学生時代たくさんの資格試験に合格したけど実務をしてみておもったこと
はじめに
こんにちは、はじめまして。
私は、2024年4月に istyle に新卒入社した、エンジニアの koikema です。
専門学校で3年間学び、その中で11個の資格に合格しました。
前提
私が就職した、istyle は Web系自社開発の会社です。
よく言われる SIer とかで持ってるだけで入札とかで強くなるとか・給料が上がるとか評価されるとか、、、、
そういうことをお話するつもりはありません、その辺りは留意してください。
資格を取ったことで初めての実務に対してどう影響があったか、新卒として入って周りとどういう違いが生まれたかを今回はお話できればと思います。
学生時代に合格した資格
- ITパスポート
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験
- AWS クラウドプラクティショナー
- AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト
- LPIC-1
- LPIC-2
- Java SE11 Silver
- G検定
他にも、ネットワークスペシャリスト(不合格)や直近ではデータベーススペシャリストにも受験してきました。
合格した各資格で求められていたこと (概要)
全部書くと長くなりすぎてしまうので、抜粋して書きたいと思います。
- 応用情報技術者試験
- ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者
- 情報処理安全確保支援士
- サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
- AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト
- 受験対象者には、AWS のサービスを使用するクラウドソリューション設計の実務経験が 1 年以上
- LPIC-2
- Linuxカーネルに関する一般的なタスク、システムのスタートアップとメンテナンスを含む、高度なシステム管理を行うことができる。 etc..
上記のようなものを今も持っているかというと、、持っています!と胸を張って言える自信はありません。。
なんなら、合格した直後でも怪しいと思います。
実際に知識として入っているけれど、使う機会がないため、忘れてしまっているものも多いです。
実務に入っておもったこと
それでは、実際にこれだけの資格試験に合格した新卒が、
実際に実務を行ってみて思ったことについて以下に書いて行きたいと思います。
実務に入るころには忘れてた
そもそもの話なのですが、一番もったいないですね... orz
資格試験に合格していたのはだいたい専門学校の2年目の年です。
ですので、実務に入るまでに研修も含めて1年半ほどの時間がありました。
専門学校では資格試験に出るほどの知識を使うことはあまりなく、穴の空いた入れ物のように知識がどんどんと抜けていくような感覚でした。
必死に勉強をしていたのに、忘れてしまうのはもったいないなと感じています。
LPIC用に覚えていたいろんなコマンドのオプションも、今では普段使うものしか覚えていません。(泣)
全部無駄
とは言いません。
「資格なんか取っても仕事には関係ない!」、「資格で勉強するよりさっさと実務に入って経験を詰んだ方がいい!」
という意見を学生時代たくさん耳にしました。(Twitterとかで...)
そして、上記のようにほとんど忘れてしまっていた、わけですが、それでも資格を取ることで得られるものはあったと思っています。
話についていける体系的な知識を得ていた
これが一番大きいかもしれません。
ほとんどのことについて忘れていたものの、
単語を聞けば「あ、あれはあれだよね」とか「この分野の知識で、○○の技術のためのものだよね」と、ある程度は思い出すことができていました。
また、話の中で当たり前のように出てくる単語も臆せずに聞けるようになっていました。
もちろん、全部のお話の中で分かるわけではないのですが、
分からないものが出てきても、それに必要そうな単語や知識というのは出てくるので、それを元に調べることができるようになっていました。
また調べ物でも、遠回りをすることが少なかったです。
みなさんも経験があるかもしれませんが、
ほんとに何も知らない単語や技術について調べるとき、
「これは何だろう?」と思ってググると、その単語に関連するものがたくさん出てきて、どれを読んだらいいのかわからない!!ってときないでしょうか?
なので、片っ端から全部調べていくのですが、全然違うことを調べていたり、遠回りをしていたりすることがあるとおもいます。
しかし、ある程度の知識を持っていると、それに関連するもの自分で選んで読むことができるので、遠回りをすることが少なくなっていました。
そんなもの、ChatGPTに聞けばすぐに済むじゃない、という意見もあると思いますが、
ChatGPTへの質問の精度も上がるのではないかと思います。
例えば、○○って何?? って聞くよりかは、○○について調べたけど、△△の違いがわからないんですけど、とか、
○○の設定をいじったときに、■■のようなエラーが出ています、△△の値は○○ですが、これはどういう意味ですか? など、、
最初の質問からもう一歩踏み込めるようになるような気がします。
実際に操作をするときに感動する
資格試験の勉強の為に少しだけ、Udemyなどのハンズオン教材を買って実機を触って勉強をしていました。
それでも、やはりテキストを読む時間の方が多く、知って「は」いる状態の知識が多かったです。
簡単に EC2 を立ち上げたり、 S3 にファイルをアップロードして静的サイトを公開したり、
といったことをやりましたがそれ以外はコストの関係上テキストを読み漁ることしかできませんでした。(特に学生は...)
