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背景

Windowsユーザーのエンジニアの皆さんの中にはWSL環境で開発を行っている方も多いと思います。私もその一人です。

先日WSL環境で開発中、WindowsにインストールしたVPNクライアントからIBM CloudにSSL VPN接続してもWSLからアクセスできず困ったため、備忘録を兼ねて記事にしました。

WSL2からIBM CloudにSSL VPN接続する

タイトルの通りです。本記事で使うSSL VPNクライアントのMotion Proは公式ではWSL非対応としており、動作が不安定な部分もあります。もっといい方法があればコメントにてご教示ください。

環境

Ubuntu 20.04 LTS on WSL2 on Windows11

事前準備

初めて接続する際に必要です。すでに別環境から接続できる方は飛ばしてください。

  1. IBM Cloud ダッシュボード中の「ユーザー・アクセス」→「ユーザーの管理」から自分のユーザー名を選び、VPNパスワードを設定しておく
    スクリーンショット 2022-12-12 090853.png

  2. タブ「クラシック・インフラストラクチャー」内のタブ「VPNサブネット」に移動し、次の設定をして、保存する

    • 「SSL VPNアクセスを有効にする」にチェック (*必須)
    • (自動割り当て「オフ」)
    • (接続したいサブネットにチェック)
      スクリーンショット 2022-12-12 091353.png

VPNクライアント(MotionPro)のインストール

IBM Cloud公式ドキュメントの「Linux スタンドアロン・クライアント」を参考にインストールします。

1. ダウンロード

Array Network公式ページ(https://support.arraynetworks.net/prx/001/http/supportportal.arraynetworks.net/downloads/downloads.html) より、最新版のMotionProのリンクをコピーしてwgetします。

コマンド
wget --no-check-certificate https://support.arraynetworks.net/prx/001/http/supportportal.arraynetworks.net/downloads/pkg_9_4_0_461/MP_Linux_1.2.15/MotionPro_Linux_Ubuntu_x64_build-22.sh

2. 実行権限付与

コマンド
chmod +x MotionPro_Linux_Ubuntu_x64_build-22.sh

3. インストールスクリプト実行

コマンド
sudo ./MotionPro_Linux_Ubuntu_x64_build-22.sh

インストール直後のプロセスを見ると、"vpnd"および"MotionProHttpd"の2つのプロセスが起動しています。
スクリーンショット 2022-12-12 104357.png
このうち"vpnd"について、WSL環境だと自動起動が設定されないため、Windowsを起動する都度vpndの起動が必要になります。
面倒なので起動を自動化します。

vpnd自動起動の設定

1. systemdの有効化

自動起動を設定するため、まずWSL2でsystemdを使えるようにします。

コマンド
sudo nano /etc/wsl.conf

以下の内容を追記

/etc/wsl.conf
[boot]
systemd=true

2. vpndインストール先の確認

コマンド
which vpnd
結果
/usr/bin/vpnd

3. Unit定義ファイルの作成

コマンド
sudo nano /etc/systemd/system/vpnd.service

以下の内容を入力 (ExecStart=のパスは先ほど確認したパスを指定)

/etc/systemd/system/vpnd.service
[Unit]
Description = vpnd-service
After = local-fs.target network-online.target

[Service]
ExecStart = sudo /usr/bin/vpnd
Restart = no
Type = oneshot
RemainAfterExit = yes

[Install]
WantedBy = multi-user.target

4. 自動起動登録

コマンド
sudo systemctl enable vpnd

5. wslの再起動

systemdの有効化のため、wslを再起動します。
WSLのシェルを閉じてWindows側でPowershellを開き、以下のコマンドを入力します。

コマンド(PowerShell)
 wsl --shutdown

6. 起動確認

再度WSLのシェルを開き、自動起動が設定できたことを確認します。

コマンド
sudo ps -A | grep vpnd
結果
 373 ?        00:00:00 vpnd

2023/08/08 追記

systemdの有効化後、WSLからWindowsの.exeファイルを直接開けなくなる事象があるようです(Exec format error)。
以下コマンドで修正できます。

$ echo ":WSLInterop:M::MZ::/init:PF" | sudo tee /usr/lib/binfmt.d/WSLInterop.conf
$ sudo systemctl restart systemd-binfmt

VPN接続

準備が終わったので、VPN接続をします。

コマンド
sudo /opt/MotionPro/vpn_cmdline -h '[接続先]' -u '[VPN接続ユーザー名]' -p '[VPN接続パスワード]'
結果
failed to open file /sys/class/net/bonding_masters/flags, error 20
failed to open file /sys/class/net/bonding_masters/address, error 20
login successfully!
starting vpn...
current status:0
current status:0
current status:0
current status:0
Connect successfully!
Vpn is connected!

エラーメッセージが出ますが、VPN接続は完了しています。

切断は以下のコマンドで行います。

コマンド
sudo /opt/MotionPro/vpn_cmdline -s
結果
stop connection successfully!

補足

この記事の内容とは直接関係ないですが、長時間スリープ復帰後などにWSLのシステム時刻がずれて名前解決できず、接続できなくなるエラーが発生することがあります。以下コマンドで対応できます。

コマンド
$ sudo hwclock --hctosys

参考文献

以下の記事を参考にさせていただきました。著者の皆さまに感謝いたします。

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