました。参考にしたいです。

DAY2

AI時代のソフトウェア開発を考える(2025/11版)

twadaさんからの発表でした。
講演資料

AIが進む中で、AIエージェントやエンジニアリングに向き合うポイントについて説明いただきました。インフルエンザということでしたが、とても良い内容でした。AIは組織の能力を映す鏡であり、増幅装置であるというのはとても心に響きました。AIから引き出せる性能は、個人と組織の能力に比例するため、能力向上への投資は不可欠ということです。しっかり学んでいこう!とても良い基調講演でした。

アジャイルコーチングの事例- あなたのRebootは?

永和システムの天野さん、一條さんからの発表でした。
講演資料

アジャイルコーチの事例から対話や行動の大事さを説明いただきました。事例で出てきたタイムライン×感情曲線やSailBoatや合宿など、私もかなり使っている内容なので、ものすごく共感して聞いていました。レンタルあまぴょんいいなー。

1%のご近所さんが心の支えに! 〜アジャイル社内普及ご近所さんマップを作ろう〜

コニカミノルタの原田さんからの発表でした。
講演資料

コニカミノルタの中でどのようにアジャイルに興味がある人を巻き込んでいったかという話を紹介してくれました。ご近所さんマップを更新し続けるというのはとても良いなと思いました。参考にして私も負けずに自社で関係性を育てていければと思います。

中部電力ミライズにおけるアジャイル先駆けプロジェクトが挑む再出発

中部電力ミライズの市場さん、MSOL Digitalの斉藤さん、鍾涛さんからの発表でした。
講演資料

中部電力ミライズさんと MSOL さんが二人三脚でアジャイルのマネジメントを進めた話を聞くことができました。PO・SM・開発者といった複数のロールの視点から話を聞くことができて、とてもリアルな状況が伝わってきてよかったです。
あらためて、場の重要性を強く感じる内容でした。。

大企業の壁を突破せよ!一般社員が仕掛けるアジャイル革命

三菱電機の中村さん、玉置さん、乙部さんからの発表でした。

防衛・宇宙システム事業部と、かなり固い部署でのボトムアップでアジャイル文化を醸成した実践事例ということでとても響く内容でした。個人からのスモールスタートから組織に広げ、自分達に合った形で進めていって本当にすごいなと思いました。三菱電機さんは色々な部署でそれぞれアジャイルを広げていってすごいなと思います。

ソフトウェア開発現代史: 55%が変化に備えていない現実 ─ AI支援型開発時代のReboot Japan

ファインディの高橋さんの発表でした。
講演資料

高橋さんの話は何回も聞いていますが、歴史の重みがありとても良い話でした。特に跳び箱のメタファーで、AI開発等をやろうと思った場合は、既存の文化に無理やり乗っけるのは難しく、CIやアジャイル、自動化やDevOpsの文化を積み重ねた先じゃないと上手くできないというのは非常に身につまされました。

変われない組織で、変わり続けることを選んだ SI企業で続けてきた、現場と管理職の7年間──小さな実践が、組織を動かし始めた

テクノプロジェクトの壽山さん、松本さんからの発表でした。
講演資料
SI企業で7年もAgileを実践しながら、新しいビジネスを作り出そうとしているという非常に熱い話で、同じようなことをやっている身としてとても感動しました。マネージャーと現場が協力して進めているのもとても良くて、もっと内容を聞きたいと強く思いました。とても良かったです!

MUFG×大規模アジャイル 2年目の挑戦と現在地

三菱UFJ銀行の菅沼さん、片山さん、大谷さん、三菱UFJインフォメーションテクノロジー の小杉さん、朱田さんからの発表でした。
 大企業のUFJさんの事例ですが、複数のロールのメンバーがAgileについて前向きに話していて、変化を感じさせる内容でした。用語も「プロジェクト」という言葉だと終わりをイメージさせてしまうため、名前から言い換えるなど、かなりしっかりと変革に取り組んでいることを感じました。

あなたのアジャイルがうまくいかない10の理由 〜“Reboot”のための処方箋〜

レッドジャーニーの森實さんからの発表でした。
講演資料

アジャイルがうまくいかない10の理由ということで骨太な内容でした。
1.プロジェクトマネジメントがスクラムのイベントに盛り込まれていない
2.既存のガバナンスを満たすようなアジャイルの設計になっていない
3.チームメンバー全員が、ロールという帽子をかぶりわけるべきことがわかっていない
4.権限・役割の委譲の単位は、小さくていいことがわかっていない
5.ふりかえりはマイナスをゼロやプラスにもっていくことだけではない
6.チームで決めるということと責任者を置かないことは同じではない
7.専門職にも越境するマインドが必要であることがわかっていない
8.プロダクトのマネジメントにラインのマネジメントを持ち込んではいけない
9.POは本当にCEO(ミニCEO)なわけではない
10.生産性の高さとビジネスの成功は比例しない

Agile Japanで描くAI時代の私たち 〜16年の軌跡からwith AIへのアップデート

永和システムの平鍋さんからの発表でした。
講演資料

日本でAgileにずっと取り組んでいる平鍋さんだからこその、歴史を感じる講演でした。また、現在のAIについてもコメントがあり、好奇心を持って取り組む大事さについて語ってくれました。大変な歴史でしたが、平鍋さん自身が好奇心を持って今を楽しんでいる姿がとても尊敬できました。暴れまわるぞ!

感想

アドベントカレンダーとしてこの記事を書いているので、AgileJapan からはまだ3週間しか経っていないのですが、もうだいぶ前のことのようにも感じます。AIへの向き合い方や、自身のマネジメントとしての動き方をとても考えさせられるイベントでした。来年の AgileJapan では、自分自身もアップデートした状態で参加したいなと強く思います。

長文読んでいただき、ありがとうございました。発表してくれた皆さまありがとうございました。

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