ですが、実際に仕事で AWS を触る機会があると、その時に感動することがあります。
例えば、EC2 のスケールアップやスケールアウト、S3 のバケットポリシー、IAM のロール、VPC の設定、などなど。
やはり企業に入ると、個人で AWS を扱うときにはやらないような操作や設定をみることがあるため、
「あ、これはあの時の知識だ!」、「こういう設定にしているのか」と感動するところが多数ありました。
同期からすごいって思われる
これは、あくまで私の場合ですが、同期からすごいって思われることがありました。
「○○の資格持ってるのすごい!」とか、「あの苦痛を乗り越えたのはすごい!」とか、
今時点では何もしていないけれど、過去の頑張りを認めてもらえることがあるので、モチベーションにもつながりました。
ただ、○○の資格持ってるから質問してみたんですけど... という展開もあります。 内心ひやひやです。
○○って何?どうやって使うの? という簡単な質問に対してはだいたいは応えられます。
しかし、少し手の込んできた質問になってくると難しいところもあります。
○○と△△を使っているのですが、○○の設定をいじったときに、■■のようなエラーが出ていて、
ここは◇◇のような挙動になっててほしいんですけど何かわかりませんか?? などの質問には答えられないこともあります。
勉強する習慣がついていた
これは実務とは関係なくなっているのですが、
暇な時があれば、何かしらの記事や本を読んだりと、、
それらの行動に対して苦痛を感じることがなくなっていたので、
疲れていても特段気にすることなく、本を開けるようになっていました。
今でも休日には、技術書を読んだり、記事を読んだり、個人で開発をしてみたりと、
今でも継続して勉強する習慣がついているのは、資格試験を受けていたおかげだと思います。
試験の問題は整っていると感じる
IPA などの応用~高度試験の午後で出題される長文問題は、初見はややこしすぎてつらいと感じていました。
しかし、実際に仕事をしていると、試験で出ていた問題は、必要な情報が整理されていてちゃんと解けるようになっていると感じました。
以下は私が受験したデータベーススペシャリストの問題の一部(テーブル一覧)です。
一見すると、何が書いてあるのかわからないと感じますが、しっかり問題文を読み解けば大丈夫です。
しかし、実際に仕事をしていると、このような問題文を読むことなんてないです(当たり前)。
実際にテーブルを見に行って、どのようなデータが入っているのかや、
コードから、どのようにデータが取得されているのかを確認することが多いです。
そもそも、画像よりも何倍もテーブルがあります。
仕事では必要な情報を自身で整理して、時には先輩に聞いたりといったコミュニケーションが大切だと感じました。
やっぱり、社内にある既存のシステムのキャッチアップは大変
当たり前ではありますが、社内にある既存のシステムのキャッチアップは大変でした。
(今もできていません。)
アイスタイルという大きな会社になるといくつもの部署がいくつものシステムを持っていて、
それぞれが連携しあっていたりします。
その中で、どこに何があって、○○のDBは◆◆のサーバにあるよとか、
○○のAPIは△△を踏み台にしてアクセスするよとか、○○の部署の■■の許可設定が必要そうとか...
そういうものに関しては、やはり躓くことが多かったです。(今もそう。)
まとめ
ここまで、学生時代に合格した資格試験について、実務に入っておもったことを書いてきました。
学生時代、資格試験しかやっていなかったわたし...
しかし、意外と、この知識が活きているっ!! って思うよりかは、
ベース知識がいつの間にか整っていて、話を聞くなり、調べるなりするときに役立っているなと感じています。
また、直接的な知識だけでなく、それに付随した習慣などもいつの間にか身についていたので、よかったです。
ただ、知識を入れるだけでなく、実際に手を動かして、
知識と実際の挙動を紐づけていくことをも大切なのだと感じました。
また、忘れてしまった知識も多いので、まずはよく使うなってところから復習していこうと思います。
学生の時は、どの知識がよく使われるのか、というのがわからなかったので、実務に入ってからより効率的に勉強することができるようになると思います。
本日の記事は以上となります。
引き続き アイスタイル Advent Calendar 2024 をお楽しみください。