「RDi導入の投資対効果の資料ってありますか?」
先週大阪で行われたセミナーにていただいた質問です。
開発環境をご紹介する際、よく聞かれるのがこの投資対効果というやつです。
RDiのメリットをおさらい
- RPGⅢ、ILE RPG、FF RPGの開発可能
同一ソースで固定フォームとFF RPGの併用も可能。固定フォームのプロンプト機能あり - FF RPGへの変換機能有
- 一部終了してしまうADTS機能の代用(サポートがある状態で以下の機能が使える)
- 報告書設計ユーティリティ(RLU)
- 画面設計機能(SDA)
- ファイル比較および組み合わせ ユーティリティー (FCMU)
- GUI画面でのデバッガー機能
- Git連携容易
- CI/CD機能の活用
- オープン系出身や若手開発者のモチベーション向上
- 日本語で使用可能
- 既存5250資産への対応が簡単
- 動作の安定性に加えて、IBMのサポート有
技術者のブログでお金のこと書くのも。。。と思いましたが、IBM i の良さを知ってもらうのがこのQiitaの目的ですので書きます。
算出時に参考にした記事
チャールズさんのBlogを参考にしました。
US COMMONの人でIBM i ユーザーの方です。
以下、簡単に日本語で内容をまとめます。
1日たった10分のロスが、年間325,000円の損失に
チャールズさんは、SEUでの非効率な作業によって、開発者が1日10分無駄にしていると仮定しています。
この「10分のロス」が、実は年間で大きな金銭的損失に直結するのです。
具体的な計算は以下の通り:
開発者の時給:$50(2024年3月時点、1ドル=150円で換算 → 約7,500円)
1日10分のロス(1/6時間)
勤務日数:年間260日(週5日×52週)
→ 年間ロス金額:
50ドル × (1/6) × 260日 = 2,167ドル → 約325,050円(7,500円 × 260 ÷ 6)
たった10分の非効率が、年間32万円以上の損失に相当する、とチャールズさんは言っています。
2025年版の値段かつ円で試算
より現実的な視点で、日本のRPGエンジニアの平均的な単価を使ってシミュレーションしてみます。
現在、RDiのライセンス参考価格は1ユーザーあたり約20万円程度です
(※2025年3月時点での参考価格)。
ちょっと高いなと感じる方もいるかもしれません。
しかし、エンジニアの人件費を踏まえて試算してみると、それでも十分に投資対効果があることが分かります。
例:単価100万円/月のRPGエンジニアの場合
ここでは、単価100万円/月RPGエンジニアを例に試算してみます。
前提条件
- エンジニア単価:100万円/月
- 稼働時間:160時間/月(20日 × 8時間)
- 時給換算:100万円 ÷ 160時間 = 6,250円/時間
- 1日の非効率(SEUなどでのムダ時間):10分(=1/6時間)
- 稼働日数:年間260日
- RDiライセンス費:約200,000円
年間のムダ時間コストを算出
-
1日の損失:
6,250円 × 1/6 ≒ 1,041.7円/日 -
年間の損失:
1,041.7円 × 260日 ≒ 270,920円/年
ROIの計算
ROI(%) =(利益 − コスト) ÷ コスト × 100
- 利益(削減効果):約270,920円/年
- コスト(RDi導入費):約200,000円
ROI = (270,920 - 200,000) ÷ 200,000 × 100 ≒ 35.5%
→ たった1年でRDi導入コストの35%以上のリターンが得られる計算です。
さらに、2年、3年と使い続けることで、ROIは着実に上昇していきます。
-
1日15分の改善(年間削減額:約406,380円)
ROI = (406,380 - 200,000) ÷ 200,000 × 100 ≒ 103.2%
→ 1年で投資額の約2.03倍のリターンが得られることになります。 -
1日20分の改善(年間削減額:約541,840円)
ROI = (541,840 - 200,000) ÷ 200,000 × 100 ≒ 170.9%
→ 1年で投資額の約2.71倍のリターンが得られることになります。
まとめ
以上、RDiの投資対効果をまとめてみました。
それ以外にも実際の、ROIは「時間の短縮」や「ミスの防止」といった見える効果だけではなく、冒頭のRDiのメリットを総合的に考えると、RDiの投資価値は非常に高いといえます。
RDiを使いこなすことで、1日20分どころか、30分以上の改善が実現できるケースも多々あります。
「RDiは高い」と感じるのは、その効果を見える化できていないだけかもしれません。
複数年使えばコストパフォーマンスはさらに向上し、ROIは数百%にもなります。
120日間のフリートライアルもありますので、これを機にRDiの導入を検討していただければ幸いです。