はじめに
こんにちは。KDDIアジャイル開発センター(KAG)の小糸です。
今年の新人社員向けのアジャイル・スクラム研修を担当することになり(去年まで🏉の方が実施していた)、せっかくなので新しいワークショップを試してみようということで、スクラムショーワークショップをやってみました。
受講者の反応がすごく良く、スクラムショーワークショップがもっと広まって欲しいなと思ったので記事にします。
スクラムショーワークショップとは何か
スクラムショーワークショップは、スクラムの説明をショー(寸劇)形式で行うことでスクラムの理解を深めてもらうワークショップです。
私がここで色々書くより、森さんの記事見てもらった方が分かりやすいと思うので詳しく知りたい方は以下を読んでください。
スクラムの理解を深める「スクラムショーワークショップ」のご紹介
ワークショップの概要
研修全体のタイムライン
参加者
新入社員 24名(6名*4チーム)と、講師4名で実施しました。
1チームの人数をもうちょい減らしたかったのですが、新人研修全体でチームが固定されていたので元々のチーム構成を優先してます。
ワークショップの様子
ワークショップで行った活動や教材の詳細を、時間の流れとともに紹介します。
オープニング
オープニングでは、チームメンバの理解度の擦り合わせや、ワーク中のワーキングアグリーメントの決定を行いました。
アジャイルスクラムの講義
ワークショップ
ワークショップでは、受講者のまわりで「スクラムについて知りたい!」と思っている人をターゲットにし、ターゲットに向けたアジャイルやスクラムを説明するための最大90秒の動画を作成します。
スプリントレビューで成果物のお披露目。4チームだったので、2チーム毎に別れてお互いの成果物のレビューを実施。
これを3スプリント繰り返し、成果物の質を高めていきました。
各チームの成果物
どのチームもすごく面白い寸劇ができ、スプリント1からの動画のクオリティの上がり方も素晴らしいのでメチャメチャお見せしたいのですが権利の都合上見せられないので、どんな動画だったかを文字で書いてきます。
- チーム1
- ゲームで勝てない主人公の元にアジャイル開発センターの神スクラムリュークが登場。主人公に振り返りの重要性を説明、振り返りを実施して改善点を見つけた主人公がゲームに勝利する。
- チーム2
- 就活中のバスケ部メンバの元に先輩が登場。先輩がスクラムの手法を説明したが伝わらず。そこにアジャイル星から来たアジャイル妖精が登場。スプリントをバスケの練習メニュー作成から試合までに例えて説明すること理解する。
- チーム3
- スクラム未経験の新入社員が主人公。月曜から順に今日は何をするかを先輩社員に質問し、先輩社員がスクラムのイベントについて説明していく。
- チーム4
- 顧客からSMSサイトの作成を求められたスクラムチームが、最初はイメージと違っていたものの毎週のレビューでフィードバックを受けて顧客の本当に欲しいものを提供する。アジャイルだと顧客が本当に欲しいものを早く提供できることを伝える内容。
文章にするのムズイな。。。
講師からの同じ要求に対して、取り上げる点も寸劇の構成も各チームの特徴が出てたのがとても良かったです。
チーム1とチーム2、チーム3とチーム4は相互にレビューをしていたので、小道具の使い方などお互いの良いとこを採用して寸劇のクオリティを上げていました。
最後はディスプレイを使って全体にお披露目
研修を終えて
受講者の声
一部のみ抜粋。
- スプリントを回している最中のメンタルも重要なのかもと思った
- 振り返るとプロダクトのクオリティが上がっていくことに喜びを感じた
- アジャイル開発を模擬的に体験できてよかった。フィードバックをもらうことの重要性を知った
- すぐにレビューもらえるのがとても良いなと思いました
- フィードバックやみんなが優しいからこそ意見が出しやすかった
- ワークショップを繰り返していく中でチームの結束力が深まっているような気がする
- スプリントごとの時間がかなり短く、正直間に合う自身がなかったが、実際に作業してみると思った以上にスムーズに作業が進んだので、アジャイル開発ってすげえなぁと思った
- 1回目スプリントを回すのが大変だった。とりあえず何か出さなきゃいけないが、自分たちの中でも完成系のイメージがはっきりしていない状況が辛いなと思った。でも何かリリースできるもの?フィードバックできるようなものを作る必要があるから、妥協点を早めに決めることが重要だと感じた
- スクラム研修では、スクラムをどのように回すかについて動きながら学ぶことができ、座学よりも圧倒的に理解が深まったと感じる。
- スプリント1怖すぎ
- 高々6人程度で既にブルックスの法則を実感しているので今後の会社員ライフが不安になる
こちらから伝えたかったことは概ね理解してもらえてました😆
講師での振り返り
紙ヒコーキワークショップとの比較
スクラムのワークショップで最もポピュラーな紙ヒコーキワークショップ(長いので以下ヒコーキ)と比べてみました。
- 😀スクラムの各ロールを意識できる
- ヒコーキではワーク中にPO、SM、開発者というロールを意識することがほぼないのに対し、本ワークでは各ロールを意識したワークが体験できる
- 😀実際のスクラムに近いイベント体験ができる
- デイリースクラムこそないですが、それ以外のスプリント、プランニング、スプリントレビュー、レトロスペクティブ、リファインメントもリアルに体験ができる
- 😀成果物が残る
- 本ワークでは動画という分かりやすい成果物が残る。参加後の研修報告もしやすい
- 😀エコ
- 本ワークで使った消耗品はイーゼルパッドと付箋、メモくらいなので、紙ヒコーキに比べてエコに済みます
- 😐恥ずかしさを乗り越える必要があり参加者を選びそう
- 寸劇を行うので恥ずかしさがある。今回は、新入社員なので上手く行きましたがある程度年齢の行った人だと苦労しそう。初対面の人でチームを組む場合はより大変なのでアイスブレイクが大事になりそう。
- 😰実施に時間がかかる
- 紙ヒコーキに比べると、ワークに時間がかかります。今回、計4時間(講義1時間+ワーク3時間)かけましたが、スクラム未経験者向けの講習でこのくらいかけないと満足度が得られなさそう
- 😰機材準備が大変
- 運良くKAG内でiPadを多く所有しているチームがあり借りる事が出来ましたが、タブレットをチーム数分用意するのは結構ハードル高め
- スマホでも出来なくはないけど、スプリントレビューがかなりやりにくい気がする
さいごに
今回初めてのワークショップということもあり、業務の合間を縫っての準備はなかなかに大変だったんですが、研修が想像以上に盛り上がり準備の大変さを遥かに超える大きなリターンを得る事が出来たなと感じました。
もっと、色んなところでこのワークが実践され多くのフィードバックを受けて、ワークが洗練されていくといいなと思ってます。
社長からワークショップパッケージ外販しようぜって言われたんだけどどんだけ需要あるんかしら?
謝辞
- スクラムショーワークショップ作成者の皆様ありがとうございました。
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